アルコール【4】「多価アルコール」の能力とは
こんにちは。橋本です。
今日は、「多価(たか)アルコール」というものが何か、をおおまかにまとめたいと思います。
保湿クリームには、古くからアルコール類がよく使われています。
スキンケアの分野で使われる「アルコール」は、「お酒」のことではありません。
「だったら、アルコールって何だよ」っていう方は、こちらを参考にしてくださいね。
アルコールには、炭素( C )の数で分類する呼びかた。
「低級アルコール」と「高級アルコール」という分類がよく使われています。
「低級」「高級」のおさらい
「低級」「高級」の分類は炭素数の多さで分類しているので、
低級アルコール → 水性
高級アルコール → 油性
炭素が多いほど油性の性質が強くなるので、高級アルコールは、より油になじみやすくなります。
多価アルコールとは
これとは別に、アルコールを「価」で分類する呼びかたもあります。
それぞれのアルコールの中のヒドロキシ基( OH )の数で、分類する方法です。
ヒドロキシ基( OH )が1つなら、一価アルコール。
ヒドロキシ基( OH )が2つなら、二価アルコール。
ヒドロキシ基( OH )が2つ以上を、多価アルコールとよんでいます。
一価アルコールの例 |
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エタノール |
イソプロパノール |
セタノール |
ステアリルアルコール |
多価アルコールの例 |
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グリセリン |
プロピレングリコール( PG ) |
ポリエチレングリコール( PEG ) |
ブチレングリコール( BG ) |
水になじみやすい
同じ炭素数のアルコールをくらべると、ヒドロキシ基( OH )が多いほう。
つまり、多価アルコールのほうが、水になじみやすい性質をもっています。
水になじみやすい理由はやはり、ヒドロキシ基( OH )の部分が、水の「H2O」と構造が似ているためです。
ここでも、「物質は、分子構造が似ているもの同士はよくなじむ」という性質がいかされるわけです。
このように、「多価アルコール」には、水によくなじむ性質があるため、保湿剤にとてもよく配合されます。