今日、即金で払うと言われた、

何も答えなかった。

店にアトムを抱えて向かった。

外から、やつらが見えた。

店の奥で皆で

テーブルを囲んで

楽しそうに見えた。

やつらは、何をしてるんだ。

トリミング旦那は、多分

それに気付いて

車をブーンとわざと

大きな音を鳴らして

駐車した。

アトムを抱えて入ると

嫁が旦那に、言った。

『はやいね。』

早いねって何だろ、このブス。

素直にブスだなと思えた。

顔もだけど、

心が不細工だ。汚い。

嫁は、私を毎回直視する。

私は、その顔が

しょうがないじゃない、

金だろ?って

見える。

口調もハキハキしてる。

それは仕事かと言うかの様に。

でも、頭が弱そうだよ。

その話し方…。



事故の敬意を詳しく聞いた。

事故の起きた時に

アトムは、大型犬と

ジャレて居たのではなくて

中に居た、自分の子を

shampooされてたお客様に

愛想を振り撒いていて

大型犬の存在を見てなくて、

大型犬は、一方的に

カプッとしたと知った。

アトムは知らない人に

愛想は振らない。

知らない人は怖いのだ。

私が、その人の手を触って

どうもどうもして来なさいと

言わない限り、自分から

行かない。

知ってる。

恐らく、その飼い主が

アクションを起こして

アトムの気をひいた。

そう告げると、

やつら、何も言わなかった。

なぜ、そんなに人が居たのに

こんなことになったのか…

言っても、しょうがないけど、

責め立てた。

そして、スタッフの知識向上と

改善案を言った。

特にこの柵は柵ではないと。

小型犬も飛び越えられる柵だ。

柵の話をしていたら

お泊まりしている柴犬が

柵の横を

いとも簡単に通り抜けて

私の所に来た。

サイドは固定されてない。

嫁はあわてて柴犬を

連れ戻した。

何も言えなかった。

アトムを抱いてたトリマーも

いない。

当事者は、一名いない。

なにかイロイロ言ったけど

思い出せない。

よく思い出せてる方かな。

ここ何日間、感情でしか

言葉を発してないから。

考えて喋っていなかったから。

パパは最後に

あの日、

嫁と℡してたスタッフを

どいつだと探し、

『笑って、あと、2分ですか?って言ってたの、お前か?なんでアトムが死にそうなのに笑ってた?もう、死んたけど…』



と、詰めてた。

笑ってたと教えたのは私だ。

やつは、『笑ってるつもりはなくて、パニックで…』と



そうか、人はパニックで笑えるのか…知らなかった…



でも、

彼女も犠牲者かもしれない。

的確なジャッジをくれる人の

下で働いていれば

なじられなかったね。

何も戻らないから、

やつらには、イロイロ

学んで貰いたかった。

イロイロ感じて欲しくて。

私は、その日に

トリミングを見学出来ると

初めて知った。

何度も来てる私に何故それを、

教えてくれなかったのか。

いつも私がウロウロしてるのを

見てたじゃない…。

中で待ってたら生きてたね。

ある友達は言った。

『トリミングに預ける貴女が悪い。預けた貴方のせいで死んだんだよ。自分のせいだ。』と。



ホントにそうだ。

連れて行かなければ

突然アトムを失わなかった。

トリミング=死。

トラウマだ。



話にならない私は言った。

やつのファミリーカーの中で、

アトムの前で…。

『話し合いなのだから、間を取りましょう。もうアトムの前で話したくないし、あなたの顔も見ていたくない。黙ってるあなたと話す余地はない。経営者として、そんな態度ではマズイですよ。あなた何歳ですか?大丈夫ですか?経営者としても人としても最低だから、辞めた方が良いのでは?』



旦那『はい。そのとおりです。33歳です。』


私『あー私より歳上なんですか…』



こいつダメだ。

人としても、経営者としても。

私『私が新しい子を今日決めたのは、こうなると思ったから。私が生体は要らない。もう飼わないと言ったら、ラッキーだなと思うでしょ?そんなことはさせない。一番の犠牲者は、新しい子ですよ。分かりますか?』



うなだれながら、うなずいてた。



やつは、よく子供を作ったな。

不甲斐ないな。

旦那『20万出させて頂きます』


そう、言った。

この金額は、

仕事の日割り計算にも足りない。


アトムとの二年間弱の

最低コスト金額にも達しない。

結果、もう話したくなくて…

アトムの前で話したくなくて、

アトムすら買えない値段で

話を終えた。

結局、誠意なんて伝わらなくて

金の解決で終った。

嘘でも、何億とか、何兆とか

言って欲しがった。

ううん。違う。

せめて、一言

『お金の問題では無いけれど…』


と、言って欲しかった。



トリミング旦那は

沈黙ばかりで、話しにならない。


『十万しか考えてなかった。生体は保証したし、他の葬儀代、医療費、トリミング代を支払った。』


そう言った。

トリミング代?

死なせた日のトリミング?

医療費?

蘇生をした、あの処置代?

こいつは、馬鹿か。

葬儀代?

当たり前だ。

それを払ったからだと?

多分、そこに

凶器があったら…

どうなってたんだろうか。

じゃあ分かった。

慰謝料要らない。

アトムを返してくれるなら

要らない。

と、告げた。

旦那は下を向いてた。

やつは、そのちっぽけな

誠意と言う名の、

口からデマカセで

営業を続けたいと言う意味だ。

私は、

アトムを失った時に

やつらに聞いた。

これまで、こんな経験あるか。

と。



やつらは、無いと言った。

それは、嘘だった。

アトムと出会った、

新しい家族と出会った、

SHOPで、私は聞いたんだ。

泣いてアトムを抱えた私に

優しく接客してくれた

SHOPスタッフに聞いたんだ。

入店した私に、

どうしたのか

聞いて来てくれたから

彼女に泣きながら話してた。

トリミング旦那は

駐車場にとめて

遅れて入店してきた。

彼女は、私に聞いてきた。

『トリミングサロンをしているのは、あの人ですか?』


私『はい。連れてきたの。』

彼女『私、あの人、知ってます…。二人でサロンやってます?』



私『はい。夫婦でやってるよ』

彼女『女の人、●●さんですよね?』


私『名字は分かるけど、名前は分からない。顔が薄い人、私みたいに。名字は、●さん。新生児がいたから、夫婦。』


彼女『知ってます。結婚したんだ。私、その人達と、同じところで勉強してたんです。向こうは分かるか分からないけど。』



世間は、狭かった。

私と話す彼女は、

トリミング旦那に

良い印象が無いようだった。

後日、彼女から

新しい家族のお迎えの日に

ついてTELがあった時に

聞いたんだ。

彼女『大丈夫ですか。勉強してる所でも、何度か大型犬に噛まれる事故が起こってたからな。』



私『え?あったの?やつらは、無いって、見たことないって経験した事も無いって言ってたよ…』



私は、新しい家族のお迎えの

日程を聞きながら

心が死んだ。また死んだ。


やつらは、何度も経験して

何度も死なせてた。

やつらは不注意で

何度も何度も

ナキモノにしてたんだ。