京都新聞記事
島津製が水増し請求 11年度4100万円分 指名停止処分 防衛省事業
京都新聞 1月25日(金)23時9分配信
島津製作所は25日、防衛省から受注した航空機器事業部の事業をめぐり、契約した装備品修理の作業時間を過大に計上し、費用を水増し請求していたと発表した。防衛省によると、水増し請求は航空自衛隊戦闘機のレーダー機器修理など2011年度に結ばれた2件の契約で計約4100万円分。島津製作所は防衛省から同日付で指名停止処分を受けた。
防衛省によると、11年12月に防衛省の外部から情報提供があり、調査を進めた。当初、島津製作所が調査への協力を拒んだため、水増しを確認するまで1年以上かかった。
■水増し認め謝罪 島津製
防衛省から航空機事業契約で金額を水増し請求したとして指名停止措置を受けたことについて、島津製作所(京都市中京区)は25日、「関係者に多大な迷惑をかけ、深くおわびします」と水増しを認めて謝罪した。
水増しが意図的だったかについて、同社は「今後の防衛省の調査に全面的に協力する中で明らかにしたい」(広報室)と説明した。
防衛省は「昨年6月から(契約が適正か確認する)制度調査を実施したが同社が一時受け入れを拒否した」としているが、同社は「調査には協力してきた」とした。
同社の防衛省関連の売上高は2012年3月期で240億円。業績への影響について「現時点では不明で、状況が明らかになり次第開示する」と説明している。防衛省の装備品契約をめぐっては、三菱電機も水増し請求していたことが判明している。