じーさんが日本に降り立ったのはクララ社開発営業部が発足して2ヶ月後だった。


クララ社内では重役や部下達がじーさんの行動力に驚きを隠せなかった。

「なかなかやるよな部長って!」
「俺ははじめからわかってたぜ、部長はやる奴だってこと!」
「嘘つけっ、頼りない奴って言ってたじゃないか!」
「まぁまぁ、とにかく部長は動きはじめたんだ、俺たちも後に続かないとな!」
「そうだなっ、営業部始動開始だぜ!!」

部下達はじーさんの行動に後押しされ、各々に感動してやる気を出し始めた。
じーさんは部長として認められ始めたのである。


しかし、重役らの反応は全く正反対の驚きだった。


「なんの計画も無く、日本に行ったのか!グレゴリー(じーさん)はっ!!」
「行ってどうするつもりだ!我々が行って撃沈しているのはわかってるはずだぞ!!」
「ナメてるのかっ!アイツを営業部から外せっ!とにかく帰って来いと言えっ!!」

激怒だっ!!!

「ロビンの推薦だから目をつぶっていたが、もう我慢できん!」

「・・・・・・」
ロビンは無言のまま会議室に腰を据えていた。

「何か考えがあるのか、ロビン?」

「・・・・・、今グレゴリーは営業部長だ。その部長が先頭切って動いた。
私に考えはないがグレゴリーにはある。そういうことだ。」

重役らはなにも言えなくなった。

「私がグレゴリーに連絡をしておくから、それで気を沈めてくれ。」
ロビンは静かに重役らに言い、タバコに火を点けた。

会議は終了。重役らはロビンを残し部屋から出て行った。


ロビンは携帯電話を耳にあて窓の外の小さなビル群を見下ろしながら、
じーさんに言った。

「結果が出るまで帰ってくるな」