忘れる。
遅れる。


忘れても、だれかが覚えている。
遅れたら、だれかが教えてくれる。




と書いてみて。
教えてくれる、のところで、ひっかかった。


何かある。
灰色のモヤのような、重たい色の塊のような。




遅れる、といえば。
自然と思い起こされるイメージは、ひとり、だ。


ひとりだけ、休んだ日の分の、テスト用紙に向かう。
ひとりだけ、お弁当を食べるのが遅くて。
ひとりで、迷った、教室が、どこにあるのか。


困った時にひとりだった記憶が、強く残っている。




困っても、ひとりでなければ、きっと寂しくはなかった。助けてくれる人。いっしょにいる人。


解決できなくても、いっしょに困れる人。


テストのここ、わからないよね。
お弁当、食べるの急かされて、焦るよね。
教室、どこだろ。


わからなくても。
早くできなくても。
迷っても。
本当は、それでいいと、思えた。




わからなくても、よかった。
できなくても、よかった。
迷っても、よかった。

 -Ato-