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空間散策

フラフラと出かける。
 当てがないわけではない、
  なんとなく何かがある気がする。。。

現存する国内最古の控訴院(大正11年竣工)に行ってきました。

ネオバロック様式。

どっしりとした花崗岩と煉瓦作りで荘厳重厚な近代建築……
の、最後の一つだそうです。

 

関東大震災で、
大理石・煉瓦作りの建造物がかなりやられてしまったため、
(大審院や日銀等は耐震性・軽量化を備えていたので耐えましたが!)

「今後はもっと軽くて丈夫な鉄骨鉄筋にしよう」
という方針転換があったようで。残念。


さて、中に入って拝見。

まずはドーーーンと広がる中央階段室。三段構えできたぞ!

あの、画面に入りきらな…

正面に見えるステンドグラスは、花瓶を背景に、
裁判所らしく天秤。
左右に「罪」と「罰」を載せているとか。

見上げると天井にもステンドグラス!
裁判所らしく「人々に平等に降り注ぐ日輪」のイメージだとか。

周囲にある「大理石っぽいけどなんか違う」感じの柱や飾りは、
「漆喰」で大理石模様を再現したもの。

この柱↓↓は上半分が漆喰塗り。軽量化を考慮しての工夫だとか。

結霜(けっそう)ガラスもあります。
膠(にかわ)をガラスに塗布したもの。
これ最初に思いついた人すごいよな…
何故ガラスに膠を塗布しようと思ったのか

こちらは会議室の再現。

内装立派だわ~

会議風景の再現映像を観たいw

ここのカーテンは、
最高裁判所と同じ老舗メーカーに発注して作ってもらっているとのこと。

思わず凝視して、
「も、もしかして大審院のカーテンも同じメーカーさんが?!」
と聞いてしまい、ガイド役の方、きょとん。

 

…やべぇ引かれた(0_0;

普通は「大審院」って言ってもすぐには通じないよな…
大審院の内装をミニチュアで復元したいんだけど、資料不足で困ってる。

そしてカーテンのメーカー名、聞いたのに忘れてしまった…
京都の…カ○○○ってとこだって…

 

そして、裁判所ですから、

明治憲法下の法廷の「再現」もあり…


(日本国憲法下の法廷との大きな違いは、

検察官が裁判官と同じく一段高いところにいるってことです)

あまりここで萌えなかったのは、木の色かなと思ったり。
もう少し渋い色がいい。
なんか傷ひとつなく真新しく見えるの気のせい?
まさか全部復元…レプリカじゃないよね?

そういう色ってあるもんな、あんまり知識ない…べんきょうしよう

地下には留置場もあります。
鍵はいかにもだけど、内装等は昭和後期とそう変わらない感じが。

というかこの留置場はいつの時代のを再現してるんだろう、

大正11年竣工から60年間使用されて、改装してないとは言いきれないだろうし。

前日に見た明治村での独房と雑居房を比べてしまって本当に同じ国なのかと思ってしまうレベル。

 

こちらは、道中で見つけた「大正時代の町並み」。

こういうのをいつかVRで体験してみたいものですわ~

 

さて、次はどこ行こう。

日本銀行本店本館(明治29年竣工)に見学に行ってきました。


事前予約の1時間コース(地下金庫含む)は間に合わなかったので、

当日10時から整理券配布の30分コースです。




10時15分頃にこれを受け取り、

見学の受付開始の11時50分まで向かいにある

貨幣博物館を堪能してきました。


これがけっこう楽しい!

軍票を見てみたかったので大満足!!!


お土産コーナーで罠にずぼっとハマった…(笑)



こんなん買うしかないやろ



で、11時50分きっかりにやる気満々で受付にいったら、

12時半に始まるまで中庭(円の下の部分)で

お好きにお過ごしくださいと。

やったー!

ゆっくり過ごせる!!!



カメラOKということで一人で撮影大会!!!




受付済ませてすぐのところに、警視庁の派出所が!

やだー!渋い!

中が見えないようにすりガラスだー!ひどい!見たい!(笑)


そして振り返れば……




どーん!!!




ちょっと見上げる感じで見れば更に、どどーーん!!!




もう一度くるっと振り返って、渋い!!!




この外灯とか、あああ、夜に来たい、

ねぇ、夜に撮影大会したい!


誰か、外套羽織って!うぁああああ




この外灯、よく見ると渋くて素敵すぎる…あぁ…


ぐるりと周回してストーキングすると…



管理のためのシールが!(笑)

フフッ、こういうの好きだぜ……




ゆがみガラスも現存……一部、まっすぐなガラスになってましたが。

うふふ、このゆがみっぷり……


のぞいて見える景色や、

映る景色が歪んで見えるのが、

なんともいえない奥ゆかしさというか

ちらリズム好きのツボをくすぐるというかグヘヘ。


さて、こちら、「円」の右側の足部分の門。

受付したのが左側の足部分の門で、

昔はこちらも開いていたのだとか。


※尚、日銀は上空から見ると「円」の字に見えるけど、

当時は「円」ではなく「圓」。

左右対称が好んで作られていたので、

まぁ偶然だろうというのが通説っぽい。



うーん、さすがは頑丈そうな門だ。


頑丈といえば、こちらの窓とかも、シャッターが強そう。



上にシャッターが見えます




で、こちらは馬の水飲み場。

(円の字の下の真ん中にある)



作られた当時は明治時代。

まだまだ馬車でしたから、紙幣を運搬するのも馬車だったと。




うーん、すばらしい。絵になる。

水飲み場といえば「竜」が主流のところ、「獅子」が採用されたと。

なんでじゃろ、聞き逃したな。




こちら、現在は女子トイレですが、

当時は最新の水圧式エレベーターが設置され、

それで地下金庫から紙幣を運搬していたとか。


水圧式エレベーター……見たかったなぁ……

今はトイレとか、少し笑う。


あっ、しまった、せっかくだからトイレ行けばよかった。

水圧感じればよかった(ちがう




ネオバロック様式の特徴である、

等間隔の窓たち(だそうです。その辺、知識不足でわからん)

実際は窓のないところになんちゃって窓を作って等間隔にしてるとか。


30分見学コースは、

円の字の真ん中まで見れる……


私がじっくり撮影しまくったこの中庭と、手前の一室だけです。


その一室、通称「八角部屋」

日本銀行本店本館を上空から見て中央にある

「八角」のドーム型天井の真下にあるお部屋で…



照明も八角。



床のタイルも八角。




壁の時計も八角。

おいおい(笑)


なんで八角なのかと尋ねてみれば、

明確な理由が資料にあるわけではなく、

設計をした辰野金吾氏(東京駅とかも設計した人)が


八角形が好きだからかも…と。


あっはっは、そういう理由好きだわ

あとは参考にしたベルギー銀行のデザインの影響もかなりあるようで。




八角部屋に入って振り返るとこんな感じ。

うろうろと撮影大会した中庭が見える。




こちらも頑丈そうな扉が。

ステンドグラスもあって、おっされ~♪




これ、何なのか聞くの忘れた…

暖房器具かなぁとか…




こういう細かいところも「日本銀行」って主張してくるの、イイ…


で、1時間コースで入れるこの奥の部屋。



今回は30分コースなので、

扉から張り付いて覗くだけです。ぶぉぉ…



覗き見、真正面



ひろびろ~


覗き見、左



覗き見、右



右上



天井は、現在鉄板で覆われていますが、

当時はすりガラスがはめられていて、

上部の窓にはステンドグラスで、

採光していたとか。


赤坂離宮と同じく最新の自家発電をお持ちだったようで(さすが!)

しかし、電気が不安定だから、

自然採光も……と。


これが当時の写真。

花の形のシャンデリアもあった。



だが、関東大震災で、

天井のすりガラスが全部砕けてしまい、

シャンデリアも粉砕。


建物自体は、大審院と同じく「びくともせず」だったようですが、

(※竣工前の新潟の震災をうけて耐震性を意識し、

総石造りではなく、軽くするためにレンガも組み込んだ)


天井のすりガラスがすべて砕けたために、

震災の翌日……日曜の火災で、

天井から火の粉がたくさん入ってきて3階が全焼。




それでも翌日月曜は窓口業務したとのこと。


案内係の方が誇らしげに


「日本銀行は設立以来、

窓口業務をすべき日で

業務をしなかった日はほとんどありません」と。


そこで反応する私。

二年近く、「戦時~占領下の日本の司法」について調べてきたので、

あの混乱期での日銀、超気になる!


たしか色々GHQの接収とかあれこれで日銀も大変だったはず!

と思い、質問タイムで早速「ほとんど、っていうことは…?」と聞きました。


資料で明確なことはわからないそうですが、

どうも1日あったらしいと…

あとは玉音のときは業務の手を止めたでしょうね、と。


それはたしかに。裁判所でもそうだったらしいし。




それにしても装飾が素敵だ…

次回は1時間コースで入るぞ~~~


で、内装は真っ白で綺麗ですが、


日銀できたての頃は外側も同じように真っ白で、


赤坂離宮に匹敵する壮麗さだったそうです。


うわ見たい。

タイムスリップできないならVRで見たい。

早く誰か。


こうなると、東京大空襲で全焼し、

今となっては設計図もなく細部等がさっぱりわかんない

壮麗なネオバロック様式だったと言われる大審院

がほんとにほんとに見たかった…!!!


大審院庁舎と日本銀行本店本館は明治29年に竣工、

赤坂離宮は明治42年、

そして、赤坂離宮と日本銀行が自家発電装置を持っていたなら、

もしかして大審院も……


…おっと、脱線した。

ともかく、日本銀行本店本館、30分コースでしたが、

非常に有意義でした。


案内係の方、どうもあれこれ聞いてしまってすみません!

ありがとうございました!!!!














迎賓館赤坂離宮一般公開に行ってきました!

※尚、中は撮影禁止。庭はOK







……諸事情により、

細部をじっくりゆっくり堪能することができませんでした。


(完)


_(;3 」∠ )_


【メモ】

内装の金色部分は、3種類ほど色に違いがあり、
それは補修時期によるものとのこと。


赤坂離宮は明治42年に建てられ、当時最新の発電機を備えており、
照明は電気だったとのこと。なにそれすごい。