人道りの少ない夕方の小道で、君は魔法のように現れた。


空腹だった。重たい足を引きずり、吉野家にでも行くつもりだった。だが、そんな事はどうでもよくなってしまった。一目で君にくぎづけになってしまった俺は、気がつけば、声をかけていた。


『こんばんは
どうしてもこのチャンスを逃したくなくて、せっかくこんなにも素敵な人を見かけたのに、話すこともできないなんてつらすぎたから…』と


「え、あー」
君はすごく嫌がっていた。
当たり前だ、道でいきなり話しかけられて、笑顔で答えてしまうような人なら、逆にショックだった。


『こんなところでオシャレなレジ袋身につけて何してるの??
時代はエコまっしぐらやで
VUITTONのエコバッグとか買わなきゃ』と思いつくままに言葉を並べた。とにかく諦めたくなかった。話しがしたかった。


努力が実ってか
「ふふ??なんなの??」
と、とうとう口を開いてくれた。しかしだからといって急に反応が良くなったわけではない。とりあえずアドレスだけを交換して、さようなら、と手を振った。
もう会うことはないかと思った。


2週間前の話し。








しかし、今俺達はこうして一つのテーブルで食事をしている。今でもまだ信じられない。どうして来てくれたんだ。
俺よりもいくつも歳が上なのに、誰よりもくだらない冗談を言いながら無邪気に笑う君がかわいくて仕方がない。どうしてそんなに可愛いんだ。


気持ちは裏返り『頭悪いな、だっさいな』と言ってしまう。けど本心はばれているのだろうな、きっと。

楽しい食事の時間はあっという間に幕が閉じ、お会計にたった俺に君は衝撃的な言葉を告げた。
『私払うから
払わなくていいよー』
どうしてそんな事を言うんだ。
美しいのは外見だけではなかった。


そのまま、カラオケに行くことを決めたが、口は歌うことよりも、違う事に使われる事となった。


部屋が汚いから、と家に俺をあげることを嫌がっていた君も。
俺が3本目のマイクを出すと、意見を変えた。
「いいよ来ても」


カラオケ店を出てから君の家までの道、君と出会った道と同じ道、その薄汚い裏道を俺は一生忘れないだろう。




Say



交渉性立


こんなに気持ちの良いセッ、クスがこの世にあったなんて。


君と出会えて本当によかった
裏路地で見つけた宝物へ














なんだこれ