りんご王国はりんごでいっぱい
故郷の旬の果実のことなどすっかり忘れ
大好きなりんごの季節にうっとり
そんな私の手元に届いた、つるんと大きなお日様色のみかん
冷え込む季節のみかんに怖気づき
しばらく放っていたけれど
あったかストーブの前でほこほこしていると
どうもみかんが気にかかる
ええい、食べちゃえ、食べてくれっていうんでしょ
みかん色の誘惑にすっかり負けて
口に運んだすっぱくて甘い故郷の味
温まった体に冷たくてたっぷりの果汁と
皮からのぼったすがすがしい香りが
体の時間を巻き戻す
こたつにみかんは理にかなっているよね、
なんて一人ごちながら
ストーブの炎とともに心に小さな火が灯った