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感想を書かせていただきます鉛筆



 第17号 レ・ミゼラブル

1862年刊行




作者 ヴィクトル・ユーゴー


フランス文学


訳者 豊島与志雄












地上に無知と悲惨とがある間は、


本書の如き性質の書物も、


おそらくは無益ではないだろう。


ヴィクトル・ユーゴー




地上にある無知と悲惨とは


上記の言葉の前文にある




法律と風習とによって、ある永劫の社会的処罰が存在し


下層階級による男の失墜


飢餓による女の堕落


暗黒による子供の萎縮



という文をを指します。




そして、この一文は


レ・ミゼラブルに出てくる登場人物にリンクします。





全てを読めば序文の意味に納得する!





第1巻を読んでもちょっとわかる(笑)




さて、私が本気で完訳を読んで見たいと思っていた


レ・ミゼラブル第1巻です。







時代背景



フランス革命後の動乱の時代を描いた人間物語です。




絶対王政が敷かれていたこの時代


王族、聖職者、貴族が優遇されている


市民階級という身分制度の不平等さに


市民が紛糾して起こったのが


フランス革命です。





その後の1815年ナポレオン1世の失脚から


王政復古の時代を経て



7月王政時代の最中の1833年までの


18年間を描いた物語になります。





ナポレオンやマリー・アントワネット、


ルイ16世という名前も出てくるので




こうした時代背景を知っておくことも


楽しみ方の一つかもしれません。















 登場人物と構成





第一部ファンティーヌ



第一編 ミリエル司教






ミリエル司教の崇高さと慈愛の深さを


かなり長く説いたお話です



この人が主役のジャンバルジャンなの?


って、


何も知らない人は勘違いしてしまうんじゃないかと


思うし、、、




これで1本映画取れるんじゃんガーン


てくらい長いです(笑)





でもね




司教の生活、家族、振る舞い、思想において



彼がどのような人物であるかを


深掘りして語っていることで


後につながる説得力が大いに発揮されるので



がんばって読むべき


我慢どころかとも思います。








第二編 ジャンバルジャン

ミリエル司教との出会い







第二編はジャンバルジャンの生い立ちと


犯した罪のお話。


終盤では、有名なジャンバルジャンが


銀の食器を盗むシーンがあるのですが




その後の彼の中の悪が


ミリエル司教の振る舞いや彼に対する思いやり、


信仰心の厚さから




どのように人の善の心を突き動かすのか


と言う様がとてつもなく深く描写されていて


引き込まれます。






第三編 フォンテーヌ



若い男女がいっときの感情と


勢いに身を任せた恋愛ごっこの末



関係が終わった後に孕ったことを知り


1人で出産をする。


その出会いと別れまで。







第四編 その娘、コゼットの話




フォンテーヌは2歳の娘を連れて働き先を探しに訪れた街で


テナルディエ夫婦に出会う。



その夫婦を信じて娘を預け


娘のために仕送りをすることを約束するが、、、





預けた娘はろくな食べ物も与えられず


食事は犬猫と一緒にさせられ


5歳にして、その家の下女とされてしまいました。













テナルディエ夫婦は


下層階級の卑しさと


中流階級の悪賢さを兼ね備えた



救いようのない人間であると


ユゴー自身が後に語っています。


まだまだ今後も出てきます!









 読後感



映画や舞台で見る機会があったのと


子供の頃の簡略な文庫は読んだことがあるような


記憶程度でした。



念願の長編小説だったのですが





キャラ設定の細かさにまず驚くところなんですが


その素描があるからこその


説得力だったりします。




映画だと、こんな人のいい司教いるん?


みたいな


そんなことくらいで、何回も脱獄を繰り返して


19年も服役した犯罪者が改心するか??





みたいな違和感がずっと拭えずにいたのですが


(私の心が捻じ曲がってるせいでしょうか)





深すぎるくらい深掘りした人物像から


浮き上がるリアリティと言いますか。





これくらい書き込まないと


人の心に残す何かという不確かな部分を



読んだ人それぞれの異なる心の内に


感化させて落とし込み


届けることは難しいのではないでしょうか。




今の現代文学ではここまでの前振りや深掘りしてたら


読者は付かないのかな。


こういう文学があるということ自体が


時代の宝かなと思います。





それがレミゼラブルなんだと思います。




はぁ?


と、自分で言っててなんですが


なんのことやらと思われてしまいそうですよね(笑)





といっても、まだまだ私もレミゼの世界に


足をほんの少し踏み込ませていただいたところですので


上っ面だけの感想ですいません。






これからが怒涛の最悪の始まりです。



第二巻が楽しみです。




なんか、恋愛小説コレクションというよりも



人間悪の泥沼コレクションのような読み物が


多い気がするーっ




私的にはウェルカムですがニヤニヤ







 私に刺さったミリエル牧師の言葉





    


竜騎兵の隊長の勇気というものがあるように、牧師の勇気というものがある。

ただ、我々の勇気は静かなものでなければならない。




人はそれぞれ誰にでも、役割と、その立場での勇気の奮い方というものがある。ということを諭された気がしました。



そして思いやりと気遣いの心





    

が心の痛みを持つ時には


少しもそれに触れないようにするのが


最もいいあわれみではないでしょうか。




人として人の痛みを知っているのならば


野次馬根性は捨てましょう




という教えのように聞こえます滝汗












 久しぶりの読書感想文



読書やめちゃったんですか??



と言われそうなほどに


前回から間が空いてしまいました。



読み続けてはいるのですが


なかなか書く暇がなくて、、、




読書感想文て


意外と時間と労力を使うんですよね(笑)



溜まった分も少しずつ書き進めておきたいと思いますピンク音符






次回のご紹介


第18号 ジェーン・エア 2 まじかるクラウン



読了日を確認したところ8月17日となってましたガーン


もう感想なんて書けるのか


というほど時が経っていて恐ろしくなります(笑)


ゲロー