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自分の備忘録もかねて

感想を書かせていただきます鉛筆



 第16号 カラマーゾフの兄弟 読了

1880年刊行




作者 フョードル・ドストエフスキー


ロシア文学









カラマーゾフの兄弟は


「罪と罰」に並ぶ


最高傑作と呼ばれる長編小説です。




カラマーゾフ家の三兄弟と父親の関係を中心に



女性関係が絡み合い


複雑な人間関係を展開していく物語は




人気テレビドラマで言えば


何本ものスピンオフ映画が撮れるほど!!



サイドストーリーが多種多様に展開されながら


進められていきます。








多様なテーマ



単なる家族物語や恋愛話ではなく



宗教と国家、死と死生観、貧困や虐待




裁判物語があり、家族物語であり


哲学書であり、


推理小説であり、



ちょこっと恋愛小説でもあるのです。




なので、どんなジャンルの


どんな内容?



とか聞かれると



答えられません。



それは、読んだ人がそれぞれの価値観で


分類してほしいと思います。









 構成





第一部

第一編から第三編まで




第二部

第四編から第六編まで




第三部

第七編から第9編まで



第四部

第十編から第十二編まで



エピローグ




4部構成になっています。



今回の第1巻は


第一部です。





おーいっ!ここからでしょーっ笑い泣き


という、興味を惹く絶妙なところで


話が終わりました(笑)




coning soon



的な煽り。



やり口が


とても1880年代の本とは思えません(笑)










 第一編 ある一家族の歴史





色んな意味で癖の強い

フョードル・カラマーゾフ(父)は



3人の男の子を授かります


奥さんが亡くなり


自分では育てられず

(育児放棄で屋敷に雇われてる夫婦が

ひどい養育状態で面倒を見ている)



それを咎められたため、


子供達をそれぞれ養子に出します。



その子供たちが成人し、父の元に戻ってくると


様々な問題が、、、






 第二編 無作法な会合




長男の息子と父が揉めているので

(金銭トラブルと女関係)




僧侶となっている他の弟たちと親族が


崇高な僧侶の元で話し合いを持とうとします。




父の無礼な態度に


我慢がならず、皆キレ気味。



話もまとまらない。




この章は宗教的な話が多く


一度読書を離れると挫折しそうになります。






ただ、2編7章の

野心家の神学生 のところまでくると




はい?この人は何を言ってんだ??🤑


と思っていたちんぷんかんぷんの部分や、



ところどころの文体の違和感が


全て解けてくるので


一気に面白くなってくるんです。





途中でやめなくてよかった〜笑い泣き


と、報われる気持ちが芽生えます🌱







 第三編 好色な人々



人物紹介になります。



フョードル・パーヴロヴィチ・カラマーゾフ


家長である三兄弟の父


強欲で好色な成り上がり。

お金を溜め込む才能がある。


前妻との間に長男を


後妻との間に次男と三男をもうける。




妻たちは2人とも他界していて

現在独身。


グルージェンカを愛している。





ドミートリィ・フョードロウィチ・カラマーゾフ


長男 28歳 (ミーチャ)

退役軍人



父そっくりの性質を受け継ぐ堕落した放蕩息子。



父との金銭トラブルを抱え


婚約者のカチェリーナに借金をしてしまう。




しかし、愛してる女はグルージェンカ。



父と同じ女を巡って


血みどろの争いに発展していく。





イヴァン・フョードロウィチ・カラマーゾフ


次男 24歳 (ワーニャ)


幼い頃から秀才のインテリ


合理主義な無神論者として評論や記事を発表し


文壇に名を馳せるも


自分の論説をどこか信じきれずにいる。



密かにカチェリーナ(長男の婚約者)

を愛している。




純朴な弟の心の内側にも


もしかしたら悪魔がいるのではないかと


疑っている。




誰にも嫌われず中立的な立場にいるかに見えて

実は、、、





アレクセイ・フョードロウィチ・カラマーゾフ


三男 19歳 (アリョーシャ)


純真無垢な美男


中学を中退して修道僧となる。




神の愛によって家族を取り持とうと


身を寄せている僧院の


ゾシマ高僧を頼る。






スメルジャコフ

24、5歳 カラマーゾフ家の料理人


無口で人付き合いの悪い男。



街の浮浪者であったリザヴェータが

カラマーゾフ家の風呂場で産み落とした子供。


そのままカラマーゾフ家の子供のいない使用人

グリゴーリー夫妻に育てられる。


てんかん発作を持ちながらも

モスクワで料理の修行をして戻り

カラマーゾフ家で料理人となる。


父親はフョードル?!滝汗





 女のバトル



カチェリーナ(令嬢)


ドミートリィの軍隊時代の上司の娘。


ドミートリィの婚約者。



あまり美人ではない。





グルーシェニカ (悪女)



元の家柄はそこそこ。


17歳で将校だった男に捨てられ、


家族からも追い出されたところを



街の商人の老人に妾として拾われる。





老人から商いと蓄財を学び


商才があったため自分の力で一材を築く。




男を虜にする魅力的なロシア美人


だが高慢。






ドミートリィは、カチェリーナに


君を真剣に愛しているイヴァンの方が

君に相応しい



という伝言を、アレクセイに頼む。


アレクセイがそれを伝えに行くと




そこにはグルージェンカが来ていて、


カチェリーナに


ドミートリィと結婚はしない。



と言っていた。




しかし、ドミートリィの伝言を聞くと、


彼女はカチェリーナを嘲笑ったため




女2人のバトルも勃発していくのである。







物語を読み進めていくと、


このカラマーゾフの血統についての


忌まわしさや、それぞれの過去が少しずつ


浮き彫りになってきて



その内容はこのまとめよりも


もっともっと詳細で、ゾッとしますガーン








 道徳と哲学



人物の紹介をしましたが、



文章もとにかく深いんです。


流し読みでは勿体無い。





たとえば




あなたどうして、あの男をそんなに憎むんです?


と訊ねられて答えたフョードルの言葉



あの男は実際わしになにもしやしませんがね、

わしの方であの男に一つ汚い、

厚かましいことをしたんです。

それと同時にわしはあの男が憎らしくなりました。




これを読んで、私は


自分の行いの罰の悪さから


引け目を感じたことでの嫌悪ならば



人が人を嫌う理由の乏しさや


なぜ自分がその人を嫌いなのか?



ということを


今一度検証しなくてはいけない気が

してしまいました。








嘘をついてはいけません。


嘘つきは泥棒の始まりです。




という叱り方をされた子供は



なんで嘘つきは泥棒の始まりなのー?!


と言いますが





その答えがここにありました。


以下本文より。





    


自ら欺き、自らの偽りに耳を傾けるものは、ついには自分の中にも他人の中にも、まことを見分けることができぬようになる、すると、当然の結果として、自分に対しても、他人に対しても尊敬を失うことになる。

何者をも尊敬せぬとなると、愛することを忘れてしまう。愛がないから自然と気を紛らすために淫らな情欲に溺れて、畜生にも等しい悪行を犯すようになる。


ということらしいです知らんぷり


なかなか説明が難しいことですが


言ってる意味は通ってるように心に届きました。







 感想


ドストエフスキーは


教科書にも出てくるのでその名は有名ですが




「カラマーゾフの兄弟」は初耳でした。




特になんの前情報もなく読み始めましたが




期待値のないこの作品。


私は大いに良い意味で裏切られたというか



すでに、続きが楽しみで仕方がありません。



わくわくです飛び出すハート




今回も長くなりましたが


最後まで読んでいただき



ありがとうございました😭




次回のご紹介


第17号 レ・ミゼラブル まじかるクラウン


次回のご紹介を前回間違えたようです(笑)


こんどこそ、次回はレ・ミゼです



そして、ブックリストを作りましたキラキラ


第20号を読んでいるところです月見