Hachette Collections Japan

恋愛小説の世界 名作ブックコレクション



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定期購読をさせていただいてますキラキラ


自分の備忘録もかねて

感想を書かせていただきます鉛筆



第8号 高慢と偏見2 読了


1813年刊行
作者 ジェイン・オースティン


イギリス文学






夏目漱石も絶賛!



日本での最初の翻訳は夏目漱石のお弟子さんでしたが


いち早くこの作品の評価を

しているのは漱石さん。


「文学論」の中では

高慢と偏見の冒頭、ベネット夫妻のやり取りについてを



夫婦の全生涯を一幅のうちに縮写し得たるの点においてもっとも意味深きものなり。




と仰っております。

そう、この本の冒頭も結末も

私はベネット氏のユーモア溢れるセリフが

とても好きで堪りませんグラサン





あらすじ

ここから先はネタバレあります!!





大まかにいうと


定番 シンデレラストーリー



5人姉妹の上2人は美人で良識もあり


思いやりのある健全な人柄。




母を含む他の姉妹たちは


身勝手で奔放で恥ずべき存在と評価されています。




そもそも身分違いの結婚を


恥ずべき家族が原因で


破談になりかけ



それぞれのすれ違いやすったもんだを描いた末の


ハッピーエンド




200年も昔の話ですが


こんなに面白い話はない!



とにかく個性の強い


脇役の登場人物たちのやり取りにも


結構笑えます爆笑





この人嫌いだわーと思う


キャサリン夫人も



コリンズに対しても


最後にはスカッとさせてくれるところや





1巻からは想像もつかないほど、


プライドの高いいけすかない態度の男が


こうも変わるのか?!



というほどの恋する男の変貌ぶりも見ものです






人間の心理を巧みに描き



読み手を引き込むところに




ジェイン・オースティンの傑作と言われる所以を感じ


感動いたしました。




何度も言うけど



これ、


200年前に書かれてるんですよ!












ジェントリ階級


この物語に登場する人物は


ほとんどがジェントリと言われる富裕層





ジェントリってなんや?


と馴染みのない言葉ですが





当時のイギリス社会での上流階級とは


貴族院に議席を持ち爵位のある人たちと


そうでない大地主とに別れていて


その大地主のことをジェントリと言いました。



もちろん!その中でも格の違いはあります。




ダーシーさん →  伯爵ではないが

伯爵との姻戚実績あり。名家の年収1万ポンド




ビングリーさん → 名家ではないが

親戚に富裕層がゴロゴロいる。年収5,000万ポンド




ベネットパパ →  普通の中流階級のジェントリ。

年収2,000万ポンド




ポンドというのも、しかも200年前の貨幣価値


今の時代に換算することは難しいので




あくまでも、私のイメージですが


わかりやすく、こう考えてみてください






ダーシー → 年収1億円


ビングリー → 5千万円


ベネットパパ → 2,500万円



あら、、パパ

2500万ならいい生活じゃない


と思うのですが

5人姉妹のベネット家

当時の女の子は相続ができないため

他所に取られてしまいます。



娘たちには持参金として分配されるのですが



姉妹たちの持参金は

到底、結婚勝ち組になるための

上を目指せるような金額ではなかったため


現代よりも切実な結婚問題を抱える

母親の気苦労を思うと、、、




恥と思われ、愚行とも取れるベネット夫人の

言動が目立つのも


我が子を思えばと言う

なりふり構わない振る舞いに


哀れさを感じてしまいます。





ともあれ、漱石さんが語ったように

冒頭から最後まで


皮肉たっぷりなユーモア溢れる

ジェイン・オースティンの傑作を


私はとってもお勧めいたします。



コレクションの全部は買わないと言う人も

この作品だけは買っといてもいいかもですよウインク










達成と充実


アシェットコレクションを購読し始めて

6ヶ月がすぎました爆笑


初めてちゃんと最後まで完結した作品。


やっぱり、2巻目は登場人物たちや関係性も

頭に入っているし

続きが気になって仕方ないこともあり、


読み進めるスピードも圧倒的に早く

楽しめましたピンクハート




1巻と2巻を一気に送ってほしい!


と、思ったこともありましたが

この、読みたくても読めないと言うところも


定期購読の中の楽しみなのかなと(笑)


高慢と偏見の完結で改めて感じたところですピンクハート




達成感はゴールにあるが

充実感は過程にある。


手仕事にも共通して私が日頃

感じていることですおねがいブルー音符


ときには座して待つ。

生き急いでも仕方ないかなと

最近は何もしないということも覚えました(笑)





本日はミモザの日





この作品をご紹介するにあたって

女性の権利、地位向上について



ジェイン・オースティンの時代よりは

格段に上がっているとは言いつつも



日本はまだまだなところもあり笑い泣き

そんな中でも日々パワフルに

家事・育児・仕事と頑張っている


全ての女性に

賛辞とyellを贈りたいと思います。






次回のご紹介は


第9号 細雪 まじかるクラウン



第3号の源氏物語を翻訳した谷崎潤一郎氏の作品



一気に関西弁の世界です(笑)






定期購読しなくても!!



Amazonさんで1冊ずつの購入もできます!!



毎号のご紹介と、リンクを貼ってあります




お好きな作品だけを抜粋して


お買い求めいただくのもいいかもしれません





第1号 高慢と偏見1

第2号 嵐が丘1

第3号 源氏物語1

第4号 若草物語

第5号 マンスフィールド・パーク1

第6号 ジェーン・エア1

第7号 アンナ・カレーニナ

第8号 高慢と偏見2

第9号 細雪

第10号 ボヴァリー夫人

第11号 嵐が丘2

第12号 濹東綺譚

第13号 源氏物語2






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