以前、熊本の地震で、熊本城の石垣が一部崩れ、その石垣が崩れた部分からいろいろ出てきたという話から、トンネル工事でも似たような話があったよという事でご紹介。
やっと資料が出てきたのであります。
上越線渋川から分岐する山岳線である、吾妻線。その袋倉ー万座鹿沢口に有る、小宿トンネル。
延長725メートル。
昭和42年7月起工、竣工は昭和44年3月。
山岳地帯にありながら軟弱地盤で、落盤事故が多数発生し難工事であり、何度も工事中断があったという。そして一名の犠牲者が出た。
当時としては山岳トンネルに使うのは珍しかったシールド工法が採用された。これも軟弱地盤であったためという。
80メートルほど掘ったところで、突然土の中から石の地蔵さんが出てきた。ビックリ仰天であったという。また、作業員の中には恐れおののくものもいたという。
調べたところ、天明3年の浅間山大爆発の時に地割れの中にはまり土の中30メートルのほどに埋もれてしまった地蔵さんであることがわかりました。
当時の村人たちがお地蔵さんがお隠れになったと探し回ったという記録が残っています。
二百年のお隠れから奇跡的に姿を現したお地蔵様はトンネル出口の道路わきで安置されている。
参考資料 鉄路の闘い100年 山海堂 国鉄防災100年史編算会編集 監修:国鉄施設局土木課