【今日の良い言葉 800 (069)】

おはようございます。

今日も倉敷からの発信です。

2012年1月1日からカウントを始めて
第800回目。キリ番ですね。

因みに今日は18回目の結婚記念日。
おめでたいとこが続きます。

800回の間に確実に成長してきたこと
感じます。

皆様のコメントに支えられて
ここまでやってこれました。

これからもよろしくお願いします。

さて記念すべき800回目の
今日の良い言葉は
『致知』最新刊4月号の致知随想からです。

今月の致知も氣づきに溢れていますね。
今日と明日の二回に分けて配信します。

お楽しみ下さいませ。

それでは今日も一日、
愛と光と忍耐で
喜びに満ちた日となりますよう
お祈り申し上げます。

コメント楽しみにしております。
　

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社員能力世界一のP&Gで学んだ仕事術(その一)

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米紙『フォーチュン』で
社員能力世界一に選ばれた企業、
P&G(プロクター＆ギャンブル社)
をご存じですか。

アリエールやジョイ、パンパース、
SK-Ⅱ････。

P&Gはこれらを手掛ける米国系
消費財メーカーです。

二〇〇二年、私は当時としては珍しい
中途社員としてP&Gのマーケティング部
に入社。

前職ではモエヘネシー・ルイヴィトン等、
仏系の高級ブランドで宣伝広報を
担当していました。

二十代前半にして周囲が羨(うらや)むような
職場で経験を積んでいた私は、
いま思えば傲慢になっていたのでしょう。

「私のノウハウを教えてあげましょう」
という不遜な氣持ちでいました。

しかし、入社初日、
私は困惑しました。

上司が不在の上、出迎えもなく、
さらには誰一人として
声もかけてくれないのです。

困り果てていると、
偶然面識のある同僚が通りかかりました。

「お忙しいと思うのですが、
　ちょっとよろしいですか」

必死に声をかけた私に返されたのは
思いがけない言葉でした。

「話の目的は何ですか？
　何分必要ですか」

これが、私が初めてP&G式習慣の
洗礼を受けた瞬間でした。

日を追うごとに
私は自信を失っていきました。

働く上で共有すべき価値観が
前職とかけ離れていたため、
会議では何を議論しているのか
理解できず、
私の発言の意図も伝わらないのです。

「自分は評価されないのでは」
「前の業界に戻ろうか」
と一か月もの間悩み続けました。

さらに、別の人材派遣会社を通じて
憧れのブランドから声が掛かり、
私の心は大きく揺れました。

しかし、
それでも私がとどまる決断を下したのは、
P&Gの社員皆が成果を上げているのを
目の当たりにしたからでした。

外資系企業は優秀な人材のみを
採用していると思われがちですが、
そうではありません。

P&Gでは新卒採用した学生たちを
一から鍛え、
二十代でマネージャーとして成果を上げる
人材に育て上げます。

さらに、彼らは驚くほど
アウトプットの質が一定で、
それはあたかも
「金太郎飴」のようでした。

「ここで頑張れば、
　どこでも通用する能力が
　得られるかもしれない。
　それを身につけるまで、
　歯を食いしばって頑張ろう」

以来、私は思考を転換しました。
一度前職の価値観を捨て、
P&G流仕事術を身に付けることに
したのです。

まず私が実践したのは
「行動の目的を明確にすること」
でした。

会議や書類作成などの目的を
明確にしていくと、
思考が整理されて無駄がなくなり、
効率が上がります。

さらには
目的を達成するために適切な方法、
つまり戦略を立てられるように
なっていくのです。

次に訓練したのは「戦略的思考」です。
戦略とは選択と集中です。

限りある資源を活用して
効率的に目標を達成する。

その実現のために行動計画を立てますが、
私は前職において計画と戦略を
混同していました。

例えば売上増を目的として
イベントを企画した際、
私はそれが戦略だと思っていました。

しかしそれは実は手段にすぎません。

イベントの目的は、
商品がメディアに取り上げられ
認知度を高めること。

これこそが真の戦略です。

これが達成されるならば、
イベントではなく他の手段でも
構わないのです。

これら二つをはじめ、
七年間の在職中に私が氣づいた
P&G式習慣は十にも上ります。

それらを仕事の中で地道に訓練した結果、
一年後には担当商品が二桁成長。

徐々に成果を上げられるように
なっていきました。

杉浦里多(ディリス社長)

（月刊『致知』2014年04月号　致知随想より）