【今日の良い言葉 374 (008)】

おはようございます。

昨日は学んだことを生かし、
今の仕事に徹する日としました。

一日一日、実力がついていく。
そんな手応えのある日となりました。

やはり朝、学びから始める一日は
充実度が違いますね。

さて、今日の良い言葉。

『致知』2月号掲載の
染谷和巳社長と朝倉千恵子社長の
インタビュー記事、二章だけのシェアとしたいと
考えていました。

『致知』読者の方の楽しみを奪うことは
したくはありませんでしたので。

しかし、
朝倉社長がシェアしてくださっていることに
氣をよくしてもう一章だけシェアしたいと
存じます。

今回の特集は「修身」。

このインタビューで最も言いたかった
箇所だと思います。

「生涯修行、臨終停年」

一生学び続け、
そして実践する人生を送りたいものですね。

では、皆様の今日一日が愛と光と忍耐で
喜びに満ちた日となりますよう
お祈り申し上げます。

コメント楽しみにしております。

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終わりなき経営トップの修身

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【朝倉】ここは私も学ばせていただきたいところですが、
その器を広げるには、具体的にはどういう努力をしたらいいとお考えですか。

【染谷】やはり人間を知らないといけないと思います。
口幅ったく言えば「幅広い教養」、要するに無駄な学問ですよ。

文学、哲学、歴史、芸術など、
自分の仕事にまったく関係のない知識。
小説を読むとか、古典を読むとか、
そういうことが結果的には人間としての器を広げることになると思います。

しかし、いま新入社員に
「学生時代にどんな本を読んできたか」と聞いても、
全然読んでいないんです。

いい大学を出た人ですら、
まったく本を読んでいない。

だから器が小さくて頼りない。
おとなしいだけで、
会社では上の言うことだけを聞いていれば
給料はもらえるだろうという意識でしかない。

そういう人間に自ら学べとか、
身を修めろなんて期待しても無理ですから、
社長が読書が大切だと思ったら、
初めは「読め！」と強制する。

そうしなければ読書の習慣は身につきません。
計算が大切だと思ったら、
毎日暗算、筆算の練習をさせたらいいんです。

いづれ自分で氣づくだろうなんて言っていたら、
何年経(た)つか分かりません。

挨拶や返事も、お客様に
「おたくの社員の態度が不愉快だから取り引きをやめる」
と言われてから教育をしても遅いんです。

【朝倉】そうやって強制してやらせて、
習慣化させた先に、自ら学ぶ、自ら修める
という姿勢が生まれるのかもしれませんね。

【染谷】そうです。そして本で学び、
仕事で経験を積んだことを自分の血肉にしていくことが、
ビジネス世界の「修身」だと思います。

全国に青年会議所がありますね。
若い経営者予備軍があそこで奉仕活動したり、勉強会したり、
それこそ「修身」的なことをやっているんだけれども、
そこで懸命に活動している人がいい経営者になるかといえば、
ならないんです(笑)。

こんなことを言うと
青年会議所出身の読者は「何を！」と怒るでしょうが、
あそこで自分が何を得たか思い返してみるといい。

もちろん活動によって大きく成長した人もいます。
が、それはほんの一握り。
大多数の人にとってはお友達づくりの場であり、
多少スピーチ力が向上した程度のメリットしかない。

親が息子を青年会議所に行かせるなら、
自分の会社の末端で従業員と一緒に手を汚して働く時間を持たせたほうが、
よっぽど修身になります。

【朝倉】恥ずかしい話ですが
私はこれまで本をほとんど読みませんでした。
しかし、遅ればせながら『論語』の勉強を始めました。

その中に「行いて余力あれば則ち以て文を学ぶ」とありますが、
まずは自らの本分を尽くすことが、
一番の修身になるのだと思います。

【染谷】そして企業で最も修身が求められるのは社長自身です。

【朝倉】本当にそうですね。

尊敬する京セラの稲盛和夫会長は
「経営は経営者の全人格の投影」とおっしゃっていますが、
社長がこの程度でいいやと思っていたら、
この程度でいいやの会社になるし、
ここは絶対に許さないと徹底してこだわっているところは、
社員もピシッとしてきます。

私は経営には本当に終わりがないなと最近つくづく思うのです。
営業の世界にはトップセールスという一つの到達点がありましたが、
経営には終わりはない。

同時に道徳心や奉仕の心、義理人情といった人の道にも
「これでいい」ということはない。

一生磨き続けなければいけないもの。
そのことを「修身」という言葉はギュッと凝縮していると感じます。

【染谷】自分の身一つ修められない人は人の上には立てない。
自分の身を修めることができて初めて心にゆとりができ、
人に関わることができます。

口では「人間中心の経営」とか言いながら、
やっていることは人をコロコロ入れ替えているようじゃ、
修身ができているとは言えません。

自己抑制ができる人が器を大きくして
思いやりや恕(じょ)の精神を身につけて経営を行っていく。
こうした社長に社員は心から付き従います。

そういう社長の下で働く社員は
自然と「修身」を身につけていくだろうし、
その人は家庭に帰れば親ですから、
子供にもまた「修身」が身についてくる。

そうしてこの「修身」という言葉が
広く一般的に使われるような日本になってほしいと思いますね。

朝倉千恵子（新規開拓社長）
染谷和巳（アイウィル社長）

（月刊『致知』2013年2月号　特集「修身」より）