10月9日.
1ヶ月ぶりの更新になってしまいました.おかげさまで家族3人無事に暮らしております.
1ヶ月前にNapa Valleyに行きましたが,そのつながりで,Mondvinoというグローバル・ワイン・マーケットに関するドキュメンタリー映画を見てみました(見たのもずいぶん先のことですが).
基本的なストーリーは,新興のカリフォルニア・ワインと伝統的なフランス・ワインとの対立図式で進められていきます.カリフォリニア・ワインの父といえば,NapaにワイナリーがあるRobert Mondaviで,創設者のRobertはマーケティングの才能に長けていて,積極的に世界市場に打って出ていきました.そのなかでフランスのワイナリーを買収しようとしたりして,フランスの伝統的なワイン生産者たちからはかなり嫌われているようでした.
フランスの伝統的なワイン生産者の一人が言うには,そもそもワインは金儲けのためにつくっていたのではなくて,親族に分け与えたり,訪ねてきた客をもてなすためにつくっていたギフトなのだと.Mondaviは金儲けしか考えとらん,土地の個性を無視した誰にでも好かれるようなワインをつくりやがって,と憤慨していました.
このグローバル・ワイン・マーケットに影響を及ぼすキー・プレイヤーとして,Robert Parkerを代表とするワイン評論家と,ワイン製造コンサルタントが紹介されていました.名前は忘れましたが,ある有名なコンサルタントとRobert Parkerは結託しているわけではないのですが,Parkerが好みそうなワインをつくる技術を多くのワイナリーに導入することで多くの技術料を得ているという面があるそうです.Parkerのワインの評価は売れ筋に大きく影響を与えるので,ワイン生産者は意識せざるを得ないのでしょう.
まさに商品としてワインを売っていくカリフォルニアの新興ワイナリーと伝統的な価値を重んじるフランスのワイナリーとの対立や,マーケットに影響を及ぼす評論家やコンサルタントの存在など,他のマーケットについて考える際にもいろいろと興味深い問題が描かれていました.
日本酒とか焼酎の市場はローカルですけど,似たような現象は起きているのでしょうね.いろいろな雑誌とかウェブサイトでお酒の評価とかランキングを手軽に見ることができるようになると,ランキングの上位に位置するお酒に異様に人気が集まってしまって,ばかみたいな価格がつくようになるのでしょう.僕みたいに,お酒に詳しくない人は,そのような買い方をしてしまうことが多いのでしょう.消費者が賢くないと,誰かがつくった評価に依存することになって,ごく一部のメーカーがひとり勝ちしてしまうことになり,個性的な生産者が育たないということになるのかもしれません.
もちろんカリフォルニアにも地味だけども堅実なワイナリーがあるようなので,たまに足を運んでみたいと思います.