先週、父が亡くなった。
膵臓癌末期と宣告されてから約10ヶ月。
最初は死を受け入れると半ば開き直ったようなことを言っていた父だったが、別の病院の先生と話したことをきっかけに抗がん剤治療に励んでいた。
副作用に苦しみながらも毎週通い続け、ここまで休まずに通える人はなかなかいないと主治医に褒められた。
ある時の検査で腫瘍マーカーの数値が下がっていると聞き、やる気を出していた。
それでも次第に髪は抜け、痩せ細り、2ヶ月前にはずっと下がり続けていた腫瘍マーカーの数値が上がり始める。
その日の父は非常に落ち込んでいた。
耐性ができてしまったようで癌は再び父の身体を蝕み始めた。
抗がん剤治療はやめ、緩和ケアに入った。
次第に体力と筋力は衰え、1日の大半を寝て過ごすようになった。
息子はインターの長い夏休みに入り、毎日父の家で過ごした。
じいちゃんはお腹痛いから、お腹ポンってしたらダメだよ!
なんて時々言うもんだから、4歳ながらに理解しているんだなと思ったのも束の間。
容態が急変して、父は亡くなった。
まだ67歳だった。
若すぎた。
眠ってしまった父を間近で見たら、眉毛もまつ毛も抜けてしまっていて、最初は死を受け入れるなんて言ったものの、最後まで生きようと努力したことがわかる。
息子は、じいちゃんの死を理解はしているようだが、やはり悲しいという感情はまだないようだ。
それより私が初めて泣いている姿を見て驚いているようだった。
火葬場に送り出す時に、
じいちゃん最後だからありがとうって言いな、と息子に言ったら
髪の毛のなくなった頭を撫でながら、
じいちゃんがんばったね!
と言ったのだ。
息子は父と毎日過ごし、日に日に衰えていく父を目の当たりにしていて、それでも父が生きようと頑張っていたことを私なんかよりもよく知っていたんだ。
孫の成長を近くで見せられないのがとっても悲しい。
でもこの息子の言葉はちゃんと届いたかな。
お父さん、お疲れさまでした。
天国で大好きなお酒を飲みながら見守っていてね。