彼女の一方的な自己開示を前に、私自身の事も話さずにはすまなかった。会社に入ったきっかけや出身地、現在の住まいなど当たり障りのない話から始めた。
お酒は進み、私は夫の愚痴を吐き出してしまった。Y子曰く、私の夫は“モラハラ“だというのだ。それまであまり聞いたことのない言葉だった。私は妙に納得した。そうか、私はモラハラの被害者なのだと強く思った。Y子は私に離婚を勧めた。
次の日の仕事中、チャットでY子が話しかけてきた。離婚後、私が1人で暮らすためのあれこれを教えてくれた。
私は真剣に離婚を考え始めた。その日は仕事が全く手につかなかった。私は夫から受けたモラハラを思い出していた。