あれから西松と健一はよく家に来るようになっていた。
何事も無かったかのように。
今、西松は西村先輩と会っていないのだという。
それに関してはうれしい限りだ。
僕達はこの後も変わらなく過ごしていった。
それから長い時間が経って1年目。
―卒業式当日―
僕、健一、西松はそれぞれ別の高校に進む。
健一に別れを伝えて僕と西松は並んで帰る。
すると西松が
「私、さっき健一に告白されたんだ。断ったけどね。」
あの健一が・・・・?
僕にたくさん協力してくれた健一も西松の事が好きだった。
西松にも別れの言葉を言い交差点で別々の道へ歩いていく。
僕はふと空を見上げてみる。
そこには、いつもと変わらない茜色の空が満面に広がっていた。
西松ってどんだけモテてるんだよ
と1人クスクスと笑っていると目から何か流れてきた。
「雨降ってないのにおかしいな・・・・。」
ポケットに入っていたハンカチを取り出して流れているものを拭った。
―6年後―
もう僕は西松の事を“西松”とは呼んでいなく、
学校の同窓会で3人はまた出会い中学時代の関係を築いていた。
あくる日、健一は秀才の家に向かっていた。
「ったく・・・どこだかなー、秀才の家・・・・」
昔から方向音痴だった健一は地図を見ては迷いながら住宅街をさまよっていた。
「お、コレだな・・・。」
家の前にかかっていた名前のプレートに顔を近づける。
「神童秀才と・・・・明日香っと。うん、この家でまちがいないな。
それにしても6年前だったよな・・・俺が明日香に告白したのって。秀才め・・・久しぶりにイジメてやるか。」
家の前でブツブツ呟いている健一。
近所の人から見ればただの不審者なのだが本人はその状況にすら気づいていない。
健一は秀才の家のインターホンを鳴らす。
聞き覚えのある声の女性が応対してくれた。
家からは秀才と明日香が出てきた。
「健一、久しぶりだなー元気にしてたか?」
うっせーよと健一は家の中に入っていく。
その右手には真っ赤なバラの花束が握られていた。
