この3月は、ここ最近でもっとも充実した月になりました。

前半はインドネシアからの学生の団体引率、
そして後半は、日本の高校生10名ほどと共同で、
ひとつの"場"の企画運営に挑戦していました。
その日本の高校生との活動について書いていきます。

1月からじわじわ取り組んできて、 3月中旬から大詰め、
そして3月23日に本番を迎えました。

本当はリアルタイムで書いていければ良かったのですが、
そのマメさが足りずにかなわず。。
でもちゃんと記録をしておきたい一連の日々だったので、
ここでまとめて書いておこうと思います。長くなります。


◆中高生国際科学コンテスト「つくばサイエンスエッジ」での国際交流会
毎年3月につくばで行われている、
「つくばサイエンスエッジ」という中高生の国際科学コンテストがあります。
- つくばサイエンスエッジ (http://www.jtbbwt.com/ScienceEdge/)

日本を中心に、アジア圏数カ国から
科学探究活動に取り組む中高生が集まって発表を行う大会です。
今回私がPICO factory Japanとして依頼を受けたのは、
このイベント内の「国際交流会」の企画運営。

イベント初日、3月23日の夕方17:15から18:45の90分の時間の中で、
数カ国、100人程のほぼ初対面の中高生がレク等を通じて楽しく仲良くなり、
その後も続くのサイエンスエッジ本体での交流を活発にするための場です。



◆高校生と一緒に企画運営!
この交流会企画運営、私だけでなく、参加校の中から2つの学校の高校生が、
幹事担当として企画運営を行うことになっていました。

中高生のためのイベント。中高生参加者のみなさんが主役の場。
やるのなら、幹事の生徒さんにただお手伝いとしてやってもらうのではなくて、
"彼ら・彼女ら自身の企画"としてやってもらえるように、
…まずは運営する高校生にとって面白い機会となって、
さらに周りの中高生を楽しませられる場にできたらなあと思いました。

そんな形でやってみたいなあと思い、
高校生と一緒に"企画運営"というものにチャレンジする、ということ自体を
私自身としてのひとつの企画として考えてみました。


◆楽しく交流が起こる企画案
本来は、企画アイデアを考えるところから、じっくり一緒にやりたいのは山々。
とはいえ、時間も顔を合わせられる回数も限られた中で
初めて関わる2校の生徒とそれぞれ調整をしつつとなるので、
ベースのアイデアを私たちの方で考えてみました。
(ぜひ次の機会があるならば、アイデアを生んでもらうところからやってみたい!)

交流会企画を考える上で意識したのはこんなことたち。

①あるあるその1-「同じ学校、友達同士などで固まる」を起こさない
 学校や国をまたいで、初対面の参加者同士の会話を生む

 →学校混ぜこぜでのグループワークをいれてみる  
 
②あるあるその2「語学の壁」をできる限り感じさせない
 →小難しい話でなく、楽しくコミュニケーションがとれるネタにする

②運営する生徒にとって面白く充実感のあるものにする
 →高校生になじみのありそうなネタ
  やったものが何か形として残ったら面白い


といったところで交流会のメインイベントとして考えたのが、

「即席!短編ムービー制作ワークショップ」!!

学校・国を混ぜたグループ単位で数秒のカットをつくってもらって撮影し、
それをつなぎ合わせて、
一本の『つくばScience Edge2015イメージムービー』とする、 という企画です。
この中で、初めて会ういろんなところからの生徒同士の関係性をつくって、
サイエンスエッジ全体を面白くしていくことをねらっていきます。
(難しい研究の情報交換は、翌日、本番の中でたっぷりしてもらえば良いかなと。)
ざっくり大枠だけ考えて、いざ、運営の高校生との活動開始となりました。


◆運営の生徒さんたちとの出会い
そんな企画を自分の中で持ちつつ、
つくばサイエンスエッジ主催の方、幹事の学校の先生と打ち合わせ、
そして、担当をする生徒の代表となる女の子と初めて会う機会をもちました。
1月末のことです。


とはいえ、この時点では生徒さんは ほとんど聞かされず呼び出されているわけなので
なにがなんだか。
…そう、大人の事情で決まっているのですよね。本当に申し訳ないことに。

でも、そんな、やらされてやったら面白くないのはもちろんだし
ただ大変なだけになってしまうし、
そこから面白いものも生まれないでしょう。
これをいかに面白く、ポジティブ・アクティブに楽しくやれるものできるかどうか、
彼らのエネルギーと時間を大切に使って、
彼ら自身にも良い時間にしてもらえるるかどうか、
そこのひと工夫が私のやるところなのだろう、と考えつつスタート。

ちょろっと話をしたりメールで連絡を取り合ったりしつつ、まずは仲間集めを。
2つの幹事校のうち、昨年も交流会運営を経験をした子がいる学校に全体進行、
メンバーが多く集まった初参加の学校に、
ムービー作成ワークショップを それぞれ担当してもらうことになりました。

ここからは、ムービーワークショップの方を主に書いていきます。
公開が難しい情報(名前や写真や動画)などがあるので、
ちょっとわかりにくくなってしまいますが…
興味のある方で個人的にお知り合いの方で会う機会などがあれば、お声がけください。
もう少しお見せできるかと思います。


◆『クリエイティ部』結成!!
「クリエイティ部」なるもののメンバー募集。2月上旬のこと。
(正式な部活ではなくて、今回の企画運営チームです。○○のところは学校名)
こんなちょっとふざけたポスターで呼びかけてもらったり。
真面目にふざけられることは大事かなと思っております。




◆準備その1 まずはやってみる
2月24日。クリエイティ部初ミーティング。
そんなくだらないポスターや、代表となった子の呼びかけで、
きっとしぶしぶだったり、流れで参加せざるを得なくなったり、
もしかしたら少しは前向きな気持ちを持ち合わせたりで
集まってくれた生徒は当初8人。


初のミーティングでは、説明はそこそこにして、
「実際に自分たちが体験してみることでイメージ作り&検討のネタを得よう」
ということで、"交流会でやりそうなこと"をあれこれやってみました。
この体験が後に強力なベースとなってきます。

例えば…

やってみる ① 簡易名札
養生テープにマジックでニックネームを書いて胸にぺたり。
交流会あるある「さっき自己紹介したけど、名前忘れちゃった。。2度目は聞きづらいもんだから、呼びかけられない…」を回避する便利ツール。
この場では、みんな友達だから必要なかったけれども、
過去にそんな経験は誰もがしているので、納得。


やってみる② お菓子でテンションup

ちょっとやる気なさげな人も、お菓子と飲み物でとたんに元気に。
グループワークへも協力的になります。
自分たちで体感して、満場一致で「当日もお菓子を用意しよう!」の結論に。


やってみる③ 簡易ムービー作成
試しとして、高校の即席イメージムービーを作ってみました。
iPhoneで撮影し、PCの動画編集ソフトにぶちこんでつなげてそれっぽく。

内容としては、
学校名(アルファベット表記)の各文字を頭文字とした
"自分たちの高校から連想される単語たち"を、
生徒が声とアクションで表現。
繋がってなくて良い、あいうえお作文のような。
(本番はこれを "S C I E N C E E D G E" で行いました。)

N…New!
E…Energy!
とか。

それらの単語を、一つずつみんなで大きな声でさけぶ & アクションで表現しつつ、
1単語3-5秒程度の動画におさめます。
それらを順につなげて、ちょっと学校の風景なんかの映像も足したら、
簡単学校紹介のイメージムービーに!という感じです。
…文章だとわかりにくいですがすみません。

アルファベットを風船に書いて、一単語ずつアクション。


最後は全部つなげて。


はじめは「???」でしたが、形が見えてくると良い感じに。
単語選びも、あーだこーだ言いながら楽しみながらやってもらえました。
また、動画編集作業は経験があったとのことで、一部の子はわりと詳しく、
iPhoneやiPadでもできると彼らの中から知識や案がでてくるくらい。
そんな時代なのですかね。

ムービーの内容も、作成行程も、なんとなくイメージがつかめたようでした。


やってみる④ テンション上がる小道具
ムービー撮影時は風船とかカラーペンとか、
ちょっと楽しげな小道具を使えるようにしてみました。
見た目の華やかさ・パーティーっぽさも、気分やパフォーマンスに影響しそうです。



◆準備その2 みんなで企画を深めてみる
3月13日。2度目のミーティング。
学年末の試験も終わり、本番まで約10日となったところから、
一気に準備作業を行いました。

前の回に一度みんなでお試しムービー作成をやってみた結果、
具体的なイメージが描けてきたよう。

進行タイムテーブル、必要なもの、
サイエンスエッジムービーの内容、参加者のグループ分け…
みんなの中からもどんどん意見が出てくるようになりました。
クリエイティ部がクリエイティブになり始めて、
走り始めた、という感じがしました。






◆準備その3 幹事2校で集まってみる
3月17日。本番まで一週間。
ここでようやく、幹事校2つの学校の生徒が顔合わせ。

それぞれメールやLINEで連絡を取り合ってもらっていたところから、
実際に原稿や資料を持ち寄って、イメージの共有。
やはり会う、話す、ということは大事だなあと。


違う学校の生徒と話す、
自分たちが考えていることを説明する、
他の人が考えていることを取り込む、
…どれも刺激の多い経験になると思います。

みんなお昼ご飯も持参してくれていたのに、
気づけず短時間でまとめてしまい、ちょっと反省。
そういう気持ちは逃さず拾いたいものです。



◆準備その4 細かい仕込み
3月20日、21日。本番直前の準備追い込み作業。
会を円滑に進め、交流を生み出すための細かい仕掛けを仕込んでいきます。
ワークショップの準備は奥が深いのです。


・名札、席札
学校名を書き、各自のニックネームを書いてもらうスペースを開けた
名札シールを用意しました。
そこへ、グループ分けの目印となるマークをあらかじめ書き込んでいきます。
学校・国をバランス良く配分し、考え抜かれたグループ分けが仕込まれていきます。
この名札で、名前を呼びやすくすることに加え、
すばやくごちゃまぜのグループがつくれる仕組みです。



名札のマークに対応するテーブル札も用意します。


・お題のアルファベットパネル
ムービー作成時のお題となる、アルファベットパネル。
"S C I E N C E E D G E"の各文字が、一文字ずつ画用紙に描かれます。
各グループはそれぞれ与えられたアルファベットから始まる、
サイエンスエッジから連想される単語を考えることになります。


彼女たちのアイデアにより、アルファベットパネルは
参加国の日本・韓国・シンガポール・台湾・タイのデザインが施された、
クリエイティブで繊細な作品となりました。




なんとなく文字を派手に描いておけば良いや、と思っていた程度の
私の想定を大きく超える、こだわりや気持ちのこもった、
場を盛り上げてくれそうなパネルになりました。

↓私がホワイトボードに書いたメモ



↓クリエイティ部メンバーの作品。


・進行スライド、台本
さまざまな言語の国の生徒達が参加するイベント。
短く限られた時間で、テンポよく説明をしたり進行をするため、
英語の台本や、補助となるスライド資料をつくっていきます。

少しアドバイスをしたり手を加えたりもしますが、
ベースは彼女たちがつくったものです。
このときにはもう、伝えたいイメージが彼女たちの中に明確にあり、
台本原稿やスライドも、それが伺えるものになっていました。

グループ分けを図示したり、




手順をを示したり。



例として自分たちであらかじめ撮った動画を入れてわかりやすくしたり、


カウントダウンタイマーのアイテムを取り入れて
タイムマネジメントをしやすくしたりしました。


(これすごいのです。私が東京海洋大学さんのとあるワークショップに参加させていただいた際に目にしたもので、今回みんなで使ってみることにしました。)

司会組も、実際に話してみながら、分かりやすい言葉や言い方を選んでいきます。



楽しそうな原稿ができていきます。


・ムービー下地
この交流会の肝!
男の子2人が担当してくれました。
学校のiPadの調達、機能のマスター、動画の構成、BGMの選曲、
そして、当日の短い時間(20-30分くらい)で編集できるように、
あらかじめ仮組みをしていきます。

当日なんとしても成功させたい、という意志が見て取れるくらい、
真剣に責任感を持って取り組んでいました。
撮影、編集のデバイスも、いろいろ考えた上でiPad一台で行うことに決定。
このころにはもう彼らの方が操作に詳しいくらい。


ムービー下地は、当日実際に撮影した映像を差し替えられるように、
映す予定のものを文字や絵で書いた紙
(「会場」「看板」「文字パネル」「各グループのアクション」…など)を
撮影した映像で仮に作ってみました。


本番まで不確定なところもあり、どきどきではありながら、
だいぶ形になって、出来上がりのイメージも持てるようになってきました。


◆いざ当日、直前準備まで
3月23日。サイエンスエッジ1日目、そして交流会本番。
多くのメンバーは直前まで科学のポスター発表。
残りのメンバーでお菓子の買い出しや会場のテーブルセッティングなどを進めます。

全員が揃い、直前の短い時間の中で、みんな手分けをしてフル回転で、
仕込んできたもののセッティングを行います。


受付に名札、テーブルにグループ目印の札、スライド・音響・照明と司会の確認、
ムービーは当日撮った会場やイベントの様子のカットを編集…

緊張感も漂うちょっと張り詰めた空気の中で、みんなてきぱき動く姿は、
とても頼もしく、力強いものでした。
音響、動画編集にそれぞれ1名のサポーター、そして私と
計3名の大人スタッフもつきましたが、基本は彼らの力で動いていきます。



◆そして交流会スタート!
17:00過ぎ。
会場が開かれ、受付に参加者が流れ込んできました。
スタッフ総出で来場者の名札作りをさばき、ほぼ予定通り定刻でスタート!


①オープニング
全体進行担当となっている学校の女の子2人の司会により幕開け。



英語、日本語で滑らかに呼びかけを行ってくれます。


②学校紹介
最初は1校あたり持ち時間30秒での学校紹介。
タイムキーパー係のベルや司会のコール、画面のスライドで
テンポよく良い雰囲気で進みます。


参加校が順々に、走って前のマイクのところまで登場
 ↓
学校名、学校のある場所、学校自慢ひとこと、の3点を発表
 ↓
そしてみんなで拍手!
…という流れで全17校の紹介がなされました。
司会も、裏での誘導係もがんばっています。


③写真撮影
全部の学校紹介が終わったところで、全体写真。
外部のプロのカメラマンさんが良い雰囲気を盛り上げてくれます。
それに紛れて、後々動画に組み込むことになる全体カットを撮影。


④ムービー作りワークショップ
クリエイティ部スタッフの面々が準備を重ねてきたメインイベント。


事前に仕込んだ名札やテーブル札に従って、
いろんな学校・国の生徒がまざった6-7名のグループができたところからスタート。

やや緊張気味のようではありながら、
司会の3人が英語で、日本語で、身振りも加えて、頑張って説明をしていきます。
例なども交えたことで会場へもイメージが伝わったようで
グループワークが始まっていきました。



ワークショップの進行はこんな感じ。
 - グループ内の自己紹介 :3分
 - グループ内でのディスカッション:3分

 (お題として与えられたアルファベットから、
  サイエンスエッジから連想される英単語1つを決める。)
 - グループみんなでムービー1カット分のアクション作り:5分
 (決めた単語を声と体で表現する)
 - グループごと撮影:15分



グループの中で会話や笑い、協力が生まれ、
各グループごとの作品ができてきます。
いろいろなオリジナリティが見られて面白い。

スタッフ側は誘導、撮影、タイムキープ、アナウンス…と、
全員で協力して場を回していきます。
その順調な進捗に、
だんだんとみんなの安堵や喜びが見えるようになってきました。

とはいえ、まさに山場を迎えているムービー班2人の男子生徒は、
緊張感をもちつつ、職人のように撮影 - 編集を冷静に着々と進めていきます。





各グループでムービー作りのワークを通じて
交流が生まれていく良い雰囲気の中、全撮影が無事終了!
編集時間を兼ねたフリータイムに入ります。


⑤グループを越えて全体で交流、スタッフの生徒も束の間の交流
大方の編集作業をムービー班の男の子たちが終え、
確認と少しの追加作業を大人スタッフで行います。

その間、会場はグループの枠も超えた交流の時間。
スタッフとして動き回っていたクリエイティ部の面々も
わずかな時間ではありながら参加者のみんなの輪に入っていきました。


⑥ムービー上映、クロージング
即席ムービーが完成。時間内です。見事。

最後に、会場の照明をおとし、
ムービー班の男の子たちの紹介から、完成したムービーを全員で鑑賞。


当日会場までの道のりや会場内の様子を撮影したカットから始まり、
交流会内でつくったグループごとのカットが順々に流れ、
"S C I E N C E  E D G E"の文字が現れてきます。
最後にみんなで「SCIENCE EDGE!!!」と叫んだ全体のカットが入り、
ロゴ、スタッフロールで締め!

という感じに仕上がりましたーーー。


約1分半のショートムービー。
高校生が作成した即席のものだと考えたらなかなかのクオリティで、
楽しさが溢れた作品ができました。
ところどころで温かい笑いも起こりながら、みんなで楽しみ、拍手。
素敵な瞬間でした。

全体進行の司会係が締めくくってくれ、交流会は終了。
みんなが作り上げた場が、大盛況のなかで幕をとじました。


◆クリエイティ部の活動を終えて
終了後。
スタッフの面々は、やりきったような、
充実感の伺える良い顔をしてくれていました。


こういったものを彼らはできるだろう、と思っているから
企画もして、一緒にやろうとしたわけですが、
それでも、想像以上の頑張りと気持ちを持って、
もはや、"彼らのもの"として作り上げたなあと思いました。

"場を作る"って、そんなに単純なものではないです。
いろんなことを想像して、
いろんなことを考えて、いろんな工夫を盛り込んで。
当日やりながらも、いろんなところを観察して、また考えて、動いて、
うまくいったり、失敗や反省もしたり。
個人で考えることも、チームとして動いていくことも、
本当にいろいろな要素が詰まっていると思っています。
いろいろな力が必要な作業です。

そんなものを一緒に経験できたらいいな、と思いながらやっていました。

企画をしながら、当日運営をしながら、終わって振り返りをしながら、
クリエイティ部のみんなのなかに生まれてくるもの、
外に出てくるものを垣間見ながら
私も、本当にたくさんのことを感じたり学んだりしました。
面白い経験でした。

準備から含めたら決して短い期間ではなく、
たくさんのエネルギーをみんなで使ってきました。
そんな時間や経験を一緒にできたことを嬉しく思います。
私も、本当に、楽しかった。


短くないとはいえ、たかだか一発のイベント企画運営だったのですが、
クリエイティ部のみんなから、終了後にサプライズで色紙をいただきました。
そんなことを期待してやっているわけではありませんが、
でも、素直に嬉しく思ってしまいます。

メッセージをもらったこともですが、
それぞれのメッセージに書かれたような変化や感覚が、
それぞれの中にあったかも…ということが、嬉しいです。 
自分の高校の頃とかを思っても、そういう経験や時間は大切なものだったので。
もう気付いたらいい大人になっていて、
次はそういう機会や時間を作れる人になりたいな、と思う今日この頃です。


本当に面白かった、と思います。
みんなに感謝。サイエンスエッジに感謝。
ありがとうございました。


さあ、つぎはどんなことをしようかな。
今回のみんなともまたやりたいですね。
経験をもとに、より面白いものを狙って。


まだまだ続きます。

2月6日、都内で行われた
【焚き火を囲んで組織開発を学ぶ:
"チームビルディング” と “リフレクティブ ダイアローグ”】

というイベントに参加してきました。


詳しくはこちらで。
◇MALL 経営学習研究所のサイト


■ 参加するまでの考えあれこれ
「焚き火を使った組織開発」という、文脈もちょっと謎だし、
私と“組織開発”(企業などのイメージ)のつながりもあまりないわけなのですが、
- 大人の学びの場
- 「焚き火」というちょっと派手な体験をとりいれたワークショップ
- 少し以前から気になっている「大人の学びを科学する」をテーマに研究をされている先生が携わっているイベント

といったあたりが気になって、
あとは、アフリカにいたころはほぼ日常だった焚き火が東京でできる…という個人的な喜びもあって、参加してみました。

自身の最近は、主に高校生あたり(たまに小学生・中学生・大学生・大人も…)を対象に、学びの場や機会をつくることを目標にして、
「科学」だったり「国際理解」だったりをネタにワークショップや講義、研修のコーディネーターなどをやらせてもらっています。
(アフリカ・マラウイ共和国での理科教育の経験がベースになっています)

今回のワークショップの直接的な対象は
社内のコミュニケーションや、企業の人材開発・組織開発あたりと出ていましたが
ひとひねり・ふたひねりしたり、足したり引いたりしたら
自分の活動や、自分が対象とするとする高校生はじめ若い世代の学びにもつなげられることもあるんじゃないかな、などとふわっと考えながら、
考えても想像には限界もあるので、入ってみてしまいました。


■ 体験したこと
体と頭を共に動かすグループワークや屋外での自炊等を通じて、
初めて会った大人たちでチームをつくっていき、
焚き火を囲みながら、しっとりと、ときにちょっと熱く、語り合ってみる
…といった体験をしてきました。
その中で、人の関係の組み立てや、チームの活性化といったものについて、
体感したり、チームの人と話しながら気づきや学びを得ていきます。

金曜の昼間から始まり、お酒も出つつ夜までのなかなか長丁場のワークショップ。
昼の2時に始まり、2時間半程屋内でのアクティビティ。
そこから、キャンプ場に移動して調理や焚き火で約3時間、頭と心と体をみんなで共につかう時間。


写真で様子を少し紹介していきますね。

屋内でのワーク。
チームで課題に取り組んだり、振り返って話し合い、まとめて発表したり。


そしてキャンプ場へ移動。
タクシーを手配されていたり、キャンプ場の道具がそろえられていたり、
運営側の細かい準備を感じながらです。




東京新木場のあたりのキャンプ場。
飛行機や道路が見えて、草の上にキャンプ道具を広げて、火を燃やす。
ちょっと不思議。


豚汁づくり。
チームで一鍋ずつ作りますが、完成品は他チームにふるまわれるものになります。
じゃがいもを入れ忘れ、受け取り側のチームの人から「たのみますよー!!」と文句をいわれるくらいに仲良くなってきました。


みんなで焚き火を囲んで輪になりながらゆっくり飲んで、食べて、そして、語る。


真面目な話をしながら、マシュマロ焼きたかったね…なんてことも言っていたところに、マシュマロ登場。
学びと遊びの混在。面白い。


とくに後半の焚き火タイムは、かっちりしたスケジュールや内容が決められているわけではない(少なくとも参加者側からしてそう感じられる)時間があたえられて、
その中で、ゆっくり焚き火や調理の作業をし、そして、対話して。
放たれたワークショップはあまり経験がなかったので新鮮に感じました。


■ 参加しながら、後から振り返りながら思ったことたち

その1:新しいコミュニティを見る
私にとっては、今回のような「組織開発」などをテーマとしたワークショップや、
それに関連する人達のコミュニティは新しい場となりました。

私にとっては、みなさんお初の人ばかりでしたが、
わりとみなさん共通項をもっていたり、過去に同じワークショップに参加されて知り合いだったり、前提が共有できている上での情報交換を行ってらっしゃったり。

とても単純ですが、「“組織開発”や“人材育成”、ちょっとひいて“学び”といったことをテーマとする人達の集まりやイベントなどがたくさん存在していたんだな。それはこういう感じなんだな。」ということを垣間見れた気がしました。
みなさんいろいろ学んだり、実践されたりしていて、活気があります。

そういった、“一つのテーマでのコミュニティ”として、
自分にとって身近なものでは「国際協力関係」のコミュニティがあります。
自身は特別この分野で活動していこう、という訳ではないのですが、
海外ボランティアに参加して以降、その系統の活動や場を通ることが多く、
そこには、比較的小さい世界でのつながりが多数存在しているように思っています。
結局、話を聞いていくと人同士や組織同士がつながってた、といったような。

そういったコミュニティは共通言語が使えたり、
情報が集まったり連携できたりする良さもありながら、
中で凝縮されてしまいすぎることに、たまにちょっと、ん??と思うこともあります。
(批判的なわけでは決してなくて、どんなところでも起こりうることで、でもたまに考えたほうが良いだろうな、と思うところとして)

今回の場合は、自分がそのコミュニティの主軸の立場でなかったゆえに、
いわゆる外部ともいえる人が入ったときにそういったコミュニティがどう見えるのか、
一見「場違い」になりそうだけれども、その中でどう振る舞ったり、どう学べたりするのか、ということを、実際その場で体感したりちょっと客観的に分析したりできて、興味深かったです。


その2:焚き火の効果?新しいコミュニティの面白さ
その1で、新しいコミュニティにちょっと外から入ったときに…
ということを書きましたが、
このワークショップに関しては、自分が想像していたよりずっと、
「場違いにならなかった」し、「たくさん面白いことが転がっていた」
と、結果、終えてみて思いました。

たまたまグループの中では最年少だったり、
所属している世界も少し違った気がするので、
ビジネスの場で、かしこまってお会いしたとしたら、
きっとあんなにフランクに話したりはできなかった人達だったような気がします。
でも、ワークショップの場であったり、焚き火を囲むことで
なんとなくそこまで臆することなくお話しできた気がしますし、
みなさんいろいろ教えてくれたり、話をくみ取ってくださったり、
ときには「これはどうなの?」という疑問や提案を投げかけてくださいました。

普段とちょっと違うところにいる人達にいれてもらうことで
あたりまえになっているものたちではないけれど、
でも自分にとってまったく関係ないものでもないものたちを、
少なくともその存在を、たくさん見つけることができたように思います。

新しいコミュニティ×焚き火は、とても良い組み合わせだったのかもしれません。


その2:ワークショップ運営の方から学ぶこと
これは、ワーク時の指示とか、時間の使い方とか、
そのタイミングでそれを準備してるのか、とか
本当にたくさんのポイントがあったのでまとめきれませんが、
ひとつ印象的だったのは、焚き火の時間のような、
参加者に対して、時間も内容も自由度を高く放つ形態でした。

時間とか対象によって向き不向きはあるだろうと思いながら、
自分にとってはこれまで経験した中でもかなり放たれていて、
それでいて充実度も高いものだったので、新鮮でした。

その企画とか運営の過程で、どんなことを考えているのかな、とか、
放ちつつもどう動いたり考えたりされているのかな、など、
あれこれ考えながら見てしまいました。

自分がやっていく活動への取り込みまでは、まだよく見えていませんが、
どこかでうまく良い形をみつけていくヒントになるのかなと思います。


番外編:"名前のないあやしい仕事"について
こういったワークショップを始め、人と会うときに
「これこれの仕事をしています」「自分は何者です」
という自己紹介をすることになると思うのですが、
これが今現在、私にとってなかなか難しいことのひとつ。

“過去に、アフリカの途上国で理科教育のボランティアを2年ほど行ってきて、
現在は、その経験を踏まえて、
日本の高校生(たまに小学校~中学校、たまに大人)を対象として
国際理解や科学をネタに、学びの場をつくるワークショップなどを行っています。”


あたりが、これでもまだ以前よりまとまってきての現状の説明です。

もっと細かくとか、経緯まで含めてしまうと、
 もともと理科が好きで~
 教育や学びの場というものに興味があって~
 気象情報の仕事もして~
 海外の学生の受け入れプログラムもたまに担当したり~
とか、さらに訳の分からないことになってしまうのですが、
でも自分を説明する上で関係ないわけでもないので、
伝えたいところを整理して、かつ聞いた人が「わかった」となってくれるように
言葉にするのはなかなか現状うまくいかないところであります。

今回、このイベント共催の経営学習研究所の理事で
東京大学の中原先生とお会いした際、名刺交換をさせていただきつつ、
上記の分かりにくいくだりを説明することになったわけなのですが、
(ポジティブな感じで)「怪しいね~」
「"名前のつかない仕事"って面白い」
といったようなことを言っていただけ、
すごく単純ですが、嬉しかったです。救われました。笑

これでいいんだー、という訳ではないと思いますが、
そういうフェーズもあっていいのかな、
面白いと思ってもらえるようなことをやっていけたら、それはそれでありになっていくのではなかろうか、と、希望が持てました。

あ、自分自身としては全然悲観的だったわけではないのですが、
説明をしながら相手を混乱させることがよくあって、ちょっと申し訳なくなるので。
どうしたもんかな、と思っている項目の一つです。

今は“あやしい者”でしかなくなっていますが、
そのうち、その怪しさも含めてうまく形が見えるようにできると良いなと思います。



…と、最後は今回のワークショップの内容とあまり関係がなくなってしまいましたが、
いろいろ新しいものや感覚に触れられた良い一日になりました。
今後も面白そうな、怪しそうな場へのアンテナを張っていこうかと思います。
最近、本を買いたい(読みたい)欲がなんだか高まっています。
お財布の都合上古本屋さんにお世話になっていますが。

今日は3冊加わりました。
これから読むので内容はとくに紹介できないのですが、
なんとなく、本を手にした喜びを記録しておきたくて書きます。


ひとつめは、糸井重里さんと東大の早野龍五先生の
「知ろうとすること。」
青年海外協力隊で一緒に活動していた聡明な友人が、
「日本に帰ったらすぐに読みたい」と言っていたことを本を見かけて思い出しました。

知ろうとすること。 (新潮文庫)/新潮社
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続いて、
「フィンランド豊かさのメソッド」
フィンランドの教育への興味は漠然とあるのですが、
先日1月31日のTBS「世界ふしぎ発見!」
ちょうどフィンランドを取り上げていたのを楽しく観た流れから、手に取ってみました。
関係ないですが、ミステリーハンターになってみたいなあ。笑

フィンランド豊かさのメソッド (集英社新書 (0453))/集英社
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最後は、いまさら感もあるかもしれないのですが、津田大介さんの
「Twitter社会論」
ずっとTwitterはアクティブユーザーではなかったのですが、
なんだか最近ちょっとまた興味とか
あらためて自分にも使えないものだろうか、などの考えが浮かんで来たもので、
勢いで手にしてみました。

Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)/洋泉社
¥799
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「知ろうとすること。」からちょっと読み始めました。
はじめの4行で糸井さんのスタンスに触れられているのですが、
「ああ、この本を買って、読もうと思って、良かったな。」
と素直に感じました。先が楽しみです。