私は、母子家庭で育ち、母は不規則勤務なため、朝や夜中からの仕事は普通でした。
遅刻はあたりまえ、見送りなしでは学校すらまともに行けていなかった時があります。
朝は遅刻、宿題は忘れる、部屋は散らかり放題汚れ放題そんな毎日。何度母を泣かせたのでしょうか。
自己中で人のことを考えられない私は、学校でも人が嫌がることを平気でしていました。仲良くなりたい子にしつこくしたり、空気を読まずに入っていったり、思い出すだけで恐怖ですね。
もちろん、いじめにあったこともあります。でも周りを見れない私は、いじめのターゲットであることにすら、気づいていなかったのです。
いじめはよくある菌鬼ごっこ。
『○○の菌だー』なんて鬼ごっこ、経験ある方もいるのではないでしょうか。
そんなのいじめじゃない、ただの悪ふざけだと思う方もいるかもしれません。
当時の私もそれぐらいに感じていたし、今もそう思うようにしています。
普通の鬼ごっこだと思っていて、『いれて』
と頼んだこともあります。自分の菌だとも知らずに。きっと笑えただろうな。自分の菌鬼ごっこに入りたいだなんて。どんな気持ちで、何を考えて聞いたんだろうな。
普段仲良くしてくれていた友達も、親友だと思っていた子も、参加していました。親友には怒ってしまったけど、あまり気にしないようにはしていました。
帰りの会で、先生がそのことについて話した時、初めて涙が出ました。悲しかったから涙が出たのか、いじめにあっていたということを断言されて恥ずかしかったからなのかは、今でもわかりません。
その後に、みんなが寄ってきて、ごめんねの嵐。それが、すごく不思議で気持ちが悪かったことをよく覚えています。
思ってもいない「ごめんね」、わかっているのに返さなきゃいけない「いいよ」。
誰1人として真剣に謝ってきた子はいなかったようでした。なぜ悪くないと思っているのに、先生の一言で謝ってくるのか。今思い出すだけでも少し怖いです。
いじめは良くないことですが、わたしは人に嫌われることをしてきた自覚はあるので自分に返ってきていたんだなと今は思います。
でもその時の私は、『自分の○○がいけなかったのかな』とか『みんな私のこと嫌いなのかな』なんて考えたりもできなかったんです。
次の日からは何もなかったように、自分も、周りも過ごしていました。
だから何も変われなかった。
みんなが心と体が成長していく中で、ひとり、体に心が追いつけないまま、私は中学生になります。