先週までの雨が嘘のように、真っ青な空にセミが鳴く。
梅雨が明けた。
夏の匂いがした。
梅雨の明ける前、なんとか陰鬱とした雨の日々に彩りと風情を取り戻そうと、新海誠作品で一番好きな
言の葉の庭をみた。
そこで登場するのが、万葉集に載っている短歌
『鳴神の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留め』
「雷が少し鳴り響いて雨が降らないかな。そうすれば、あなたをここに留めておくことができるのに」
そして、それに対しての返しの歌が、
『鳴神の 少し響みて 降らずとも 我は留らむ 妹し留めば』
「雷が鳴り響いて雨が降らなくとも、君が言うならここに留まるのに」
31音でこの表現力はすごい。
梅雨がいっきに色づくなぁと思った。
マーケティングの人が調べたらしいんだけど、
梅雨の時期って、毎年、他の月に比べて全国的にネガティブなツイートが増えるんだって。
どんな季節も、楽しめて好きになれるのってすごくいいと思う。
そういう意味で、短歌は沁みる。
さあ夏だ。