「分かりました。お世話になりました」



悔しくて涙も出ぇへん!

頭を下げ、会議室を後にする。


涙が次から次へと溢れてきて。

通路に座り込んでしまう。



座り込んだ私の前に人影が出来た。



見上げるとそこには同僚の姿がある。


「そこ、通路、邪魔やから」


追い討ちをかけるような言葉に

唇を押さえ、その場を立ち去るが精一杯。




更衣室に入りカバンだけを手にする。



もうええやん!


こんな思いまでして、ここに居らんでも………


………けどここで帰ってしもたら。


ここで逃げ出してもうたら……………

何事からも逃げてしまう。



涙を拭いとり深呼吸で呼吸を

咄嗟に整え扉をあける。


全員の興味の視線が突き刺さる。

こんな我慢もあとちょっとや!



自分に言い聞かせ上司の前へ歩み寄る。



「本日付けで退社する事になりました」


「あ、あぁ…」



もう話しは行ってるんや!



「皆様に挨拶だけさせて

もらいたいんです」


「そっか、ちょっとみんな手を

安めてくれへんか」



一斉にみんなの視線があつまる。



深呼吸をして!

私は悪ないもん!

やましい事なんて無いんやし!



「本日付けで退社する事になりました。

ありがとうございます。

今回退社するにあたり、

私は常務と不倫の関係に

あると言われましたが

決してそんな関係ではありません」


「ちょっ…」



係長が止めに入る言葉を無視し言葉を発した。



「世の中にはシングルマザーはたくさん居てます。

小さな子供を抱えて…必死に…

必死に生活をして…いま…………」



涙で言葉になれへん!

息が詰まり胸が苦しい…



「でも!でも、自分に…

自分に出来る事を精一杯やって…

きたつもりです。最後の最後まで…

めいわ…くばかり…かけて…

本当にごめんなさい。

お世話に…なりました。




話しが終わると同僚が

「おつかれさんでした」と

言いすぐに仕事を開始した。