「後援会なんて煩わしいだけ」という勘違い議員ばかり

[それみろ!小沢がいないと選挙に勝てない民主党] (日刊ゲンダイ2011/2/10)

2度の落選経験がある中間派の1年生衆院議員は「選挙は小沢さんのやり方しかない」と断言する。小沢流とは「1日50カ所の辻立ち」「演説より1対1のふれあい」といった“ドブ板”選挙だ。

ドブ板で強固な支持者を組織できれば、どんな逆風が吹いても、民主党に一票を投じてくれる。風に左右されない選挙ができる。だから強い。そういう意味だが、若い民主党議員はドブ板が嫌いだ。一昨年に大量当選した1年生のほとんどが、自前の後援会をつくっていない。
「小選挙区制は2大政党のAかBかを選ぶ選挙だから、大政党の名前があれば十分と思っているのです。枝野官房長官は『後援会なんてしがらみばかりで煩わしいだけ』と言っています。凌雲会(前原グループ)の若手は、みんなその教えに従っている」(前出の中間派議員)

彼らは自分の選挙区で地方議員を増やすことも「煩わしい」と思っている。
「地域に密着した優秀な地方議員をつくるには、人材を発掘し、育て、面倒を見なければなりません。しかし、民主党の国会議員はそれを煩わしく感じているだけでなく、『ヘタにいい人材を地方議員にしたら、自分の地位が脅かされる』というメンタリティーを持っている。これでは地方選挙で勝てません」(地方県連幹部)

後援会という名前が仰々しいなら、サポータークラブでもいい。
「とにかく『この人のためなら』としゃかりきに動く人が40人くらいはいないと選挙にならない」(ベテラン秘書)

大敗した愛知のダブル選挙で、岡田幹事長は投票1週間前に国会議員に電話作戦を指示したが、電話番号簿はハローページ(電話帳)を破いたものだった。

「普通は後援会名簿だろ」(自民党議員)と失笑を買ったものだ。
前出のベテラン秘書は嘆く。
「民主党の国会議員は『ダメだったら次の政党』というズルい考えの人ばかりで、党を育てる気がないんです。風に乗れるフレッシュな政党を渡り歩けばいいと思っている。地方議員なんていらないし、他人の選挙なんてどうでもいい。これでは民主党は強くなりません」

参院選惨敗の責任を誰もとらず、党内には上から下まで無責任体質が蔓延している。地方選惨敗は、結局は自分の選挙の苦戦につながる。しかし、そうした想像力すらはたらかない議員ばかりなのである。(おわり)




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