小沢一郎氏「検察は政治活動に干渉するべきでない」と主張

週刊ポスト2011年1月21日号
(NEWSポストセブン2011年01月09日17時00分) http://p.tl/9naQ


『小沢一郎 嫌われる伝説』の著者・渡辺乾介氏による小沢一郎氏インタビューのなかで、話は検察および司法改革に及んだ。検察の裏金問題を告発した元大阪高検公安部長・三井環さんが挙げた課題に対して、小沢氏は持論を展開する。

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――検察の裏金問題を告発した三井環さん(元大阪高検公安部長)は、検察および司法改革について、取り調べ可視化とは別に、4点の課題を挙げました。

【1】検察が押収した証拠品目録と、証拠提出しなかった残記録の全面開示。冤罪を証明できたケースでは、偶然出てきた残記録のおかげであったということが非常に多い。

【2】最高検や高検検事長や地検検事長を選挙で民間人から選び、さらに選挙で選ぶ新しい検察審査会をつくる。

【3】裁判官と検事の人事交流の禁止。

【4】検察の裏金問題の解明。

小沢:「そういった専門的な立場からのお考えは、それはそれでいいと思うけれども、僕自身は政治家として、政治活動に公権力が干渉することはよろしくない、というのが基本の考え方です。

 今ある制度は制度として守らなければいけないからしようがないですけれども、例えば欧米では、政治活動を指導、監督するのは、選挙委員会とか、独立した委員会であって、官憲が直接政治に入ってこない仕組みになっている。政治活動は民主主義の根本だから、公権力が干渉しないように、という仕組みになっているわけです。確かに、その仕組みは民主主義の原理に適っている。だから、基本的に日本もそういう仕組みにした方がいいんじゃないかなと思います。

 もちろん、一般の事件や検察、裁判所のあり方がどうかという問題は、今お伺いしたお話の延長線上にあるんだろうと思います。ただ、僕は政治家だから、政治のことをいえば、政治は主権者たる国民の最大の権利、拠り所である以上、やはり全てについて、あくまでも主権者のみが判断し得るということを基本に制度をつくるべきだと思っています。そうしないと、日本に真の民主主義、議会制民主主義は定着しないのではないでしょうか」