菅政権、即刻下野しなさい 解決策は脱小沢転換 仙谷クビ

(日刊ゲンダイ2010/12/13)

このまま政権担当能力なしの愚鈍菅・仙谷が続いていく不況下の国民の不幸とこの国の行方

―4茨城県議選で示された民主党政治ノーの直近の民意を無視して居座り小沢排除の党内抗争を続けることはもう許されない

―あきれたものだ、支持率20%に低下した無能首相がハローワークや農業法人視察と称する愚劣なパフォーマンスのサル知恵サル芝居

◆現有6議席の維持が精一杯の惨敗

本当に民主党は、情けないほど選挙が弱い政党になってしまった。「惨敗」が予想されたきのう(12日)の茨城県議選。最終結果は予想通りの惨敗だった。そこが情けないのだ。
早くから、選挙は劣勢だ、逆風だということは分かっていた。それなら早めに手を打ち、テコ入れをすればいい。政権政党なんだから、業界・団体をまとめたり、方法はいくらでもある。そうやって、与党時代の自民党は、何度も危機がありながら、しぶとく生き残ってきたものだ。

ところが民主党は、タレント議員を応援に送り込む以外はテコ入れの仕方も分からないようで、なす術もなくの惨敗だ。議席結果は表の通りだが、定数65に対し、24人の候補(うち推薦1)しか立てられなかった民主党の当選者はたったの6人。政権党なのに、4年前の野党時代に獲得した現有6議席に1議席も上積みできないテイタラクだから、話にならない。恥というより、暗愚だ。ボンクラを絵に描いたような選挙担当の岡田克也幹事長や枝野幸男幹事長代理、渡辺周選対委員長は切腹が当然だろう。

「参院選の敗北に続いて民主党は北海道5区補選、福岡市長選、和歌山知事選、松戸市議選、沖縄知事選不戦敗と、連戦連敗です。風頼みの選挙しかやれない菅首相や民主党執行部は、今も風頼みの選挙が正しいと考えているから、“小沢さんのカネの問題があるから負けたんだ”とか言って、責任をとることはしないでしょう。
しかし、もう四の五の言い訳を言ってられる段階じゃない。有権者の方は、民主党に一回やらせてみたけど、やっぱりダメだなあと、どんどん離れていってしまっている。それで、相変わらず人気のない自民党の方が浮かび上がっている構図です。菅民主党は、政権の寿命が尽きるかどうかの瀬戸際に立たされていることに気づくべきです」(政治評論家・有馬晴海氏)
これだけ立て続けに選挙という選挙で「民主党政治ノー」の民意を突きつけられたのだから、もう答えは見えた。菅政権ではどうしようもないことがハッキリしたのだ。



◆仙谷更迭か首相交代しか選択肢のない菅民主党

民主党の岡田執行部は、茨城県議選の惨敗の目くらましに、狂ったように小沢問題を強調し、「政倫審」出席を騒いでいる。恐らく、裏で菅・仙谷コンビが糸を引いているのだろうが、「アホか」ではないか。相も変わらず、「脱小沢」でしか存在を示せない無能さ。絶望的になってくる。

だが、そんな党内抗争を続けることが許される状況は終わったのだ。政治評論家の浅川博忠氏がこう言う。
「統一地方選の前哨戦として注目された茨城県議選の結果は、これから大きく政局を揺さぶります。いまの民主党が相手なら、総選挙をやれば政権をつぶせる。自民党などの野党はさらに自信をもったから、どんどん菅首相を解散・総選挙に追い込んできますよ。それをしのぐには、仙谷官房長官の更迭と大幅内閣改造、あるいは菅切りで新しい首相をこしらえ、とりあえず支持率を回復させるしか手はない。支持率下落が止まらず、選挙に連戦連敗の菅政権では、どの野党も手を差し伸べようがないから、来年の通常国会は冒頭から何でもありの一寸先は闇に突入ですよ」

それなのに、である。菅首相ときたら、何をやっていいのか分からないから、農業法人視察とかに出かけ、ミニトマトを頬張ってみせたり、ハローワークやコンビニに出かけるパフォーマンスなんかにウツツを抜かしている。そんな場合じゃないのに、浅はかだから、こんなサル知恵のサル芝居しかできない。危機感ばかりか、政権立て直しの戦略がゼロなのだ。ノーテンキのアッパラパー。これが、この国のリーダー、総理かと思うとゾッとしてくる。これ以上、菅・仙谷コンビをトップに居座らせていたら、国民生活もこの国も終わる。それだけは確実だ。



◆民主党は解散・消滅に追い込まれていいのか

有権者から次々と「即刻、下野しろ」とレッドカードを突きつけられている菅政権。日本テレビの世論調査では、解決策として「解散・総選挙で信を問う」が35%で、圧倒的トップだった。
自民党が期待する展開に世論も足並みをそろえてきたのだが、果たしてその解決策がベストなのか。
「地方選の負けぶりを見ていると、総選挙をやれば、菅民主党の惨敗は間違いない。100議席減程度では踏みとどまれず、200議席を大きく割り込む可能性もあります。政界はグチャグチャになるでしょう」(浅川博忠氏=前出)
大不況なのに、来年度予算を組めるかどうかも分からない政治状況の中で、政治の空白と大混乱が続くのは困る。それこそ、空白を突いてどんな外交衝突が起きるか分からないし、シワ寄せは必ず国民生活に向かう。
となれば、解決策はひとつしかない。「小沢排除だ」などと、不毛の抗争を続けている場合でなく、民主党は原点に戻り、一致協力でまとまるしかない。
「官房長官の役割は、政策調整と国会対策、そして選挙対策ですが、仙谷官房長官は何ひとつマトモにやれない。能力がないのです。政権を続けたいのなら、お引き取り願うしかない。菅民主党はいわば二軍でしか通用しない投手や打者でチームを組んだから、試合にまったく勝てない。それなら、唯一の一軍選手である小沢氏の力を借りればいいのですよ。小沢氏の力を恐れて仲間内で排除に動き、チームを弱くしている神経が分かりません」(政治ジャーナリスト・藤本順一氏)

そういうことなのだ。無意味な「脱小沢」路線なんて転換し、諸悪の根源である仙谷のクビを切って、出直すしかないのだ。有馬晴海氏(前出)がこう言った。
「小沢さんを排除したり、離党勧告に追い込んで何の意味があるのでしょうか。それで国民の生活が上向くのか。財源不足や外交未熟が解消されるんでしょうか。たぶん、菅内閣の支持率が一時的に上向くだけで、それで終わりですよ。実のあることにはつながらない。それなら小沢さんの力を活用すればいいじゃないですか。いろいろな人と直接話すと、半分の人が“政治を大きく変えられるのは小沢さんしかいないだろう”と口をそろえるのも事実なのです」
菅と民主党は、生き残りたいのなら、この線でいくしかないのだ。


◆茨城県議選結果
当 選(改選前)

■自 民
33(45)
■民 主
6(6)
■公 明
4(4)
■共 産
1(2)
■みんな
2(1)
■無所属
19(7)
うち自民系
6
計65



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