●小沢一郎・茂木健一郎対談

(有田芳生の『酔醒漫録』2010/12/11)  http://bit.ly/gFsf7q

 12月11日(土)茂木健一郎さんがツイッターでこう書いた。「有田芳生さんのご紹介で、小沢一郎さんと対談させていただきました。まっすぐな、あくまでもまっすぐな方でした」「小沢一郎さんに、身体に気をつけてくださいと、木村秋則さんのリンゴジュースを差し上げたら、とても喜んでくださった」「小沢一郎さんとの対談は、年末発売の週刊朝日新年号に掲載予定です」。小沢一郎さんと茂木健一郎さんの対談は27日発売だ。対談内容について時事通信はこう報じている。〈民主党の小沢一郎元代表は10日、岡田克也幹事長が衆院政治倫理審査会での小沢氏の招致議決を目指していることについて「政倫審は事件にならないようなものを扱うところで、(私の)問題は法廷の場に移っている」と述べ、招致には応じられないとの考えを強調した。
 都内で行われた脳科学者の茂木健一郎氏との対談で語った。小沢氏が8日の鳩山由紀夫前首相らとの会合で、新党結成を視野に入れた発言をしたとの一部報道については「そんなことは言っていない」と否定した〉。1時間半に及んだ対談内容は「週刊朝日」を読んでいただきたい。ただ2つの印象的だったことをここに書いておきたい。それは自民党も民主党もダメだったとなれば、日本人の心性から極端なナショナリズムに走る危険性があるという指摘と、いまのまま総選挙をやれば民主党がどれくらい敗北するかという具体的指摘だった。対談は国会の私の部屋で行われた。したがって小沢さんの姿が参議院の議員会館で目撃された。そのために「小沢一郎が参議院を回って協力要請を行った」という噂がマスコミに流れた。歩くだけで憶測を呼ぶのだからすごいものだ。茂木さんとは昔ご一緒した湯島の「奥様公認酒場 岩手屋」に行こうと約束した。



●小沢一郎さんの「ありのまま」

(茂木健一郎 クオリア日記 2010/12/11) http://p.tl/2JE5

« 一人ひとりの人間は、弱々しく、欠点だらけで、だからこそ愛すべき存在なのに、なぜ「国」になったとたんにモンスターになるのか。

参議院議員の有田芳生さんのご紹介で、小沢一郎さんにお目にかかって対談した。有田さんとは、議員になられる前から、ずっと懇意にさせていただいている。

対談場所は、参議院議員会館の有田さんの部屋。詳細は週刊朝日に掲載されるので、それを読んでいただくとして、一点だけ。

メディアの中の小沢一郎さんのイメージは、「豪腕」であり、「ダーティー」だというものなのかもしれない。御本人にそう申し上げたら、笑っていらしたが。しかし、実際にお話すると、とてもストレートで、論理的、そして、仰ることに筋が通っているように感じられた。

小沢さん御自身、外国特派員協会での会見がお好きだと仰っていたけれども、その発言を英語に直して考えてみても、世界的に通じることを話されていると感じた。まっすぐな、プリンシプルの人。なぜ、メディアでのイメージが乖離するのか。それは、従来のメディアが「編集」をしてきたということに起因するのであろう。

もちろん、題材の取捨選択、意味づけなどにおいて、編集が加わることはある程度必要だし、仕方がない。しかし、一度できあがったイメージを、そのまま踏襲する「慣性」がメディアには強い。そのため、メディアの中のイメージが一人歩きし、勝手に拡散していくという傾向があるのだろう。つまりは、「マッチポンプ」である。

ツイッターや、ニコニコ生放送などの「ダダ漏れ」系のメディアの登場によって、さまざまなことのそのまま、人のありのままの姿が世間にさらされるようになってきた。編集という厚化粧を施したニュースに人々が飽きたらず、風通しを良くして、「素材」そのものに触れたいという気持ちが強まってきている。

先の民主党代表選挙の際、ツイッターやブログなどのメディアで、「小沢支持」の動きが急速に広まった。小沢一郎さんに、日本の煮詰まった現状を改革して欲しいという期待が高まったのである。今から考えれば、あの動きは、「厚化粧」の従来メディアの報道の呪縛から解かれ、直接、小沢一郎さんの「ありのまま」に触れることで起こったのだろう。

国会でゴタゴタしている場合ではない。菅直人首相は、内閣の立て直しのために、小沢一郎さんをたとえば副総理格で迎え入れてはどうか。対中関係など、大いに活躍してくださるはず。今の政治情勢からすれば真逆のようだが、苦境を逆転させる「ウルトラC」になるだろう。

状況が変わって「出番」が来た時には、たとえ強制起訴されていても、その状態で小沢一郎さんが民主党代表や、内閣総理大臣をしても、何の問題もないはず、と私は申し上げた。むしろ、強制起訴されている状態で敢えて内閣総理大臣として頑張るということが、いろいろな意味で固定観念にとらわれ、身動きがとれないでいるこの国現状を打破する上での、とてもわかりやすい政治的パフォーマンスになるのではないかと思う。

90分間、たくさんのことを学ばせていただきました。対談をアレンジ下さった有田芳生さん、本当にありがとうございました。

帰り際に、いろいろ大変でしょうから、身体に気をつけてください、と木村秋則さんのリンゴジュースを差し上げたら、小沢一郎さんはとてもよろこんで下さった。「お元気で」と声をかけると、小沢さんは、「この特別なジュースを飲めば、元気になるよ。」と言われて、秘書の方と帰っていかれた。

木村秋則さんのリンゴジュースは、本当に美味しい。小沢さん、味わってくださったかしら。