「小沢待望論」菅内閣「不支持6割」でますます盛り上がる

(日刊ゲンダイ2010/11/25)

◆「首相にしたい政治家」でトップ
菅内閣の支持率下落が止まらない。共同通信の調査によると、今月初旬の前回から9・1ポイントも下落して23・6%まで落ち込んだ。いまさら「菅首相じゃダメだ」と気づく国民も遅すぎるが、菅の不人気に反比例して「小沢待望論」が盛り上がっている。
共同調査では、不支持率も48・6%から61・9%に拡大した。政党支持率でも民主は22・1%で、24・6%の自民に逆転されている。国民の期待を裏切って自民党そっくりの官僚政治をやっていれば、「いっそ自民党でいいじゃないか」となるのも当然だ。
「民主党の議員はみな、地元に帰るたびに突き上げられて針のムシロです。『3年は大目にみてやるよ』と声援を送ってくれた支持者が、『3年も続いたら大変だぞ』と言い出し始めた。政権交代ムードを追い風に民主党の看板だけで勝ってきた人たちは焦りまくっています。この状態で選挙をやれば、バタバタと落選するでしょうね」(民主党関係者)

個人で勝負しようにも、知名度が低くてダメ。自民党議員が得意とする政党隠しでは戦えない。結局、「民主党」の看板に頼らざるを得ないから、「やはり総理は小沢さんに」との動きが勢いづいてきた。
小沢は先週、4日連続で若手と酒を酌み交わした。きのう(24日)も代表選で小沢選対のメンバーだった議員と懇談。きょうは、衆院1回生でつくる一新会倶楽部が新たな政策グループを立ち上げる。小沢は顧問に就任する予定だ。周囲からは、「起訴される前に菅を引きずり降ろして代表選を戦って勝てばいいのです。国務大臣は総理の同意なしに訴追されない。小沢が首相になれば、裁判を気にせず、思い切ったことがやれる」と期待する声も聞かれる。


永田町だけではない。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が合同世論調査で、「首相にふさわしい政治家はだれか」と聞いたところ、小沢は8・6%でトップになった。
この手の調査では人気がある前原外相(7・0%)、新党改革の舛添代表(6・8%)を上回り、前回の5位から大きくジャンプアップだ。小沢たたきの急先鋒である産経の調査で1位になったのだから、衝撃は大きい。

◆国民は大胆にエイヤとやれる首相を求めている
政治評論家の小林吉弥氏が言う。
「国民は政権交代で政治が変わることを期待したが、鳩山前首相や菅首相には力がなかった。前原外相や岡田幹事長では物足りないし、ポスト谷垣が見当たらない自民党は論外となれば、ほかに選択肢がありません。国民は、裁判を控える小沢氏が身動きの取れない状態にあることを知っています。それでも1位に選んだのは、“剛腕”に代表される小沢氏の発想や手法を求めているから。大胆にエイヤとやってくれる首相の誕生を待ち望んでいるのです」
小沢の出番は近い。




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