菅首相はサッサと柳田法相のクビを切れ!政治能力も政治的判断力もないアキレた首相

(日刊ゲンダイ2010/11/19)

自民党末期時代と限りなく似てきた民主党菅政権は年内持つのかと巷の声

―このままグズグズ政権内に柳田法相を抱えていたら政権へのダメージは甚大になるぞ

―やっぱり小沢を切った仙谷は頼りにならなかったのに、国民に対して余りに無責任な政権の現状とこれから
ここまでバカな大臣がいたとは驚きだ。

支持者の前でうれしそうに「法相はいいですよ。国会答弁は2つ覚えておけばいい」と、ペラペラ話した柳田法相には、呆れるしかない。

柳田法相が辞任に追い込まれるのは時間の問題だ。今度ばかりは、野党も本気でクビを取りにきている。自民、公明だけでなく、社民党まで「問責決議案」に賛成する方針だから、参院で可決されるのは確実。問責決議が可決されたら、さすがに辞めるしかない。
それにしても、なぜ、菅首相はさっさと柳田法相のクビを切らないのか。このままグズグズ閣内に抱えていたら、政権へのダメージを大きくするだけだ。
「菅首相はまったく危機管理が分かっていません。この期に及んでも『罷免すべきとは思っていない』とかばいつづけているが、『ねじれ国会』を考えたら、かばいきれないのは分かりきっています。だったら、問題が発覚した時点ですぐに更迭するのが当然。その方が傷も浅い。今回の一件は、柳田大臣の個人的な失言だから、早めに更迭しておけば内閣全体の問題にもならなかった。更迭したら『任命責任』を問われることを懸念しているのでしょうが、更迭しようがしまいが任命責任を問われるのは同じこと。さっさとケリをつければいいのに、問題を長引かせ、野党に攻めるチャンスを与え、騒ぎを大きくしているのだから、どうかしています」(政治評論家・有馬晴海氏)



◆決断ができず支持率を下げ続ける無能

首相就任5カ月で分かったのは、菅首相には政治的な判断能力がまったくないことだ。まず決断ができない。
野党時代は、誰よりも歯切れがよく、ストレートにぶつかっていく政治家だったのに、総理になった途端、自信がないのか、いつまでたっても答えが出せない。支持率が急落しているのも、強いリーダーシップが見えないからだ。
覇気がなく、目はうつろ。仙谷官房長官は、周囲に「菅はダメだなあ。思った以上に使えんなあ」と漏らしているという。

「政治は決断の連続です。とくに一国のリーダーは、状況を正確に把握し、素早く決断することが求められる。ところが、菅首相はグズグズし、いつまでたっても決断しない。いったん決めても、消費税アップのように、ちょっと批判されると、すぐに撤回してしまう。果断なところがない。尖閣諸島問題も、最後までどっちつかずの逃げ腰です。恐らく、柳田法相の問題も、どうしたらいいのか判断がつかないまま、時間が過ぎ、傷口を大きくしているのでしょう」(民主党関係者)

菅首相は、二言目には「俺は疲れたよ」を連発し、官邸スタッフが報告をあげようとしても、「なんでもかんでも俺のところに持ってくるな」と怒鳴り、「俺に判断しろというのか!」とキレるという。
APECの期間中は、外務官僚に「なんとしても日中首脳会談を実現しろ」と怒鳴りまくっていたらしい。
それでいて、20分間の会談が実現しても、手元のメモに視線を落としたまま「APEC首脳会議に来られたことを感謝します……」と棒読みするだけ。その姿には、胡錦濤国家主席も呆れ返ったに違いない。
やはり総理の器ではなかったのではないか。



◆ついに政党支持率も自民党に逆転された

民主党はこれ以上、政治能力も判断力もない菅首相に総理をつづけさせてはダメだ。
菅首相が国民から見放され、内閣が倒れるのは自業自得だが、このままでは民主党そのものが、国民から見捨てられてしまう。すでに政党支持率であの自民党に逆転されている。
時事通信の調査によると、民主16・2%、自民16・5%と、昨年の政権交代後初めて逆転された。
「菅内閣は、政権末期の様相です。次から次に問題が噴出している。まるで自民党政権の末期のよう。あの時も、鳩山邦夫法相や、鴻池官房副長官が更迭されるなど閣内がガタついた。とうとう、民主党の“金看板”だった事業仕分けまで、蓮舫大臣と仕分け人が現場で激しく対立するなど、収拾がつかなくなっている。それもこれも、菅内閣に強いリーダーシップが欠けているからです。政権のグリップが利かず、それぞれが勝手に動いている。これでは、政策は前に進まない。問題は、政権交代を実現させた国民が、雪崩を打って民主党から離れていることです。菅内閣のテイタラクを見て『やっぱり民主党はダメだ』と失望しはじめている。このままでは、昨年の政権交代は無意味なものになってしまいます」(有馬晴海氏=前出)
大不況が目の前に迫り、一刻も早く景気対策を打つ必要があるのに、菅内閣は噴出するスキャンダルに追われ、補正予算案も成立させられないままだ。国民生活はどうなってしまうのか。



◆政権交代の原点を忘れている

民主党は思い切って、リセットするしかない。このまま、バケツの底に穴が開いたような菅内閣をつづけていても、問題は解決しない。
菅内閣が迷走しているのは、自分たちの旗を見失っているからだ。ここは、政権交代を実現させた原点に戻るしかない。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「国民が民主党に政権を託したのは、自民党とは違う政治をやってくれるはずと期待したからです。少なくとも鳩山内閣までは、やり方は稚拙だったが、脱官僚を進め、日米同盟を見直すなど国民の期待に応えようとしていた。ところが、『脱小沢』を掲げた菅・仙谷コンビは、権力を握った途端、官僚に頼り、米国に追従するなど、自民党と同じことをやっている。これでは国民が失望するのも当たり前です。菅首相は民主党の原点に返るためにも、もう一度『国民生活が第一』という民主党の理念をつくった小沢一郎と鳩山由紀夫に協力を仰ぐべきです。好き嫌いはあるだろうが、小沢一郎には国家ビジョンがある。小沢一郎を民主党の中枢につければ、菅内閣はやるべきことが見えてくるはずです。柳田法相の問題も、あっと言う間に処理してしまうのではないか。政権を立て直すには、それしかありません」
民主党が国民の支持を取り戻すために残された時間はほとんどない。強いリーダーシップを持つ小沢一郎を排除し、判断ミスを重ねている菅・仙谷コンビで突っ走っても、さらに政権の弱体化を進めるだけだ。





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