小沢一郎の「宣戦布告」

(日刊ゲンダイ2010/10/7)

「離党」も「議員辞職」もしない

─きょう決意表明
きょう(7日)、小沢一郎元代表が、検察審査会の強制起訴議決を受けて以来初めて、公の場で自らの考えを表明する。一部で上がっている「離党」や「議員辞職」には応じず、小沢は正々堂々と裁判に臨み無実を勝ち取る方針。小沢の決意表明は、反小沢包囲網に対する事実上の“宣戦布告”になる。
小沢が会見に応じたのは衆議院の議員会館の会議室。40-50人の報道字が集まった。小沢はまず「国民のみなさんに大変なご心配をおかけしていることをお詫び申し上げます」と陳謝。しかし
「政治活動は私が必要とされる限り、続けて参ります」と述べ、離党や議員辞職を否定した。
「代表選の時も申し上げた通り、逃げも隠れもしません。その姿勢、気持ちは今も変わっておりません」とも。
菅政権―岡田党執行部は、そんな小沢への対応に苦慮している。きのうの代表質問で、菅は小沢の証人喚問について「本人が自ら判断され、対応することが望ましい」と答弁。小沢の処分についても「幹事長の方で検討していると聞いている」と逃げた。小沢に突きつけられた議決は、「起訴」とはいえ、99%が有罪になる検察の起訴ではない。シロウト判断の検察審査会の決定は、「裁判の場で白黒ハッキリさせろ」というもので、小沢が無罪になる確率は高いのだ。小沢グループからは「離党や議員辞職は時期尚早」の声が上がっているし、小沢グループではない羽田雄一郎参院国対委員長もきのう、「検察の調べで2回、不起訴が出ている案件で、無罪になる公算が大きい。処分は必要ないと思っている」と強調した。
「小沢さんが離党するなら、少なくとも20人、ヘタしたら50人が一緒に付いていく。ねじれ国会の不安定な政権運営を強いられている菅首相にとって、党のゴタゴタは困るから、執行部は離党勧告なんて出せない。小沢さんは逃げない。これからも今まで通り、しっかり自分の主張をしていく。裁判では自らの身をもって、司法制度のおかしさを問題提起するはずです」(小沢系の中堅議員)
小沢の闘争心に火が付いた。