「脱小沢」貫徹で小沢グループは反発、反転攻勢で党内はグチャグチャになる

(日刊ゲンダイ2010/9/17)


「人事は総理の専権事項なので、大いにやってください」――。わずか9分間に終わった菅との会談でも、小沢一郎は余裕だった。まずは、お手並み拝見。「脱小沢」派の岡田幹事長起用も織り込み済みなのだろう。
「むしろ、菅政権が再び脱小沢路線を貫く姿勢を鮮明にしたことで、小沢サイドは反転攻勢を仕掛けやすくなりました」と、政治評論家の浅川博忠氏は、こう分析する。
「早晩、菅内閣が立ち往生するのは火を見るよりも明らかです。次の出番を待つ小沢氏にすれば、菅内閣が死に体化していくのを黙って見ていればいい。ねじれ国会と、小沢支持派200議員の巨大な党内野党。内憂外患に苦しむ菅政権に対し、小沢氏はあらゆる攻撃を自由に仕掛けることが可能です。いざとなれば党を割って政界再編という最後の切り札も残っています。そのためには、代表選で集めた200人の勢力温存に集中したい。小沢氏自身が下手に副総理や代表代行の座に封じ込められたり、身内の議員が党の要職に“一本釣り”された方が都合が悪い。フリーハンドの立場を維持した方がガ然、戦いやすいのです」
菅・仙谷一派は小沢憎しの感情で突っ走り、断られることを承知の上で「挙党一致」のアリバイづくりに小沢に代表代行を打診した。これも稚拙だ。反発を買っただけである。その結果、逆に小沢を有利なポジションに立たせているのだから世話はない。最後は小沢派の反撃で党内はグチャグチャになる。