政権は年末までに頓挫 来春解散 笑止千万、民主412人内閣の虚妄
(日刊ゲンダイ2010/9/16)
このままでは終わらない 再選/菅政権はたちまち立ち往生する

最悪の選択をした民主党だが、確実に見えているのはこの国の政治経済はますます混乱すること
たった3カ月の短命政権になるところが、クビの皮一枚つながった菅政権はきょう(16日)にも党三役人事を断行、明日には内閣改造を行うとみられる。
「人事で目くらまし」「スタートダッシュ」の腹づもりだろうが、この政権に未来はない。小手先のゴマカシで、どこまで持つか。せいぜい年内……そんな政権なのである。
菅直人という首相の薄っぺらさは、代表選の演説を聴いただけでもよく分かった。所属国会議員412人の前職を延々、読み上げ、「多種多彩な人材の活用」を訴えていたが、小学校の教師みたいだ。
追い詰められた菅は投票前、バタバタと議員会館を回り、「412人内閣をつくるんだ」と挙党一致をアピールした。
街頭演説では「1億2000万人、国民のチームプレーを」と力んだ。
政治とは利害のぶつかり合いの調整だ。時には悪役になる。国民の半分は敵に回す。
一国のリーダーには、こうした覚悟が問われているのに、八方美人の「ええかっこしい」をするのである。
412人内閣なんて、笑止だ。選挙のための方便で、レベルが低い大ボラなのに真顔で言う。それもイラ菅の異名を持ち、ちょっと気に入らないことがあると周囲に当たり散らしていた男が、である。「協調」とはもっとも無縁な男が菅ではないか。
ジャーナリストの溝口敦氏は菅の笑顔を見ていると、「へどが出る」と言っていたが、本当だ。この臆面のなさが権力亡者、菅の正体なのである。


◇人事のウソは100倍になって返ってくる
「すでにポストの空手形を乱発している菅首相は、どういう人事をするんだろうね、とみられています。7人の閣僚が代表選で推薦人に名を連ねた菅陣営は当然、彼らを交代させにくい。
小沢支持を打ち出したのは山田農相と原口総務相ぐらいだから、落選した千葉法相を加えて、空きポストは3つくらいしかないのです。それに対し、菅支持の小宮山洋子、岡崎トミ子、選対委員長の鉢呂吉雄、旧民社の田中慶秋など、当然、入閣する気でいる。政務官や副大臣が菅支持に回ったのも留任が前提です。どうやって400人内閣をつくるのか、見ものですよ」(民主党関係者)
早晩、菅の口先男ぶりが露呈する。人事の恨みは100倍になって返ってくる。
まして、菅には理念がない。政策もない。「人事」の空手形だけで、支持者をつなぎとめたのだ。だまされた方もバカだが、「ウソ」がばれれば、クモの子を散らすようになっていく。その瞬間、この政権はアウトだ。