菅首相 姑息な多数派工作 ポスト匂わせ支持訴える

(日刊ゲンダイ2010/9/4)
陣営は謀略情報で撹乱

─菅首相がアワを吹いて焦り出した。国会議員票は、まだ態度を決めていない1年生議員が草刈り場。多数派工作は熾烈を極め、菅はついにポストをにおわせる“禁じ手”まで使い始めた。菅陣営の議員たちも、小沢についてのネガティブ話を記者に流して、情報操作を仕掛けている。政策論争で菅は小沢に「完敗」だから、姑息な手段に出るしかないのだ。
「君は観光関係を一生懸命やってきたから、そういう仕事をやってもらおうと考えています」
これ、菅が1年生議員の携帯電話に残したメッセージだ。「ボクが首相に再選されたら、観光担当の政務官でもやってもらおうか」とでも言いたげな誘い文句。電話を受けた議員は、首相本人がこんな露骨なメッセージをわざわざ残したことに、ひどく驚いたという。
公務の合間なのか公務そっちのけなのか知らないが、菅は自分で150人もの1年生議員一人一人に電話をかけまくっている。そして支持を訴えると同時に、「小沢さんから人事で妥協しろと要求されたが、断った」と、相手をおとしめるようなことも言う。そのくせ、代表選後のポストをにおわせ票稼ぎとは……。品性が疑われる。
菅選対は、情報操作もエスカレートさせている。週末のテレビ番組出演をめぐって、菅陣営からこんな情報が流された。
「こっちはテレビ討論OKなのに、小沢さんが逃げ回っている」
ところが、調べてみると、日曜のフジテレビ「報道2001」に菅と小沢が出演することが分かった。しかも、小沢サイドは木曜夕方にOKの連絡を入れている。菅サイドは公務日程の調整もあり、返事が遅れたものの金曜午前までにはOKを出した。つまり、両者とも出演するのに、「小沢=テレビ嫌い」のイメージをわざと吹聴しているのだ。
「菅さんたちは、情報操作が得意ですからねえ。参院選前、菅さんが『小沢さんが会ってくれない』と発言していたころ、某新聞が、菅さんの周辺の話として『小沢さんに会わせて欲しいと細川護煕元首相に頼んだ』と書いたのですが、これが全くのウソだった。細川元首相が平野貞夫元参院議員に『私は頼まれていない』と電話してきた。細川さんは新聞社にも抗議したそうです」(永田町事情通)
菅は汚い手ばかり使ってないで、正々堂々と勝負したらどうか。