【公開討論会・詳報】(5)菅氏「小沢さんの政治のあり方は『お金と数の原理』が色濃くある」
http://bit.ly/954THu

【締めくくり発言】

 菅氏「まあ、政権担当から3カ月、この間にサミットに出掛け、11月にはAPECを迎えることになっています。私にとっては財務大臣時代から外交の場での議論させていただきまして、幸い多くの首脳と理解が深まる関係をつくることができました。そういう中では、昨日もサパテロ・スペイン首相ともお話を致しましたけれども、あの方も、もう4、5年は首相をやっておられますけれども、もう、日本の首相の名前なかなか覚えられないとの趣旨のことを言われまして、大変これは私個人のことというよりも、恥ずかしい思いを致しました。そういった意味で、まだ3カ月といえば、もう十分だといわれる方もあるかもしれませんが、まだ、3カ月でありますので、ぜひですね、この立場で、しっかりした行政を継続させていただきたい。その上で、まだ、判断するときは当然、国民皆さん等の皆さんに判断をいただくことが、当然あるわけでございますので、どうか、そういう観点からも、私も全力を挙げて、国内の問題だけでなく、国際的な問題にも力を尽くして参りたいということを最後に申し上げさせていただきます」

 小沢氏「私が、一番申し上げたいのは、やはり、国民の代表である政治家が、官僚任せではなくて、政策決定、予算編成、それも政治家自身の責任と決断によって行う。これの政治を実現するということが、国民のわれわれに対する期待だったと思います。今の状況を見ると、従来の予算編成と変わらぬような状態でありまして、その点について、私は非常に心配しておりまして、それが、言いたい第一であります。それから、個別の話としては、今、経済の問題が深刻です。ですから、経済の再生、景気対策ということに、まずは当面全力をあげるべきだと思っております。それから、それと関連しますけれども、国民生活がいろんな所得の格差、雇用の格差、地域の格差、いろんな問題が自民党政権下の中で、非常に大きくなりました。ひずみ、ゆがみが出てきております。この問題をさっき言った、地方への税財源、財源と権限の交付とか、いろんな形、セーフティーネットをつくるとか、いろんな形でやっていかなくてはならない、そのように思っております。その中で特にまた、地域の疲弊が著しいので、地域経済ということの振興ということが日本経済全体の振興に結びつくのではないかとそう思っております。きょうのテーマにちょっとならなかったんですが、行政あるいは政治改革の問題であります。私は、国家公務員の天下りは全面的に禁止すべきだと思っております。また、独法や特殊法人等々も原則廃止、あるいは民営化すべきだと思っております。また、外交については、日米同盟を主軸としながら近隣諸国との関係を深めていきたいと思っております。また、新しい公共という鳩山総理が打ち出したこの考え方も、継承してまいりたい、そう思っております」

【挙党態勢】

 --最初は総論的なことを聞きたい。確認しておかなければいけないことがある。今度の代表選に出るか出ないかということで、挙党一致、挙党態勢、トロイカ態勢といろんな言葉が出たが、これは誰が考えても、小沢氏が要職に就くということ以外に考えられない。何のポストを要求したのか、どのポストなら挙党態勢になると考えていたのか

 小沢氏「メディアの方はすぐにポストの話をなさいますけれども、菅総理もブリーフでお話ししたとおり、ポストの話は一切出ておりません。また、挙党態勢というのは、この選挙の結果はどうであれ、お互いにがんばりましょうということで、菅総理とも会談で最後に話を、握手をして別れました。ですから、このことは、この選挙の結果であれ、何であれ、私は挙党態勢ちゅうのは、当然のことだと思っております」

 --それなら、何でそれほど迷走したのか。

 小沢氏「あん?」

 --どうして迷走したのかが、不思議に思われるが

 小沢氏「私どもは、迷走しておりません。あのー、話し合いをしたいと、また、俗にトロイカとか、トロイカ・プラス1とか、いう形で話し合いをしたいというふうに、私自身もそういうふうに思っておりました。で、鳩山前総理が非常に骨を折っていただきまして、挙党態勢をつくりあげるために、話し合いをしようということで、菅総理もいったんご了承いただいたやに聞いておりますけれども、やはり、それは、密室の談合のようになるという菅総理の方のお話から、その話し合いちゅうのは、できずに終わったということでございます」

 --もう一つ確認しておかなければいけないが、小沢氏が代表に選ばれても、総理は他の人がやるのではないかという、総理と代表を分離するのではないかという人もいる、見方もある。

小沢氏「ああ、そうですか」

 --そういうことは絶対ないと、ここで言い切れるか

 小沢氏「それは私個人レベルの話ではなくて、議院内閣制ですから、議院内閣制では、最大与党の党首が内閣を、総理大臣を務めるというのは当たり前のことでありまして、自民党時代も総総分離なんて言う話ありましたけど、それはもってのほかだと思ってます。ですから、私も思い悩んで、この代表選にあたっては、それで最終決断したということでございます」

 --菅氏に聞きたい。先ほどの、ポストの問題、トロイカというには、3頭立てなんだから、それぞれが重要ポストに就かなければトロイカでもなんでもない。その点についてどう思うか。昨日の会見で、古い政治からの脱却と、要するに小沢氏が出てくることは古い政治なんだから、それはいけないこと、ふさわしくないという意味なのか

 菅氏「まず、あのー、挙党態勢という言葉がいろいろに言われていますが、私は一貫して言っておりました、適材適所で全員が参加できる、そういう態勢と。そういう意味で、挙党態勢を私は一度もそれを拒否したことはありません。鳩山前総理の方から、トロイカ・プラス1というお話もありまして、つまりは過去の経緯も含めて、その3人、4人が協力してやってきたんだから、これからも協力してやっていこうと、そういう精神的な確認をしたいということでありましたので、それなら喜んで、私、選挙終わってから、小沢さんにお会いしたいといっても会えませんでしたので、いい機会でもありますので、お会いしたいということで、お会いしたわけです。ですから、私が感じたのはですね、小沢さんは、やはり、これまでの民主党の場合も、小沢さんが重要な役割を占められた他の政党の場合も、実質的な最高権力者である形がほとんどでありますので、私としては、いろんな周辺的なことも考えますと、実質的な最高権力者ということについて、了解をしろということで、もしあったとすれば、それはそんなことを密室で決めることはできませんということで、お断りをしました。そういう意味で密室でやることはお断りしました。お会いすることは、私もお願いをしたわけです」

「それから、古い政治という言い方は、私は2つあると思っております。一つはやはり、お金の問題です。私が初出馬をしたのは、ロッキード選挙といわれた選挙で、金がなければ政治ができないといわれたものを変えなきゃいけないと思ったことが最初です。それから、もう一つはやはり、数の力というもの、もちろん民主主義は最終的に、多数決で決めることは当然かもしれませんが、それまでに、まさにいろいろ話し合う、政策でもって話し合うというプロセスがあることが重要だと思っております。私は金と数ということを、あまりにも重視する政治こそが古い政治だと。そうではなくて、お金がなくても、志と努力と能力のある人はどんどん国会議員にも、政治にも参加できると。そして、数の前に中身の議論をしっかりすると。その中で合意形成ができてくると、そういう政治こそが新しい政治で、今、日本に必要となっている政治は、その新しい政治だと、こう思ってます」

 --それは、小沢氏に体現されているということか

 菅氏「小沢さんの政治のあり方は、どちらかといえばですね、やはり、まあ、資金的な強さ、あるいは仲間の数の多さ、そういう『お金と数の原理』が色濃くあるというのは、これは私だけが感じていることではないんではないでしょうか」

【政治とカネ】

 --小沢氏に対して、国民が非常に関心のあるのは、「政治とカネ」だ。世論調査をやると、小沢氏が十分に説明していないという人が8、9割いる。昨日の会見でも小沢氏は、自分は十分に説明したが、国民は思っていない。ということは、マスコミが悪いのか、国民が悪いのか、どっちなのか。そこは謙虚に受け止めなければならないのではないか

 小沢氏「僕も、そう思ってます。どっちが悪いとかって言っておりません。それは謙虚に受け止めております。ただ、調査つっても、いろいろな調査がございまして、私のことについて、支持をしてくれている調査も大変多くありますので、そういったいろいろな新聞、テレビの調査だけで、ありません。今、いろんなコンピューター・ネットワークの時代ですから、そういうものを通じた調査もありますし、いろんな調査の結果を、それが国民の声として謙虚に受け止めたいと思っております」

--最も影響力のある人はノブレス・オブリージュというが、高いポストにある人は、誰よりも説明する責任がある。その説明責任を果たしていないと思う人が多くいるということは、謙虚に受け止めなければいけないことではないのか

 小沢氏「ですから、繰り返します。謙虚に受け止めております。それで、機会がある度に、メディアの前でも、私は何度も何度も説明をしております。それから、もう一つは、同じような政治とカネの問題で、いろいろとメディアで報道された方々があります。最近もあります。しかし、私は、一度、問題になったときに事務所の経費、これもすべて公開いたしました。記者さんたちが来て、全部、領収書から何から全部閲覧していったと思います。今まで、法律上、公開する必要のない事務所費を公開したのは、なぜか私一人でございます。クリーンというならば、全員、みんなそれを公開すべきではないだろうかというふうに思っておりますし、私自身、検察の、事務所が捜査を受けました。秘書やその他の皆さんにも大変ご迷惑をかけましたけれども、1年有余の捜査の結果も、実質的な不正な犯罪事実は何らないということが、むしろ結果として証明されたものと思っておりますんで、そういう意味では大変、厳しい、きつい辛い1年だったですけれども、結果的にそういうことが、明らかになったことで、今としては、まあまあ迷惑かけたけど、よかったなと思っております」


【公開討論会・詳報】(6)小沢氏「(訴追の首相同意)私は逃げません」
http://bit.ly/b4V4i8

【政治とカネ】

 --政治とカネの問題にいかざるをえない。小沢さんご覚悟下さい。一番、現実的に起こりそうな問題から。検察審査会の問題で近く2度目の議決が近く出ると制度的に強制起訴となり、首相の同意が必要になるが、小沢さんが首相になった場合、同意するか不同意か

 小沢氏「まだ代表選が始まったばかりで、選挙に勝つかどうか、首相になるかどうかも全く分からない中でのご質問で、答えようがありませんけれども、私は今、申し上げましたように1年有余の強制捜査、私自身も捜査に協力を致しました。その中で実質的な不正、犯罪というのはなかったということで、結論を得ておりますので、審査会の皆さんもそのことをよく理解してくれるものと信じております」

 --この問題をなぜ聞くかというと現実的にあり得ることで、日本の政治にとり停滞を招きかねない話で、事前に明確な意思を確認しておきたい。例えば、鳩山さんならかつて国会で「自分がそうなれば逃げない」と起訴に同意すると明確に言っているし、小沢陣営の1人の海江田さんも「小沢さんは明確に同意する旨、言った方がよい」と言っている。もう少しはっきり言ってほしい

小沢氏「今、鳩山さんの言葉を引用してお話になりました。私も逃げません」

 --政治とカネの問題のつづきだ。検察審査会と別に、小沢さんの場合は3人の秘書経験者が逮捕され立件され公判が始まろうとしている。公設秘書もいるが、彼ら自身の政治資金を集めたのではなくて小沢さんの政治資金について起訴立件されたわけだ。虚偽記載額は計算にもよるが、18億に上るわけだが、分身でもある秘書が立件起訴されて公判が始まっている捜査は公平公正と考えているか、適正だったと考えているか管理責任についてはどう考えるか

 小沢氏「あの、捜査は本来、公正に行われているものだと思っております。従いまして私が捜査についてとやかく言うつもりはありません。そう信じております。ただ、今お話のとおり、虚偽記載というものが何か実質的に犯罪を隠蔽(いんぺい)するためとか何とかということでなされたものでは決してないわけですね、これは捜査の結果分かっているわけであります。ですから、その意味で、報告の形式、手続きに間違いがあったのではないかという意味で、責任を問われているわけであります。私もその責任を問われるということ自体について私自身も責任を感じておりますけれども、先ほどから申し上げております通り、強制捜査で国家権力によって強制捜査を1年有余やって不正な実質的な犯罪の事実はなかったということで検察当局から2度の不起訴の結論が出たわけでありますので、あとは報告書の事実関係あるいは認識の問題等についてのことだと思っております。ですから私はその意味では、事実上、何の1点のやましいこともありません。ただ、秘書がそのような嫌疑をかけられて、そのようなことになったことについては私の不徳のいたすところ、責任であるということを否定するつもりはありません」

--国会との関係で、小沢さんも、かつて自民党の幹事長などを務めて疑惑があれば中曽根(元)首相、故竹下(元)首相ら含めて国会の予算委員会で証人喚問に応じることをやってきたが、小沢さんの場合、鳩山さんも含めて国会での証人喚問や政治倫理審査会で釈明など行われていない。いかが考えるか

 小沢氏「全然、別個の問題で、あなたもご記憶かと思うけど、証人喚問で証人に応じたこともございます。ですから、証人や政治倫理審査会で申し述べることについて私、何も躊躇(ちゅうちょ)しておりません。ただ、国会は、あるいは政治倫理審査会も強制捜査権があるわけではありません。特に、政治倫理審査会は疑惑をかけられた場合に、その疑惑を趣旨弁明する機会として政治倫理審査会も私が議運委員長の時に手がけたものでございます。ですから、その趣旨についても十分に知っております。ただ、私はそのことを忌避しているわけではありませんけれども、それ以上の、国会での証言や政治倫理審査会以上の、強制的な捜査を全部受けてそれで何の不正もないということでありますので、そのことで国民皆さんにご理解を頂きたいと思います」

 --国会との関係で菅さんにうかがう。首相として国会での証人喚問うんぬんは発言しにくいと思うが、今回は代表選だ。小沢さん、鳩山さんのような疑惑が生じた場合、政治家として国会で説明する責任があると思うか

菅氏「私は先の国会でも野党から、そういう質問を頂きまして、幹事長を辞するという形でけじめをつけられたと、そういう風に申し上げてきました。今回、改めて代表選に小沢さんが立候補されましたので、そういう意味ではですね、より国民の皆さんが納得できる形での説明はされなければならないと思っております。国会での手続きは、まさに国会でお決め頂くことですから、そういう国民の皆さんのいわば常識というものが国会においてもきちっと受け入れられなければならないだろうと思っています」

 --小沢さん、口では「検察の公正な捜査」と言っているが、どうも口ぶりだけ聞くと「何でオレだけがこんなにやられるんだ、もっと公平にやってくれ」と聞こえる発言だ。過去を振り返っても田中角栄さんや金丸信さんにしても小沢さんの系脈につながる一番、数を集めて、お金を使う組織が捜査対象になっていることについて宿命論を感じているのか

 小沢氏「田中先生、金丸先生、私にとりましては政治の指導者であり、大変私は敬意を表し、尊敬をしております。ただ、政治家としてそれぞれの人間ですから、考え方の相違やいろいろなものがあるのは当然でございます。私は田中先生も金丸先生も、こよなく好きですし、尊敬しておりますけれども、それを、そのまま継承する部分とそうでない部分は当然あるわけでございまして、継承すべきではない点は反面教師として、これは政治資金の問題だけじゃなくて政治思想、政治哲学の問題でございますが、そういうものは自分自身のものとして貫いているつもりでございます」


【公開討論会・詳報】(7)小沢氏「高速道路、都道府県につくらせる」
http://bit.ly/b5PjUF

【政治とカネ】

 --これまではいつもカネの集め方が問われていた。しかし政治はカネがかかるのが実態だ。こういうことにカネがかかるんだと具体的な事例は別にして、訴えられたらどうか。その辺がまったく見えてこない

 小沢氏「いや、全部、報告書を見れば書いてあるはずなんですけど。誰でも政治資金報告書は閲覧できますから、今度11月ですか。たぶん公表になりますよね。どうぞ、ごらんになってください。私は隠し立て何もしておりません。それから、あのー、こういうことが起きると法務大臣うんぬんというお話があったけれども、そんなことはまったく考えておりませんし、それは公正に行われたものと思っております」

【円高対策】

 --菅首相は1に雇用、2に雇用、3に雇用と言っている。雇用を作り、維持するのは一義的には企業だと思う。経済産業省の調査で日本の製造業の4割が1ドル=85円の水準が続けば工場を海外に移すと言っている。代表選のゴタゴタがあったせいか、政府・日銀の対応が遅い、無策であるという批判が多かったが、どう考えるか

 菅氏「今回の急激な円高の背景には、アメリカ経済が期待されたほどの回復にいたっていないという、(米連邦準備制度理事会議長の)バーナンキさんなんかの自らの発言もあって、ある意味ドル安という形で円高になってきている。それに対して、日銀と政府で協議をいろんな形で実はしてまいりまして、この30日に日銀もさらなる資金供給を決められ、政府としてもより活用の経済対策を決めて、実行に移す段階になっております。そういう意味で時間が早い、遅いということで言いますと、少なくとも円高に対する危機感というものは、かなり早い段階から持っておりました。それに効果的にどういう形が対応できるのか。やはり日銀との共同歩調、そういったことも念頭に置いて、まずこうした対策を打ち出したと。こういうことです」

 --これからもさらに円高が続いたり、株価も9千円を割る水準できていたが、そうした場合、日銀にばかり政策を追加的に求めるわけにもいかない。政府としての対応は

菅氏「まさにそのことをですね、今申し上げたつもりなんです。どういうことかといいますと、円高という問題と、もう1つ根っこにはデフレという問題があります。デフレはもちろん、需給ギャップから来ておりますが、1つには雇用が弱いとですね、どうしても賃金が上がりませんので、デフレ状況からなかなか脱却できません。そういった意味で、雇用を生み出すということは、そういった意味からもデフレ脱却に近づくことになりますし、デフレが脱却されれば、財政の面でもですね、かなりプラスになりますし、逆に金融政策も効いてくるわけであります。先ほど海外への移転という言葉を私も非常に危機感を持っております。そういった意味も含めてですね、このような経済成長と財政再建と社会保障という、3つの歯車を好循環で前に向けて進めていく上で、私は雇用にまず力を徹底的に入れる。来年度予算も雇用拡大につながるものには優先的に予算をつける。制度改革もですね、たとえば、中国からのビザを緩和したのも、たくさんのお客さんが来てくれれば国内雇用が増えるわけですから、そういうことも含めて規制緩和もですね、雇用を拡大し、そこから経済の立て直しをしていくと。そういうことを最優先で政策を進めることがこの状況を打開していく上での大きな道だと。それを進めて、今、いる真っ最中です」

 --雇用を拡大するのは企業そのものだと申し上げたが、今、海外に出ようかどうか逡巡(しゅんじゅん)している企業をサポートする必要はないか

 菅氏「雇用は、そういう製造業のような企業と、実は、介護や保育といった、そういう分野にもかなり潜在的な雇用の機会があります。今、中小企業は、求人倍率は0.4ぐらいです。大企業は0.5ぐらいです。そういった意味では、私たちは先ほど、北九州を見たところもですね、できるだけ低炭素という概念でくくっておりますが、国内で新たな投資をしていただけるところについての支援もいたしております。それから特に私、経済界のみなさんに申し上げているのは、約200兆円近いお金を、経済界、大企業のみなさんは、いろんなところに保有されております。今の段階では国内で投資するよりも、お金のままで持っていたい。実は設備の更新時期がかつては7年ぐらいの平均のところがですね、今14年ぐらいになっているんです。ですから、そういう企業のみなさんにもお金がないわけではないんですから、国内で思い切って新たな分野に、それこそ脱炭素社会といった分野にですね、どんどん投資をして、やってもらいたいと。こういうことを申し上げております。また、介護や保育の分野は、潜在需要がたくさんあります。これは介護保険制度、お年寄りが独りで住む方が大変増えておりますので、そういうみなさんが施設に入らないでも独りで住み続けることができるような、そういうサービスのために力を入れていく。すべてが雇用拡大につながる道でありまして、そういう中から先ほど申し上げた経済再生につなげていきたいと思っています」

--小沢氏にうかがう。きのう出された政見メモの中に、円高対策として為替介入に言及している。どういった場合に為替介入すると考えるか

 小沢氏「まずは先ほど中小企業の話をなさいましたけど、さっきも申し上げましたように、日本経済の体質を基本的に内需型の、内需でもって最低の成長を維持していけるという体質に変えていく必要があると思います。そうでないともう、外国が、アメリカや中国が…。一喜一憂して、そのたびにいろんな、雇用やいろんな問題に影響を及ぼすということになると思いますので。まず第1点、そう思います。それから、円の評価が上がること自体は、長期的に見て悪いことではないと思います。ただ、急激な円高というのは、それはもう、弱いものにしわ寄せが来ますから、大企業より中小零細企業のほうに来るわけでございますし、また、社員の雇用にも影響してきます。ですから、そういう意味では、急激な円高は何とかして止めなきゃならないと思いますが、日銀の単なる金融政策だけで、それを、円高なんなりをする。金融政策だけでの余地というのは非常に狭まっているんじゃないかと思います。それから市場介入と言っても、日本1人では、協調介入ということなら別ですけれども、日本だけで、世界が円高を容認しているっちゅう中では、それはなかなか効果は上がりませんけれども、しかし、それぐらいの覚悟で今、やるべき急激な速度での円高じゃないかと思います。で、また、市場介入つっても、それ以外にもですね、たとえば海外の資源への投資を大幅にするとか、いろいろな形での、単なる円売りというだけの話じゃない。いろんな形での円高阻止の方策というのはあるんじゃないかと。私はそう思っておりますので、その意味で、市場介入っちゅうのを枕詞(まくらことば)に起きましたけども、あらゆる形でやるべきではないかと、そう思っているっちゅうことです」

【財源】

 --マニフェストの位置付けと財源の問題についてうかがいたい。昨年の予算編成では事業仕分けで捻出(ねんしゅつ)されたのはざっと7千億円。公益法人の基金の取り崩し、土地改良区の予算の削減などがあって、2兆円ほどの新規財源が生まれた。当初7兆円の埋蔵金を発掘すると言っていたのに比べて財源は乏しかった。新規財源を見いだすというのは昨年の予算編成で勝負があったのではないかという見方がある。これに対して小沢さんの政見メモで、地方へのひも付きの補助金を一括交付金にすれば、これを5割ぐらい減らしても大丈夫だという地方があると市長さん、おっしゃっているという話があったが、果たして財源が生まれるのか

 小沢氏「私は昨年の予算編成にも、今年の今までの予算編成にも携わっておりませんですので、そういう立場での発言はできませんけれども、私一個人としての考え方から言えば、いわゆる義務的経費、22年度の予算の中でも、義務的経費と人件費を除いたいわゆる裁量的経費、政策経費とも呼ばれますけれども、これがほぼ20兆円弱あります。それからさっきも申し上げましたが、介護や国保(国民健康保険)やその他でもって、地方に交付しているお金が12、13兆円あります。すなわち30兆円以上の政策的な経費があるということであります。これを全部、別に半分にしろといっているわけではありません。ものすごくわかりやすくいえば、旧建設省、国交省の関係でいいますと、公共事業費だけで5兆円あります。それに地方財源といわれている消費税の2兆何千億っちゅうのは、地方財源とは名ばかりで、3千億は市町村のいわゆる自主的な財源になっていますけれども、あとの部分は全部直轄の裏負担として取り上げちゃってるんです。ですから、全然これ、地方で自由に使えないお金なんですよ。ですから、そういうのを加えると、さらに大きくなります。農林省でも6千億以上の公共事業だけでもあります。そして、私は半分にしていいと言っている人も親しい中にはいると言いますが、言っていましたが、民主党の調査、かつてやったときも、首長さんたちは自由に使えるお金をもらえるんならば、今の補助金のトータルの7割で、今以上の仕事を十分やれるという答えが出ております。で、また私の親しい首長は本当に自由に使えるんなら、半分でも今以上にいい行政ができると言っています」

【地方主権】

 --そのときに地方に落ちる総額が減ることになる。いくら国についているものを地方に移しても、移す分が減

 小沢「ですから余るっちゅうことですよ。予算がそこから捻出できるっちゅうことですよ。財源が。地方に落ちるカネは、表面上は減りますけれども、実質的には増えるっちゅうことです。そして私は、たとえば高速道路も都道府県で作れるようにしようというのをこのメモで提案をいたしております。中央でもって全部やれば、結局大手の企業が全部受注して、そのお金は全部中央に集まります。ですから、地方では全然お金が回らないんですよ。だからそれを都道府県で、私は高速道路もつくらせる仕組みをやったらどうかと。そして、それを国が支援すると。私は無利子国債で補填(ほてん)するという気持ちで、考えでいますけど、そうすれば地方に実質的に回るお金っちゅうのは非常に増えるんですよ。ですから…」

 --東京の会社に入るんじゃなくて、地方の会社に売り上げがたつということをおっしゃっているんですね


【公開討論会・詳報】(8)小沢氏、普天間移設代替案「案があるとは言っていませんですよ、僕は」
http://bit.ly/bZmLpc

【消費税】

 --小沢氏は消費税の議論を凍結するか、衆院議員の任期満了までの間に議論はするのか

 小沢氏「消費税を含む、私は所得税、住民税の大幅な減税も、また、簡素化、減税ということも頭の中に考えておりますけれども、その税制全般の議論、消費税を含む議論は、それはそれでしていることは構わないと思います。ただ、鳩山(前)総理も言ったように、この4年間は上げないと。まず行政の無駄を省くと。そこから財源を捻出(ねんしゅつ)するということで国民のみなさんに訴えたわけだから、私はその作業を積極的に進めるべきだと思います」

 --菅氏は参院選前に社会保障と税制の一体的議論を野党に呼びかけたいと述べたが、政府内・党内の議論を含めどういうスケジュールで進めるか

 菅氏「この参議院(選挙)が終わった中で、消費税を含む税制について与党、まあ民主党の中に政調を復活させましたので、そこで合わせて政府税調と並んで、党の政調の中でも議論をいただくということで今、進めております。今、代表選の真っ最中ですが、今後、少し、そういった問題が落ち着いてきたらですね、与党の、失礼、野党の方のみなさんも、いろいろ円卓会議をあるいは提案されるという話も聞いております。そういったことも、民主党の税調の議論との関係の中で、そうした、まさに社会保障と税制全般を一体で議論するような場が、与党・野党の間でできることは望ましいことではないかと思っております。まだ、具体的にいつの時期というのは、わが党も今、代表選挙中ですし、野党のみなさんもまだいろんな執行部の体制が完全には固まっていませんので、次の臨時国会が始まる中で、そうした機運が進んでいくことが望ましいというふうに私は思っております」

【普天間移設問題】

 --米軍普天間飛行場の移設問題の日米合意を踏まえて米国、沖縄と話をするのか。日米合意の見直しはあり得るのか

 小沢氏「鳩山前総理が非常にご苦労されて、そして、本当に、国外、少なくとも県外という気持ちでもってご苦労されたわけですが、なかなかそれがうまくいかなくて、あの日米合意となったわけです。ですから、その鳩山前首相のご努力と、それから日米間という国同士の約束ということは尊重しなけりゃいけないと思っております。うーん、ただ、沖縄の県民のみなさがどうしても反対だということになりますと、進まないわけですね。合意は合意であっても。これ、強制的にやるなんてことは不可能ですから。ですから、そうすると、やはり沖縄の県民みなさんとも話ししなきゃいけないし、県民のみなさんの意向を踏まえて、またアメリカ政府とも話しなきゃいけないし、そん中でお互いに両方が納得できる良い知恵が出るように、もう1度努力するということは、決して悪いことじゃないじゃないでしょうか」

 --日米合意通り辺野古移設に移すよう沖縄を説得するというわけではないのか

 小沢氏「いや、説得とか何とかっていうことじゃなくて、現に鳩山内閣で日米合意がなされたと。この合意は重く受け止め尊重しなきゃいけないと。その合意を前提として、じゃあ、どうしたらお互い納得できるのか、ということを話し合わないと、合意、合意と言っても、それが前進しなきゃ何の意味もないわけでして、だから、その意味で、アメリカ政府もそりゃよく分かっていると思います、沖縄の県民の感情っていうのは。だから、その意味で、県民みなさんとも、アメリカ政府のみなさんとも、何か知恵ないかな、ということで話し合う余地はあるのではないかと思っております」

 --沖縄県民は県外移設じゃないと納得しないのではないか。昨日の小沢氏の「自分なりの案がある」という意味の発言は、県外と受け止められている

 小沢氏「案があるとは言っていませんですよ。僕は。今、説明した通りです」

 --「知恵」と言ったが

 小沢氏「いや、何か、方々が納得する、知恵というのは、もう、みんなで考えりゃあ、3人集まれば文殊の知恵、ということがあるじゃないですか」

--具体的なものがなくて、話し合いをしようということだけだったのか

 小沢氏「いや、だから、そうしなければ進展しないでしょ」

 --それは分かるが、そういうことだったのか

 小沢氏「そうです。今、具体的にこうするとか、ああするとか、という案を私、持っているわけではありません」

 --菅氏は日米合意に沿って沖縄の説得を進め、基地負担の軽減を図るということでいいのか

 菅氏「はい、あの、冒頭発言でも申し上げたように、この経緯は約1年間、鳩山(前)総理が苦労に苦労を重ねられた結果、改めて辺野古を中心とした地域への普天間の移転ということで合意されたわけであります。そのことが沖縄の県民のみなさんにとって、決して、まだまだ了解されるにほど遠い状況にあることはよく分かっておりますけれども、ただ、このことを何も決めないで混迷をするということは、もう許されない状況だということで、鳩山さんも合意をされて、ある意味でその責任も含めて辞任をされたんだと思うんです。ですから、私としては、そこから、それを原点として、その中で日米間のいくつかプロセスが固まっておりますが、8月末には実務者会議で一定の案を実務者レベルでのある種の幅のある合意でありますが、合意されましたが、ただ、それができて、合意があったからといって、すぐに何か工事が始まるとか、そういうことではないということも合わせて申し上げました」

「こういう、ある意味、沖縄との間での信頼関係もかなり難しい状況になっていましたので、まずは仲井間(弘多沖縄県)知事と話ができる環境をつくり、それはまあ、何とかできましたけれども、そして、沖縄のこの辺野古以外のですね、負担をできれば先行して軽減できる道はないかと。北部の演習場の移転問題、あるいは辺野古と関係、普天間と今は関係しておりますが、嘉手納以南の基地の問題、また、グアムの問題も、これはいろんな報道が出ておりますけれども、当初の移転の計画、非常に大きな移転でありますので、沖縄にとってはそれが進展することは、沖縄在住の海兵隊の兵員や家族が非常に減ります。半分近くに減るわけですから。そういうものは予定通りですね、進行すると。そうすれば、沖縄の負担軽減は普天間のもの以外でもかなり進むのでですね、そういう中で信頼感を積み重ねていく中でですね、いろいろな理解を得られないだろうかと。こんなことで努力を進めているところです」

【第7艦隊発言】

 --小沢氏は民主党代表時代、「今の時代は米国も部隊を前線に置く意味があまりない。軍事戦略的には第7艦隊で米国の極東のプレゼンスは十分だ」と述べたが、真意は

 小沢氏「はい。兵器の発達やら、軍事技術の発達によりまして、前線に大きな兵力をとどめておくという意味はないと。アメリカがそう考えたからこそ、沖縄の海兵隊もグアムに移転しているんじゃないですか。ですから、そういう意味で、緊急事態の時にすぐに展開するという作戦をアメリカは今、着々とつくっているわけですね。それで、できるだけ前線から兵力を引き上げるということは、そのことは、私はアメリカとして当然だし、私も当然だと思います。ただ、この極東、特に、おいては、アメリカの軍事的プレゼンスっていうのも大事であります。ですから、大きなその軍事力としては、海兵隊やその他がいなくなれば、第7艦隊っていうのが1番大きい存在になるわけでありまして、ですからこれは、最低、アメリカの軍事的プレゼンスとしてこの極東に残るということが必要だし、それで、きちんとした、それに代わる機能ができあがれば十分じゃないかと。そういうふうな意味で申し上げました」

 --その中長期的スパンはどれぐらいで考えているのか

 小沢氏「私は、あの、そんな10年、20年という話では思っておりません。そんなに年数をかける必要はないだろうと思っております。それからもう1つ、政策メモにも書きましたけれども、奄美・沖縄、これは日本国の領土であり、日本国の領海であります。ですから、われわれがきちんとそこを守っていくというのは当然のことでございまして、アメリカはその他の地域もにらんでの戦略ではございますけども、そういったわれわれの領土、われわれの領海は、きちんと自分たちで守っていくという意味での役割をきちんと分担して果たしていけば、それだけ米軍の役割も軽減しますし、そういうことも含めて、先ほどの発言を申し上げました」

【代表選の勝算】

 --代表選の勝算と戦略は

 菅氏「私は現職の総理大臣でありますので、総理大臣としてやらなければならないことは当然、一切、手を抜かないでやっていくと。遅れてはならないことは、迅速に進めていくと。その中で、仲間のみなさんが非常に大きな力を発揮していただいているわけであります。また、全国からも激励をたくさんいただいております。その、そういった姿勢で貫いていきたいと。こう考えております」

 小沢氏「あのー、負けると分かっていても、ここは戦わなきゃならないっていう場合も、それはありますけれども、選挙戦、戦いという文字を使いますので、戦いとすれば、それは勝利を目指してやるっていうのが普通の場合じゃないでしょうか。ただ、勝算があるかないか、それはまた別問題でございまして、最初の方にも申し上げました通り、結果がどうあれ、お互いに挙党一致、力を合わせてがんばろうということでして、もう、あまりみなさんが心配する必要はないんじゃないでしょうか。あの、オバマとクリントンの(米大統領選における民主党内の)戦いなんてのは、もう大変なもう、お互いに中傷非難合戦して、それでも済んだらちゃんと2人で仲良くやっているわけですから。そういった習慣っていうか、文化っていうか、それを日本人を持たなくちゃいけないと思っています」

【政権への意欲】

 --代表選で勝利した場合、小沢氏は長期政権をつくっていく心構えは

 小沢氏「私は同僚、若い国会議員にも、『投票箱のふたが開くまで、選挙後のことは言っちゃいかん。最後まで1票でもと努力をしろ』ということを言ってきております。私自身も。ですから、例えば、普通の私の選挙の時でも、マスコミのみなさんはすぐ『当確(当選確実)だから』、まだ票が開いてもいないのに『当確だからインタビューを』って言いますけれど、私は絶対、応じておりません。やはり、きちんと結果が出てからやるべきだと思ってます。それから、いろいろ、その、あまり日本人は短期的に、こう、心配しすぎるんじゃないでしょうかね。私はそう意味で、政治というものも、例えばドイツだって、あれ、連立つくるのに2カ月か3カ月かかったですよね。イタリアなんかもしょっちゅうでしょ。日本だと、もうちょっと1週間も置いたらわんわん、わんわんの騒ぎになりますが、私はより良いものをつくるための協議であれば、それはじっくり話し合って時間かけるという、これまた日本の文化、意識改革をした方がいいと思います」

 --菅氏も意思表示を

 菅氏「私自身ですか。まあ、私、今、現職ですので、再選させていただければそのまま少なくとも首班指名はなくて、総理を続けることができます。まあ、この大きな、小沢さんという巨大な政治家との選挙ですので、これを勝ち抜くことができれば、私は大きな力をですね、国民のみなさんからいただくことができますので、その力を精一杯、いいかたちで使って、強い指導性を持って内外の課題に積極果敢に取り組んでいきたいと。こう考えております」


【公開討論会・詳報】(9)完 小沢氏「総理の職責は健康的には十分やり抜ける」
http://bit.ly/aN75Ez

【小沢氏の健康問題】

 --小沢氏に聞きたい。健康問題はどうなのか

 小沢氏「健康?身体?」

 --はい。小沢氏の口からあまり聞いたことがない。総理大臣が激務ということはわれわれ以上に小沢氏がわかっている。外交日程、国会、そのために多くの人たちが病気になったりもしている。健康についてはどうか。国民が心配している。どういう病気でどういう手当をしているのか。本当に昼寝は毎日2時間必要なのか

 小沢氏「あのー、みなさんからいろいろと、厳しいご指摘いただいて、心臓がつまりそうでございますが、もともと心臓が弱いもんですから、その意味で十数年前、いや、もう20年近くなりますけども、心臓の病気をいたしました。しかしながらそれ以後、毎日節制を重ね、きちんとした日課でもって動いておりまして、今のところ、どのような職責についても、健康は大丈夫と思っております。ただ、年も年ですから、肉体労働はあまりできませんけれども、総理という職責は、みなさん以上に私十分知っておりますので、その意味で健康的には、脳ミソは別といたしまして、健康的には十分にやり抜けると思います」

【連立のあり方】

 --小沢氏は参院がこの状況では立ちゆかなるといった。連立の組み替えは想定しているのか

 小沢氏「ですから、そのこのとは今、選挙が始まったばっかりで、選挙後のことについて言うのは、非常に不謹慎だと僕はそういう信念をもっておりますので、もし仮に、当選させていただいた場合にはスカッと皆様に申し上げます」

--菅氏ではねじれ国会を乗り切ることはできない。だから小沢氏だ、ということだが、それはどういう形で乗り切るのか、国民に示し、説明する必要があるんではないか

 小沢氏「また説明責任ですか、ははは(笑)。はい、あのー、その点はそう思いますけどもやはり僕は本当に選挙の結果前に絶対インタビューに、今まで一度も応じたことはありませんし、選挙は有権者が最終的に選ぶことなので、結果が出てから言うべきだと思っております」

【解散・総選挙】

 --自民党政権時代、民主党は一貫して政権のたらい回しを批判をし、解散・総選挙を主張してきた。解散・総選挙はどうするのか

 小沢氏「うん、そういう意味の、私どもがたらい回しという言い方をしてきたことは事実だと思います。ただ、総選挙するのは、判断は内閣総理大臣ですから。私はまだ、一回のただのヒラ議員ですから、当選後に、もし当選したらそのことも含めて明確に皆様にお答えしたいと思います」

 菅氏「衆院の任期、まだ3年あります。私は再選をさせていただいた中では、この3年間というものを大事に考えて、しっかりと政権を担っていきたいと思います」

【国家戦略】

 --外国が日本を心配している。存在感がない。これから総理大臣になる人は大きな国家戦略をきちんと示す必要がある。「国民の生活第一」は当たり前だ 

 小沢氏「だから政権交代になったんですよ」

 --大きなスケールのある戦略をうかがいたい

 小沢氏「日本がアメリカを含め、外国からあまり相手にされない、今のお話、それは日本自身の自己主張、戦略と言い換えてもいいですけども、それがないからだと、私は思います。私はつたない経験ですが、2度3度と、日米交渉に行かされました。結果的にうまくみな成功しましたけども、やっぱりそれは1週間、10日と、朝から晩までお互いの議論をし合って結論まとめると。そういう中で、私は貴重な経験をしたと思ってますが、やはり、自分自身の、あるいは日本政府の考え方というものをきちんと言うべきではないかと思っております。特に日米ということになりますと、みなさんの関心は経済もそうですけども、安全保障にも向けられるんじゃないかと思いますが、私は日米同盟ちゅうものを安全保障の面でも基軸としてやっていくというのは当然のことと思います。うーん、日本の安全に直接かかわり合いのないこと、紛争等についてはアメリカと集団的自衛権を認めて、どこいへでもアメリカの応援に駆けつけるというのは憲法の理念に反すると。ですから、日本の安全にかかわること以外の、国際紛争については、私は国連を中心として日本は活動していくと。私はオバマ大統領もアメリカの今までの失敗にかんがみて、そういう考えになりつつあるんではないかと思っております。むしろ、アメリカは孤立主義が伝統的ですけれども、アメリカを孤立させないように日本自らが、やっぱり国連中心とし、みんなで平和を守るんだというのを日本が率先して役割を示していくということが必要だと思います」

菅氏「私はこの20年間の日本の停滞は、やはり政治に責任があると思います。ひとつは行政です。役所のための行政になっている。これを根本から変えなければなりません。私は、政治もある意味では政党とか、権力を得るための政治になっていて、本当の意味でですね、国民をしっかりと信用して、政策で説得していくという政治になっていない。それがカネと数合わせというですね、政治でやってもやっても、どの党がやってもうまくいかなかった。そういう意味では、そういった古い行政、政治を変えるところから日本を立て直していきたいと思っております」