注目は鳩山グループと輿石の動向 [民主党代表選 小沢が勝つ全真相]

(日刊ゲンダイ2010/9/1)
結局、一晩の幻で終わった「トロイカ・プラス1」体制。菅と小沢を除いた2人は今後どう動くのか。それも、代表選の焦点のひとつだ。
菅支持から小沢支持に回り、トロイカ体制による「挙党一致」に走った翌日には再び小沢支持を表明。鳩山前首相の非常に分かりにくい動きの背景には、鳩山グループの一枚岩とは言い切れない事情があったようだ。
「鳩山グループのうち、小沢主戦論で徹底していたのは、松野頼久・前官房副長官や川内博史衆院議員など一握りのメンバーだけ。鳩山首相の補佐官だった中山義活衆院議員や大畠章宏衆院議員らグループ幹部からは『党内融和』の声が上がっていました。鳩山氏が『私の一存で』と前置きして小沢支持を宣言したのは、グループ内の温度差を意識したものです」(民主党関係者)
政治評論家の有馬晴海氏は、こう見る。
「報道では総勢50人とも60人とも伝えられる鳩山グループですが、出入り自由の緩い組織で中核メンバーは松野氏や中山氏など、せいぜい7、8人程度です。彼らは鳩山氏の決断に従うでしょうが、残りのメンバーが、どう動くかは不透明。いまだに小沢支持か菅支持かで迷っている議員が、ほとんどです」
昔は風呂敷包みを持って夜行バスで国会に通っていたのに、今では黒塗りの車で帰ってくる――そう地元で評される輿石東参院議員会長は「“参院のドン”として君臨できるのは、小沢氏との蜜月関係があってこそ」(有馬晴海氏=前出)だ。配下の参院議員を従えて間違いなく小沢支持で動く。
代表選までの14日間で鳩山と輿石が、どれだけ小沢支持の議員をまとめ切れるのか。2人の力の入れ具合が、小沢の勝敗を握っている。