市場ももはや菅退陣を要求している 小沢首相もいばらの道 剛腕への期待も [民主党代表選 小沢が勝つ全真相]
(日刊ゲンダイ 2010/9/1)
大山鳴動して元の木阿弥 無能政権を覆い隠す八百長芝居だった疑惑も
全面対決 菅は惨敗する
小沢出馬 投票決着は国にとっても良いことだ
やっぱり小沢一郎(68)は男だ。ここ数日、周辺に「菅政権ではこの国は経済的にも政治的にも再浮揚できない。首相を代えるのは今しかない」と語ってきた。ここまで危機感を持っている以上、選択肢はひとつだった。自分の言葉に責任をもって、小沢は正式に代表選出馬を表明した。これぞ、肝の据わった政治家というものである。新聞テレビの小沢嫌いを考えれば、首相になってもイバラの道は続くだろうが剛腕首相へ期待は全国で高まっている。それにしても、先週26日朝に小沢が出馬表明してからの菅政権の混迷は何だったのか。「全面激突は避けるべきだ」「党が分裂する」と党内は右往左往し、ついには鳩山前首相や輿石参院議員会長も交えて、菅首相は「トロイカ体制」を唐突に言い始めた。「小沢不出馬」説もさかんに流されたものだ。しかし、結局は元の木阿弥で決着した。この2、3日、新聞テレビをにぎわした政治報道は全部、与太話だったわけだ。
その舞台裏を、小沢陣営の人物が明かした。
「小沢さんは参院選の直後から9月の代表選に照準を合わせてきた。政権構想も練ってきた。現状で衆参200人は固めているから、菅総理との一騎打ちなら勝てる自信は最初からある。それで慌てたのが官邸。選挙になったら菅は惨敗する。
たった3カ月で総理の座は終わる。これは大変だと、官邸が急に挙党態勢でと騒ぎ出し、小沢さんが出馬しにくい雰囲気に持ち込もうとした。鳩山さんを引っ張り出して、トロイカ体制を言わせたのも、菅や仙谷の浅知恵。だって、小沢さんはトロイカ体制の相談なんて受けていない。最初から乗りようがないのです」
つまり、菅陣営が「党分裂回避」「挙党一致」と大山を鳴動させ、トロイカ体制を持ち出したのは、自分たちの無能無策を覆い隠す八百長芝居だったというわけだ。
◇呆れた大マスコミのデタラメ報道
菅や仙谷に輪をかけてコッケイなのが大新聞だ。菅、小沢の出馬表明があったきのうの新聞各紙は朝刊、夕刊ともこんな調子だった。
「小沢氏 不出馬強まる」(毎日朝刊)、「小沢氏 不出馬で最終調整」(夕刊)、「小沢氏不出馬で調整」(産経)、「対決回避へ調整大詰め」(日経夕刊)、「小沢氏 代表選不出馬も」(読売朝刊)、「菅・小沢氏 対決回避へ調整」(夕刊)……。
どこもかしこも、小沢が正式出馬会見をする直前まで、読みがハズレていたのだ。金魚のフンのごとく記者を政治家に張り付かせているのに、肝心な情報が取れないのだからオソマツと言うしかない。
しかし、内実はもっと悪質だ。あるマスコミ関係者が言う。
「小沢の出馬の意志が固いことは、その言動を追い続けていれば、現場の記者は分かっていたはずです。でも、新聞社は社の方針として、小沢を首相にさせたくない。さんざん叩いてきた小沢が政権をとったら、どんな仕返しを受けるか分からないと怯えている。それで仙谷官房長官などと結託して、小沢が出馬できない記事づくり、世論づくりをしたのです」
自分たちの都合や損得で、小沢を代表選に出させまいと世論誘導までやる大マスコミ。日ごろ言っている「客観報道だ」「公正な報道だ」なんて大ウソ、デタラメもいいところだ。