菅首相と鳩山氏の発言全文 

(共同通信 2010/08/30 22:34)   http://bit.ly/cGbn7z


 民主党代表選をめぐる30日夜の菅直人首相と鳩山由紀夫前首相の共同会見の全文は次の通り。

 記者 よろしくお願いします。

 鳩山前首相 私の方から先に申し上げます。先ほど、菅総理とお話をいたしました。ご案内の通り、経済的にも円高などで大変急がれている。こういうときにこそ、党内、挙党態勢を築くことが大変重要である、ことを申し上げました。挙党態勢とは何かを申し上げれば、小沢先生が加わられてから、いわゆるトロイカ体制で今日までやって参ったと。その原点に立ち戻ることが、挙党態勢

大変重要ではないかなと。ぜひ、そのことをご理解頂いて、菅総理としても、挙党一致の中で、しっかりとした仕事をしていただけるような環境をつくるために、今こそ、党内一致結束した姿を示すことが大事ではないかということを申し上げたところでございます。

 総理も基本的にその気持ちを示されましたが、そのことは、ご本人から申し述べて頂ければと思います。そして、そのもとで、もしそのことが確認されればということであればと、挙党態勢でいこう、すなわちトロイカ体制というものを重視していこうということであれば、明日、私が責任を持って、菅総理と小沢一郎先生との間の会談の仲介を取りたいと申し上げたところであります。以上です。

 菅首相 鳩山前総理から、何度にもいろいろご苦労頂きまして、ご足労いただきまして、今の日本の状況、あるいは民主党の状況の中で、今の、鳩山さんご自身が言われましたように、やはりここは、党内で激しい代表選というものが戦われることについて、いろいろと、内外でも議論があるという中で、いろいろとご心配頂きました。その中で、党が政権にたどり着くことができた大きな要素はもちろん、スタートの最初の最初、鳩山さん、さらには私、それに小沢先生の合流といったことが、大変大きな要素でありまして、そのトロイカ体制の原点、その原点を大事にしてやっていこうではないかと、そういう言葉を鳩山さんからいただきました。

 加えてこの間、輿石参院会長もいろいろご苦労頂いている中で、場合によってはトロイカプラス輿石さんを加えた中でやっていこうではないかとのお話をいただきました。私としては基本的な考え方については全く異存はありませんで、そういうお話をいただいたことについて、そのトロイカ体制あるいはそれに輿石先生を加えた中で、その体制を大事に考えていろいろな活動を進めていくことについて、私自身も、鳩山さんからの提案に同意をいたしたところであります。

 記者 明日小沢氏と首相と会談が行われるということでいいのか。

 鳩山氏 はい。今これからそのことを小沢先生側にお伝えをして、このような結論が出た、トロイカ体制、トロイカプラスワンで行こうではないかという思いを総理からいただいたんで、そのことを前提として、明日私の方から責任を持って小沢先生側にお伝えをして、菅総理と話していただくという段取りをつくりたいと思います。その場合にどういう形になるのか、2人だけになるのか、あるいはさらに1人、2人加わっていくっていうことになるかは、これから決めて参りたいと思います。

 記者 小沢氏サイドから枝野幹事長、仙谷官房長官の交代を求める要望があったと思うが、結論はまとまったのか。

 首相 あのー、鳩山さんからはそういった話はあのー、全く、話そのものにもなってませんし、そういう具体的なことについては全く話もしてませんし、そういう何かこの、要求があってそれに応じた、応じなかったということは全くありません。つまり要求というものそれ自体が、少なくとも鳩山さんから伝えられたということは全くありません。

 記者 はしごを外された形の小沢氏にどうするのか。何らかのポストを提示するか。

 鳩山氏 ポストとかそういう何か取引みたいな話をするつもりはありません。大事なことは、トロイカ体制、トロイカプラスワンで行くということが大事であって、それを理解していただくことで、私は小沢先生にはご理解いただけるものだ、そのように思っております。

 記者 トロイカ体制で行くということは、代表選後に小沢氏をそれなりのポストで処遇するということで、菅、鳩山で合意したということか。

 首相 今、申し上げたように、ポストとかですね、そういうことについては、一切話をいたしておりません。この党がまあ成立をし、あるいはこの党が政権にたどりつく、いたるまでの中で、鳩山さん、まあ私も含め、この党をつくるときのメンバーですから、小沢さん、自由党との合併の中でここまで来たわけでありますので、そういう、いわばトロイカ体制、さらには輿石さんを加えた体制、その原点を大事にしようじゃないかということを、鳩山さんに言っていただきまして、そういう意味でトロイカ体制を大事に考えていこうということで、私もまったく異存はないと申し上げました。ですから、何かこの、ポストを用意したとか、そういうことを約束したとかいうことは、鳩山さんからもそういう話はありませんし、私からも一切そういう話はいたしておりません。

 記者 小沢氏は代表選に出ないと言っているのか。菅さんに理解を得られれば小沢氏は出ないと言っているのか。

 鳩山 出る、出ないの話は明日、当然、小沢、菅会談が行われる時に、その内容によって決められる話であって、今、わたくしがうんぬんする話ではありません。

 記者 政策面でも人事面でも脱小沢は撤回するという考えか。

 菅 今日の話は今申し上げたように、トロイカ体制、さらには輿石さんを加えたそういう体制の原点を大事にしていこうという考え方でありまして、私が何かこれまで言ったことを変えるとか変えないとかということはまったくそういう議論をしたわけではありません。何度も申し上げるようにそういったトロイカ体制の原点を大事にしていこうというその考え方を鳩山さんのほうから、そういう考え方で一点に一致していこうじゃないかということを言っていただいたので、それについてまったく異存はありませんということを申し上げた、そういう経緯です。

 記者 2人の間で代表選は回避したほうがいいという認識で一致したということでいいのか。

 菅氏 わたくしの立場で言えば、今まさに日本の経済情勢、あるいは予算の編成、さらにはいろいろな外交日程などもあります。またわたくし自身、鳩山政権から引き継がせていただいて3カ月足らずという段階にあります。そういう意味ではいよいよ本格的に政権を新たな段階で動き出しているところでありますから、わたくしとしてそういう形を継続したいという思いはもちろん持っております。しかしそれはわたくしの思いですから、そのことが代表選がどうあるべきかということとはこれはもちろんわたくしの一存で決められる問題ではありませんので、わたくしの思いを聞かれれば今申し上げたことに尽きるところです。

 記者 鳩山さんは軽井沢以来の騒動をどう総括するのか。

 鳩山 騒動ではありません。代表選です(むっとした感じで)。