民主党代表選 仁義なきドロ仕合 エスカレート

(日刊ゲンダイ2010/8/28)

非難・暴露合戦 外野は「ハルマゲドンが始まった」と煽動
9月1日の告示に向け、なりふり構わぬ多数派工作が繰り広げられている民主党代表選。かつてない国難のときだけに、国民の留飲が下がるような政策論争で国の針路を示してほしいものだが、現状は仁義なきドロ仕合となっている。
27日の民放テレビ番組で、菅の側近である寺田学首相補佐官が「総理の方に、官房長官を代えろ、幹事長を代えろ、委員長を誰にしろと、そういう話が裏で来た」と暴露。別の番組では小沢側近が「こういう話が聞こえてくる。円高が進んだ。しかし、某省の方が総理に大丈夫ですよ、というようなことを言っているとか」と、官僚の言いなりになっている菅の姿勢をチクリ。
ある大新聞は、小沢が代表・幹事長だった当時の党費の使途に不透明な部分があったことを、菅陣営が暴露する戦術も検討したと報じた。
大メディアを利用しながら、菅陣営、小沢陣営が入り乱れての暴露合戦、非難合戦となっているのだ。
この状況に困惑しているのが、菅支持から小沢支持へ変心した鳩山前首相のグループの面々だ。鳩山不在の中で開かれた会合では「菅さんも大きな器量で、徳川家康を立てて豊臣秀吉が頭を下げて豊臣時代を築いたように、頭を下げるところは下げないとまとまらないという比喩を持ち出した議員もいた」(関係者)という。
「鳩山グループとしては、絶対に股裂けになってはダメというのがコンセンサスです。鳩山がロシアから帰ってきたら、方針を決めてメンバーに伝える形になるのではないか」(前出の関係者) 日を追うごとに苛烈になる代表選。そこへ外野から渡辺喜美・みんなの党代表がしゃしゃり出て「ハルマゲドン(世界最終戦争)が始まった」と政界再編をあおりたてている。永田町全体が浮足立ってきた。