民主党代表選 菅首相と小沢前幹事長、得意のスタイルでアピール

(FNNニュース 08/28 00:49)   http://p.tl/tKlI

民主党代表選に向け、菅首相と小沢前幹事長は、全面対決モードに突入している。
菅首相は27日、中小企業を視察し、庶民派をアピールした。
一方の小沢前幹事長は、党最大の支持団体にあいさつ回りと、それぞれ得意のスタイルで支持拡大を目指した。
一方、その裏で、血で血を洗うドロドロの権力闘争の内幕も明らかになっている。
27日午後8時15分、菅首相が満面の笑顔で永田町近くのラーメン店に現れた。
夜の会合でピリピリする永田町にあって、27日夜はラーメン店が異様な空気に包まれた。
菅首相は、850円のレバー炒め定食と450円のギョーザをがっつり食べた。
菅首相は「(総理! 念願のラーメン屋はいかがでしたか?)いや、もうね、昔からよく食べてたんだよ。きょうは一番のごちそうだよ。(代表選に向けてスタミナつきましたか?)ついた! ついた!」などと答えた。
一方、午後7時すぎ、民主党の小沢前幹事長を乗せた車が事務所を出た。
小沢前幹事長は、無言で事務所をあとにして、まっすぐ自宅に戻った。
菅首相は27日、都内で町工場の視察を行うなど、経済対策に取り組む姿勢を示した。
菅首相は「為替市場の過度な変動は、経済、金融の安定に悪影響を及ぼすものでありまして、必要なときには、断固たる措置をとると」などと述べ、急激な円高に対し、政府・日銀による市場介入の可能性を示唆した。
現職首相としての実務能力をアピールすることで、代表選に向け、世論の支持拡大を図った。
対する小沢前幹事長は、全国郵便局長会や、連合などへのあいさつ回りを行った。
都内のビルをあとにする際には、関係者らしき人物と両手で固い握手を交わすなど、支持固めに余念がない。
一方、代表選の鍵を握るとされる鳩山グループ。
しかし、鳩山前首相の突然の小沢氏支持に、側近からは困惑の声が聞かれた。
鳩山グループの中山義活前首相補佐官は「どういう意図で、小沢さんという支持を表明したのかも、1人ひとりにわかるように、説明してくださいということですね」と話した。
こうした中、ロシア訪問中の鳩山前首相は、「菅首相の政策に友愛政治が見えない」と批判した。
しかし弟・邦夫氏は、兄の心変わりについて、「兄は菅さんと話をしに行ったけど、相手にされなかった。相手にされなかったから、まあ、ぶち切れて、今度は小沢さんの支援に回ったという、こういう、非常によくありがちな図式じゃないでしょうかね」と述べた。
そして、民主党の渡部恒三元衆院副議長も「10日ぐらい前まで、『菅だ、菅だ』って言って、今度は『小沢だ』って。これね、国民の運命を決める総理大臣の人事でね、鳩山君も恥ずかしいなぁ」と述べた。
民主党を揺るがす全面対決。
小沢氏を出馬に向かわせた、生々しいやり取りが明らかになった。
鳩山・小沢会談で、小沢氏は「おれが幹事長なら(参院選で)、45から48(議席)は取れた」と怒りを見せたという。
さらに、25日の菅・鳩山会談で、鳩山氏が小沢氏サイドからの要求を伝えた。
それは、枝野幹事長と仙谷官房長官を交代させ、小沢氏を要職につけることだったという。
小沢氏側近によると、この時、菅首相は「小沢さんに権力は握らせません。小沢さんは最高顧問にどうですか?」と述べたという。
実権のない名誉職だった。
しかし、首相サイドはこの発言を完全否定している。
BSフジの「プライムニュース」に出演した、菅首相の側近・寺田 学首相補佐官は、「(菅・小沢会談の可能性については、どういうふうに見てらっしゃいますか?)非常に見られ方としては、高度な政治的なことだととらえられますので、わたし自身が軽々に言うことではないと思ってます。事前に人事の取り引き、どうこうということを、わたしは、古い政治には戻したくないと思いますけども」と話した。
番組出演後、「『今の民主党をサポートするかどうか』というアンケートで、『する』の32人に対し、『しない』と答えた人は65人でしたが?」との質問を受けた、寺田首相補佐官は「非常に厳しい判断が下されているなと、率直に思います。民主党が、本当に国民のために、代表選を戦っているんだと、そして総理自身も、その間もしっかり公務をこなして、日本のために頑張っているんだと、無駄にしないんだと、時間を無駄にしないというようなことが必要だと思います」と答えた。
来週、2人は出馬表明をするとみられるが、国民にどういう国の形を見せることができるのか注目が集まっている。
菅首相は「政権交代によって、民主党中心の政権を国民の皆さんから期待をされてつくったわけでありますから、代表選が終わった後には、全党一丸となった今後の取り組みは必ずできると、私は確信をいたしております」などと述べた。