小沢一郎 軽井沢“決起集会”の一部始終 鳩山グループ50人は“全面支援”

(日刊ゲンダイ2010/8/20)

菅は負けるゾ
菅執行部は青ざめたのではないか。小沢一郎前幹事長が本格的に動き出したからである。小沢は周囲に代表選への出馬の意向を示し、きのう(19日)は鳩山グループが軽井沢で開いた研修会にも出席した。単なる顔見せ、パフォーマンスかと思ったら、とんでもなかった。集まった議員は160人。民主党所属議員の3分の1以上だ。小沢一郎が登場すると、万雷の拍手。研修会とは名ばかりで、さながら“小沢出馬決起集会”だったのである。
鳩山グループは毎年、夏に軽井沢で研修会を開く。しかし、今年はまったく違う意味があった。
菅政権を支持表明しているものの、「挙党態勢」を条件に掲げ、距離を置く鳩山グループは約50人。150人といわれる小沢グループと連携すれば、党内最大の勢力になり、代表選を左右する。
両グループが一堂に会し、代表選に向けた結束を誇示するのか。そして、小沢は代表選に出るのか出ないのか。
両グループの出方次第で、菅政権はあっという間に行き詰まる。それだけに、政局の最大の焦点になったのである。
「小沢グループは、ここにきて代表選後も挙党一致を拒否し、小沢排除を鮮明にしつつある菅執行部に対して、本当に怒り心頭になっていました。それだけに、小沢さんも出馬に意欲を見せ、号令一下、鳩山研修会へ動員をかけた。集まった議員は160人。これはなかなかの数字です。菅支持を表明しているのは、菅グループ40人、前原グループ40人、野田グループ30人。合わせても110人にしかならないからです」(小沢グループの議員)


◆最後はみんなでシュプレヒコール

耳目を集めたのは人数だけではない。
研修会第2部。鳩山の別荘で開かれた懇親会に顔を見せた小沢が退席する時のことだ。鳩山側近の中山義活前首相補佐官が、「小沢先生をシュプレヒコールで送り出したいと思います」と挨拶し、「小沢一郎、鳩山由紀夫。気合だ、気合だ、気合だ」と気勢を上げると、集まった議員たちも一緒になって声を上げ、会場は大きな拍手に包まれた。
すると、それまで挨拶を遠慮していた小沢が、マイクを取り「お互いに力を合わせて、一生懸命頑張って、国民の期待に応えるようやりましょう」と答えたのだ。
懇親会は、小沢の到着で始まり、小沢の退席で中締めになった。小沢のための会合だったと言っても過言ではない。
菅は気も狂わんばかりだろう。
「小沢は250人を確保すれば出る。つまり圧勝でなければ出ない。そのための戦略も練っている。世論への支持を高めるための代表選での争点づくり、それをアピールするためのメディア対策、仙谷官房長官がシャカリキになっている切り崩し工作への対応、などなどです。そのための準備にはもう少し時間がかかる。正式出馬表明は月末になります」(前出の小沢グループ議員)
仙谷も必死だが、流れは確実に変わりつつある。ちょっと前までは、菅の無投票再選か、なんて声もあったが、ガラリと変わった。この流れはもう止まらない。