「菅さんじゃ無理」田中真紀子が小沢総理を推す理由


週刊現代 永田町ディープスロート
(現代ビジネス 2010年08月20日) http://p.tl/x9Pc

「(菅首相は)もっとやらせてくれとおっしゃっているけれど、民間では通らない話」「今度は小沢さんが代表選に出るべきです」

 かつて小泉政権で「旋風」を巻き起こした田中真紀子元外相が、今度は民主党政権をかき回す大放言をし、物議を醸している。

 9月の代表選で勝つのは、菅か小沢か。政局が緊迫化する中、真紀子氏は「政治をよくわかっていない」と、菅首相に対して公然とダメ出し。「小沢総理」を支持する方針を打ち出したのだ。

 もともと真紀子氏は、菅首相のことが大嫌い。

「真紀子氏には、市民運動家あがりの菅首相は、自分や小沢氏のようなサラブレッドとは違う、という気持ちがある。
菅政権が発足した際には、『新しく首相になった人が"クリーンでいきましょう"と言っているが、洗濯屋じゃないんです。クリーンだけで何もできない人がリーダーでいいんですか』と、痛烈に皮肉っていた。首相は政治のリアリズムが分かっていない、というのです」(民主党関係者)

 確かに、「リアリズム」の権化だった田中角栄元首相の娘・真紀子氏からすれば、菅首相はその政治理念の極北に位置する政治家だ。そんな彼女にとって、誰が理想に近い政治家かと言えば、父の愛弟子・小沢氏であるというのは自然だろう。

 真紀子氏の小沢氏プッシュは本気のようで、小沢氏に近い議員によれば、「あなた方がまとまって『小沢さん出てください』と言えば、いくら渋っても最後に小沢さんは出馬する」と、けしかけられたという。

 果たして、小沢―田中の同盟は成立するのか? 実現すれば菅首相には脅威だが、冷静な見方もある。

「真紀子氏は、小沢さんが政権を取れば、官房長官や重要閣僚としてまた表舞台に出られると皮算用を立てているのだろう。ただし彼女は、6月に小沢氏が代表選出馬を要請した際、それをはねつけ、さらに一部始終を暴露して小沢氏に大恥をかかせた。小沢氏は『勝手な女だ』と呆れている」(小沢派中堅議員)

 過去に小泉首相と決裂した経緯を思い起こせば、小沢氏と真紀子氏が同盟しても、その後どうなるかは目に見えている。触らぬ神に祟りなし―。