●首相、新人150人と対話集会へ 小沢氏側と争奪戦激化

(共同通信 2010/08/18 02:08)  http://p.tl/GGaw


 9月1日告示の民主党代表選で再選を目指す菅直人首相は17日、党所属の衆参両院当選1回の議員約150人を対象とした対話集会を、告示直前の8月23~25日に開くことを決めた。“大票田”の新人を囲い込み、一気に支持固めを図る狙い。

 ただ衆院1回生の多くは、菅政権批判を強める小沢一郎前幹事長グループに所属しており、新人争奪戦による小沢氏側との摩擦激化は必至だ。

 小沢氏も22~25日に勉強会「小沢一郎政治塾」を都内で開き、1回生議員約10人が参加を予定している。首相側が重なる日程での集会開催を後からぶつけた格好で、新人議員の一人は「まるで踏み絵を迫られているようだ」と困惑している。

 首相が対話集会を呼び掛けたのは、昨年の衆院選と今年の参院選で初当選した新人議員。地域別、衆参両院別に6グループに分け各1時間ずつ意見交換する。

 首相名で各議員事務所に配った案内状は「与党になってからは日々業務に追われ、十分に話す機会が持てず、反省している。1期生の皆さんの声こそが一番国民に近い」と低姿勢で参加を求めている。

 民主党の新人議員は、党所属議員413人の3割強に当たる。



●首相、「1回生」に懇談案内状…民主代表選

(読売新聞 2010年8月18日03時16分) http://p.tl/9VxE


 9月の民主党代表選に向け、党内の各勢力は17日、活発な動きを見せた。

 再選を目指す菅首相は、同党の衆院当選1回の全議員144人と、7月の参院選で同党から初当選した13人に対し、懇談の案内状を送った。23~25日に六つのグループに分けて行う予定で、衆院議員には「1期生の声こそが一番国民に近い声だと思っている」と意見交換を要望。参院議員には「私の唐突な消費税発言で厳しい選挙になったことを改めておわびします」と陳謝の言葉も入れた。

 衆院当選1回の議員の多くは、小沢一郎前幹事長の強い影響下にある。首相側近は「懇談で首相の人柄をもっと知ってもらわないといけない」と語り、小沢氏に近い議員が代表選で首相への対抗馬擁立を目指す動きをけん制する狙いがあることを示唆した。

 一方、鳩山前首相は17日、訪問先の北京市内で記者団に「首相が頑張っている姿を民主党議員として応援するのは当たり前」と語った。





●執行部刷新で「けじめ」を 民主中山氏、対抗馬は重量級
共同通信 2010/08/08 17:46) http://p.tl/ryjq

 民主党鳩山グループ幹部の中山義活前首相補佐官は8日、フジテレビの報道番組で、9月の党代表選について「菅直人首相を降ろそうとは思っていないが、参院選のけじめだけはつけてほしい」と述べ、菅氏の党代表続投の条件として、枝野幸男幹事長ら執行部の刷新を求めた。

 これに関し鳩山由紀夫前首相は8日、埼玉県ときがわ町で開かれた党所属議員の集会で「一番大事なのは政権交代の原点を思い出すことだ」と強調した。

 中山氏は同じ番組で、鳩山グループで首相への対立候補を擁立する可能性にも言及した。ただ、出馬に意欲を示す海江田万里衆院議員については「(支持した候補が)勝つ可能性があり(グループの)責任は重い。重量級をしっかりやらなければならない」と慎重な姿勢を示した。菅首相の政権運営に批判的な小沢一郎前幹事長の出馬をめぐっては「選択肢の中にないわけではない」と指摘した。

 代表選後の衆院の解散、総選挙に関しては、次期参院選と現在の衆院議員が任期満了となる2013年を念頭に「できる限り衆参同日選に重点を置くべきだ。衆参両院の選挙の時期が違えば、ねじれを起こすのは当たり前だ」と述べた。



●【政治部デスクの斜め書き】そして誰もいなくなった…

(産経ニュース 2010.8.8 17:00)  http://p.tl/ZaQR

このニュースのトピックス:政治部デスクの斜め書き

参院予算委員会で疲れた様子の菅直人首相=4日午前、国会・参院第一委員会室(酒巻俊介撮影) 臨時国会を終えた民主党政権は、9月の党代表選に向けた党内政局に一気に走り込む。だが、菅直人首相が続投するにせよ、別の誰かが首相になるにせよ、その後にまた「ねじれ国会」が待ち受けていることは間違いない。

 どんな組み合わせで、その「ねじれ」をかわすのか。部分連合か新連立か。そう考えていたが、臨時国会をみている限りでは、「第3の手法」がありそうな気がする。

 それは「全部与党」である。

 まず、国民新党は「民主党の暴走を止める役」であるらしく、また、存在意義である郵政改革見直しを実現しないわけにはいかない。「野党」にはなれない。

 連立離脱した社民党も、辻元清美氏に離党表明されて気がついたことと言えば、何でも反対の運動体政党では生き残れないということだ。なんとか、与党に近いポジションを取らざるを得ない。「せっかくの政権交代なんだから」という正直な感想を口にする幹部もいるほどだ。大丈夫、少なくとも「野党」ではない。

 自民党はどうだろうか。

 明確な党再建戦略が見えないし、党執行部の戦略も今ひとつだし。谷垣総裁の次を狙うエースも見当たらない。党内向けを兼ねて、一つ一つハードルを民主党に課すふりをしながら、民主党政権にやりたい政策をのませることで党の体力を回復していく道が一番妥当かもしれない。

政策的にはほとんど違いのない民主、自民両党である。

 臨時国会での論戦をみていても、政権にあった自民党と、いま政権にある民主党の間には、ほとんど差がない。

 政権を持った経験のなかった民主党は特殊な存在ではあったが、一度政権を経験して、ねじれを体感した民主党と、政権を転落したものの、ねじれを生かせない自民党との間も、結構近いものがある。

 むしろ、民主党を批判していると、なんでもありの自民党の中で、多少なりとも政治思想を純化させる試みができるかもしれない。本当の保守政党を探すためには民主党が必要だ。与党民主党と「つかず離れず」は悪くない。少なくとも議論を続けていくなら、完全「野党」ではない。

 さて公明党。立派に是々非々でいってくれるだろうから、政策で是があれば(もしくは是であるという説明ができれば)何度でも民主党との協議に応じてくれそうだ。なにより、永田町の「第3極」というポジションを確保したいのが今の最大の狙いだろう。すべての案件で、民主党だけでなく、自民党も、自分たち公明党に相談しないと何もできないという環境を作ってこそだ。

 相談にきてもらうには、単なる「野党」でいるわけにはいかない。

 ひょっとすると、「第3極」という意味は、民主でも自民でもない、という意味ではなく、与党でも野党でもない、という意味なのかもしれない。

 その意味で、公明党の主要な敵は今や、民主党ではなく「みんなの党」というべきだろう。

その「みんなの党」はどうだろうか。幅広く間口を開けておきたい感じがヒシヒシと伝わってくるから、少なくとも積極的に「私たちだけが野党」という立場を選ぶことはなさそうだ。

 こうみてくると、各党の戦略は野党共闘で民主党を追い落とすというよりも、だれの意見を民主党がのむか、つまり、だれが与党に一番近いかを争う「全部与党」形式なのではないかと思える。これこそ、新たな「ねじれ国会」の本当の姿なのかもしれない。

 そして、野党は誰もいなくなった…。

 それでも共産党だけは「確かな野党」として残ってくれるだろう。それだけが救いだ。(金子聡)