沈黙、姿を見せず…どうするのか、小沢一郎!代表選出馬の条件  (日刊ゲンダイ2010/8/17)

マニフェストが争点になるかどうか



◆「菅・鳩山会談」は決裂か

小沢一郎は代表選に出馬するのかどうか。政界の関心はこの一点に絞られている。肝心の小沢は、国会閉会後、人前に姿を現していない。いったい、どこで何をしているのか。本人は出馬に意欲を強めはじめているという。
小沢が永田町で最後に目撃されたのは、8月10日。ただし、側近議員とは頻繁に会っているらしい。ほとんど都内の自宅で過ごしているという。

「最大のキーマンだけに、メディアは小沢一郎の肉声が欲しい。必死になって姿を追っています。しかし、なかなか日程がつかめない。8月13日は夫人の父親の新盆が新潟であったのだが、姿を見せなかった。8月14日には、引退した高嶋良充・前参院議員の慰労会を京都で開く予定だったが、番記者に漏れたため中止に。小沢本人は8月16日の『五山(大文字)の送り火』を見たかったようです。この調子では、8月19日に軽井沢の鳩山家の別荘で行われる研修会にも参加しないのではないかとみられています」(大手メディア関係者)
しかし、周囲は「小沢一郎は代表選に出馬する」と感じはじめているという。つい最近、都内で若手議員と日本酒を酌み交わした時、「官僚は過去の政策を否定できない。政治家がきちんと道筋を示さないといけない」と漏らしたという。12日付のメールマガジンでは、沈黙を破って「民主党は原点に戻り、『国民の生活が第一』の政策をひとつひとつ実行する」と宣言している。小沢一郎がここまで心情を表に出すのは珍しい。

「菅直人が右に左にとぶれ、財務官僚に取り込まれたのを見て、小沢は『俺がやるしかないのかな』と思いはじめているようです。もともと理想主義者の小沢一郎は、2大政党がマニフェストを掲げて選挙を戦い、国民に選ばれた政党がマニフェスト実現に力を尽くすことを当然と思っている。ところが、菅首相は簡単にマニフェストの実現をあきらめ、国民との約束を破ろうとしている。小沢は本気で『これでは民主主義は成り立たない』と憤っているといいます。もし『マニフェストを守るのかどうか』が争点になるなら、小沢一郎は代表選に出馬する可能性が高い。09年マニフェストの実現を求める会合に150人の民主党議員が集まった時も、『うん、うん』と満足そうだったといいます」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

政界の裏側では、菅首相が鳩山由紀夫に代表選での協力を呼びかけ、断られたという情報も飛び交っている。小沢一郎は8月25日、主宰する「小沢一郎政治塾」で自ら講師を務める予定。早ければ、その場で出馬宣言する可能性がある。