民主党代表選 小沢主戦論強まる (日刊ゲンダイ2010/8/11)

検察審査会への最大の牽制

主戦論が高まってきた。

9月14日の民主党代表選に向け、「小沢一郎立つべし」と側近議員がメディアを通じて、盛んにけしかけている。小沢最側近のひとりの松木謙公衆院議員は「小沢さんに出馬してほしい」と公言。小沢グループに所属する石関貴史衆院議員も「支持率は0%でもいい。この20年の政治の総決算という意味でも、小沢さんに出てもらう最後のチャンス」と語っていた。

鳩山グループ内でも「小沢出馬論」が渦巻いている。鳩山側近の松野頼久前官房副長官が「今の時代は、強いリーダーが必要。私も小沢先生に出馬してほしいと考えています」と発言すれば、同じ鳩山グループの川内博史衆院議員も「小沢さんは増税しなくてもマニフェストは実現できると自信を持っている。小沢総理であれば、それだけのパワーは十分出せる」と、期待の声を上げた。
党内最大勢力の小沢グループと“第2派閥”の鳩山グループが一致団結して小沢を推せば、「小沢首相」が実現する可能性は高い。いざ首相になれば、意外なメリットも生まれる。検察当局との“不毛な争い”にピリオドを打てるかも知れないのだ。

「検察審査会の再議決は審査員11人が全員交代したため、代表選後の10月にズレ込む見通しです。仮に2度目の起訴相当の議決が出ても、その時、小沢首相が誕生していれば、本人の起訴は免れます。憲法75条には『国務大臣は在任中内閣総理大臣の同意がないと追訴されない』と記載されています。大臣ならば首相の胸三寸で起訴される余地は残りますが、首相は自身の訴追を自ら判断できるのです。検察や検察審が政治的思惑で“小沢潰し”を仕掛けているんだから“目には目を”で、力ずくで対抗すべきだという考え方は党内にも結構あるのです」(民主党関係者)

小沢は沈黙を守っているが、はたして起死回生のウルトラCに打って出るのか。