9.14 民主党代表選ヒートアップ 小沢周辺が狙う「2人擁立」作戦

(日刊ゲンダイ2010/8/7)
「反菅首相」勢力150人結集

─民主党の代表選が一気にヒートアップしてきた。ある会合には、なんと150人の「反菅」勢力が結集。参加した平野博文前官房長官は、「参院選で敗北したケジメが必要だ」と公然と首相退陣をブチあげた。菅首相は真っ青だ。臨時国会が閉会した6日、次々に反菅グループの会合が開かれた。
小沢一郎前幹事長に近い若手が立ち上げた勉強会「真の政治主導を考える会」には、100人が出席した。
さらに、小沢側近の山岡賢次副代表が呼びかけた会合には150人が参加。山岡が「党内の体制を一新しなければいけない」と挨拶し、世話人になった鳩山側近の平野博文は「ケジメが必要だ」と言い放った。
「6日は旧民社グループも国会内で会合を開き、『09年衆院選マニフェストを守るべきだ』で一致しています。党内には、09年マニフェストを勝手に変更して参院選で大敗しながら、責任をとらない菅執行部に対する批判が渦巻いています」(民主党関係者)
鳩山由紀夫前首相が小沢と接近し、菅と距離を置き始めたことで、民主党内の「反菅」勢力は、日を追うごとに拡大。鳩山が8月19日に軽井沢で開く研修会には、小沢も出席する予定で、最終的に参加者は200人以上に膨れ上がりそうだ。
200人以上が「反菅」で結集したら、代表選の勝敗は決したも同然。
ただし、小沢周辺は9月14日の代表選では、ムリに勝負はかけない方針だという。「小沢周辺は、代表選には2人以上擁立するつもりです。菅直人を含めて3人が立候補すれば、1回目の投票では誰も過半数を取れない。現職総理でありながら、過半数の支持を得られなければ、さらに弱体化が進む。そのうえで菅首相に、党内人事、組閣人事では挙党体制を取るように要求するつもりです。もともと、小沢周辺の要求は『菅降ろし』ではなく、挙党体制ですからね。ポイントは、擁立した2人を重要閣僚や幹事長に送り込むことです。重要閣僚や幹事長に就任すれば、『ポスト菅』の候補者になる。タマ不足に頭を悩ませている小沢周辺は、一度に2枚のカードを手に入れることになります」(政界関係者)
代表選で再選されたところで、「反小沢」の仙谷由人や枝野幸男を切るしか、菅が政権を安定させる道は見当たらない。