●新人引き込み激化=非主流派は「公約回帰」主張-民主代表選
(時事ドットコム 2010/08/06-21:30) http://bit.ly/dtYda9


 臨時国会の6日閉幕を受け、政局の焦点は当面、9月の民主党代表選に絞られた。同日は、小沢一郎前幹事長に近い議員が主導する勉強会が相次ぎ発足。昨年の衆院選で大量当選した新人議員の引き込みを狙い、それぞれが衆院選マニフェスト(政権公約)への回帰を主張。菅直人首相(党代表)の対抗馬擁立をにらんだ非主流派の動きが激化した。
 当選1回の衆院議員による勉強会「真の政治主導を考える会」は6日、衆院議員会館で初会合を開いた。中心になって呼び掛けたのは小沢氏に近い議員ら。新人143人のうち98人が出席し、会長に小沢系の村上史好氏を選んだ。事前に相談を受けた小沢氏は「どんどん勉強しろ」と後押しした。
 講師として出席した鳩山由紀夫前首相は「党の原点を思い出さなければならない」と、衆院選公約を修正した首相をけん制。鳩山氏は首相の再選支持を表明しているが、挙党態勢の構築などを条件に掲げており、代表選後に想定される閣僚人事などを念頭に置いた言動とみられる。
 この直後、小沢氏に近い山岡賢次副代表主導の「国民の生活を守る集い」も発足。新人の「考える会」からそのまま流れた議員もいたため、出席者は約150人に膨らんだ。
 山岡氏は「マニフェストの原点に戻るのは当然。体制も一新して臨まなければ、国民に対する使命が失われる」と執行部刷新を要求。世話人に加わった鳩山氏側近の平野博文前官房長官も、参院選大敗に触れて「けじめが必要。その上に立って大きく飛躍する道が開けてくる」と語った。
 党内の非主流派が、衆院選マニフェストへの回帰論を展開する背景には、それを掲げて初当選した新人議員の心理に訴える狙いがある。党所属国会議員413人のうち、衆院の新人だけで3分の1を占め、その動向が代表選のカギを握ると見られているからだ。
 また、野党が批判する衆院選公約へ回帰する流れをつくることで、野党と政策ごとの連携を目指す首相を追い込む狙いもあるとみられる。玄葉光一郎政調会長は「衆院選公約をできるだけ実現する姿勢で臨みたいが、そうなればなるほど、他党の協力は得られにくくなる」と懸念を示した。
 一連の動きに対し、首相の再選を支持するベテラン議員は「小沢氏が裏で糸を引いている」と不快感を表明、「小沢氏が狙うのは幹事長復帰だ」との見方を示した。




●財政出動路線に戻れ…「反菅」会合に延べ250人

(読売新聞 2010年8月6日21時51分) http://bit.ly/doHZf4


 9月の民主党代表選をめぐり、昨年夏の衆院選政権公約(マニフェスト)への「原点回帰」を訴える同党国会議員らが6日、相次いで会合を開いた。


 参加議員は延べ約250人に達し、財政再建を重視する菅首相に対し、消費税の増税反対、財政出動路線への「復帰」を求める意見が続出した。今後、経済財政運営を巡る路線対立が激化する様相だ。

 6日午前、国会内で開かれた「09政権マニフェストの原点に帰り『国民の生活を守る』集い」。世話人代表で、小沢一郎前幹事長に近い山岡賢次副代表は首相への強い不信感を示した。

 集会には小沢氏を支持するグループのほか、鳩山前首相のグループ、旧社会党系などを中心に約150人が集まった。出席者からは、菅政権に批判的な意見が相次ぎ、17日に再度集会を開くことを確認した。

 山岡氏らの念頭にあるのは、消費税に対する首相の姿勢だ。首相は自らの消費税発言が参院選大敗の原因となったことを認めつつも、5日の参院予算委員会では、「財政の健全化は重大な問題。どの政党が政権を担当しても避けて通れない」と明言するなど、財政再建を重視する路線を転換していない。集会に出席した中堅衆院議員は「消費税増税を撤回しない限り、衆院選も惨敗だ」と焦燥感をにじませた。

 一方、小沢氏に近い衆院当選1回の議員も6日、勉強会「真の政治主導を考える会」を発足させ、国会内で初会合を開いた。会長に就任した村上史好氏は約100人の出席者を前に、「頑張れば、何事も動かすことが出来る」と強調。その後、記者団に「我々は09年のマニフェストを国民に問い、政権交代が必要だと訴えた。その原点は忘れるわけにはいかない」と語った。

 両会合とも小沢氏に近い議員が主導しているため、民主党内には「小沢氏が出馬する環境を整える狙いがあるのではないか」との観測も出ている。

 首相サイドは財政出動路線に押され気味だ。首相に近い枝野幹事長は5日の日本経団連との会合で、今後の経済財政運営について、「国民の生活が第一の政治を実現したい」と語り、小沢氏が好んで使った党のキャッチフレーズを引用した。

 首相も必死だ。6日夜には、都内の料理店で開かれた首相を支持するグループの会合に出席。「これからの3年間頑張りたい」とあいさつし、続投への意欲を強調した。



●民主代表選:「反菅」勢力が攻勢 候補一本化が課題
(毎日新聞 2010年8月6日21時30分)   http://bit.ly/aq4G1C


 臨時国会が6日閉会し、焦点は9月14日の民主党代表選に移った。出馬表明後も求心力低下に歯止めがかからない菅直人首相に対し、「反菅」勢力の攻勢が際立つ。ただ、「反菅」側も候補一本化が課題だ。

 「反菅」の急先ぽうの山岡賢次前国対委員長が6日、「反首相色」の濃い勉強会を発足、約150人が参加した。「09年政権公約の原点に返る」と訴える山岡氏が「党内の体制も一新していかないとダメだ」とあいさつ。平野博文前官房長官は「参院選のけじめが必要だ」と現執行部の進退に言及した。中山義活前首相補佐官も「(内閣が)正しくない場合は、それなりのことを考える」と対抗馬擁立を示唆した。

 また、昨年衆院選で当選した新人議員の会合には約100人が参加。鳩山由紀夫前首相が「今こそ原点に返らなければいけない」と強調した。

 新人には、首相が昨年衆院選のマニフェストを修正したことへの不満が強い。

 党所属413議員の約3分の1を占める新人衆院議員(144人)の動向はカギだ。「衆院選マニフェストの忠実な実行」が、首相に圧力をかける「反菅」の旗印になりつつある。小沢一郎前幹事長に近い衆院議員は「(不満は)小沢氏系以外に広がっている」と語る。

 だが、対抗馬の一本化は、道筋がみえていない。

 「反菅」側からも「決定打不足」との声が漏れる。会合への大量参加は首相への不満と同時に、党内情勢を探りたい議員らの迷いも表している。

 首相は6日夜、都内で開かれた自らのグループの会合に出席し、「首相という政治家のゴールの立場で燃え尽きる重いで頑張りたい」と訴え、足場固めをはかった。

 また、6日には、福山哲郎官房副長官の招きで、輿石東参院議員会長が新人参院議員13人を連れて官邸を訪れた。福山氏には菅首相の下で初当選した議員を引きつける狙いがあるとみられるが、小沢氏が幹事長時代に公認された議員らにどこまで有効かは未知数だ。【大場伸也、朝日弘行】