菅包囲網の中で出てきた 小沢「生」発言の凄み

(日刊ゲンダイ2010/8/6)
「普天間は代表選の争点になる」
─国会答弁を見てもヨレヨレの菅政権。民主党内でも「こりゃダメだ」という声が強く、代表選に向けて、「菅降ろし」が蠢(うごめ)き始めている。さて、小沢はどう動くのか。代表選に向けて、小沢がポロッと漏らした本音が聞こえてきた。
民主党内では反菅運動が激化しつつある。例えば、きょう午前、衆院のホールでは「09政権マニフェストの原点に返り『国民生活を守る』集い」が開かれる。世話人に名を連ねているのは山岡賢次、中山義活、鉢呂吉雄、川内博史、小林興起、松野頼久ら18人。面白いのは小沢グループ(150人)だけでなく、鳩山グループ(50人)、旧民社党(30人)などが大同団結していることだ。設立趣意書には「このままでは民主党は次の総選挙で政権を失う」「衆議院1期生は全滅になる。座して死を待つわけにはいかない」などという過激な言葉が並ぶ。彼らが集まれば、代表選では一大勢力になる。菅を支えるのは前原グループ(40人)、野田派(30人)、菅グループ(40人)など一握りだから、勝負にならずに、菅は負けることになるのである。
そんな中、注目を集めているのが小沢の生の一言だ。
首班指名選挙があった6月4日、衆議院本会議場で小沢から唐突に声をかけられたのが川内博史衆院議員だ。川内は、その直前、グアム・テニアンを訪問した。小沢は川内にその報告を求めたのだ。川内が翌週、小沢事務所に報告に行くと、小沢は「アメリカにきちんと話をすれば、米国も我が意を得たりということになるはずだ」「なんでアメリカ政府に物が言えないのかな」「アメリカの人たちは普天間問題に関して、“日本がどうしたいのか、ということがさっぱり分からない”という」「日本側がどう考えているのか、について、まず話をするということが大事だ」と言い、「辺野古も徳之島も無理だ。9月の代表選の争点になるな」と漏らしたというのだ。
さて、その後、参院選の惨敗がある。小沢は側近議員に「菅が辞めないのは不思議だ」と語ったという。
こうした言動を総合すれば、小沢の真意は明らかだ。菅の自滅を見越して、準備を進めている。それを受けて、イロイロな会合が立ち上がりつつある。菅は絶体絶命だ。