民主党:代表選へ向け、反主流派グループの動きが活発化


(毎日新聞 2010年8月3日 21時32分)   http://bit.ly/bZyfB4


 民主党代表選(9月1日告示、14日投開票)を前に3日、菅直人首相と距離を置くグループの会合が相次いだ。参院選大敗で求心力が低下している首相をけん制する狙いがある。対立候補も固まらないまま思惑が先行している形だが、現時点では個別の活動が目立つ鳩山由紀夫前首相のグループに属する議員らの動きが、代表選の構図を左右するカギとなりそうだ。

 代表選出馬に含みを残す海江田万里衆院財務金融委員長は3日、衆院議長公邸で勉強会を開いた。国会議員約50人が出席し、小沢一郎前幹事長に近い三井辨雄国対委員長代理、小沢氏のグループの松木謙公衆院議員らのほか、菅首相のグループの荒井聡国家戦略担当相も参加した。


 会合が注目を集めたのは旧社会党グループの横路孝弘衆院議長が場所を提供したためだ。海江田氏は鳩山氏のグループだが、小沢氏のグループにも「代表選で推してもいい」との声がある。鳩山氏と、鳩山前政権を支えた小沢氏、旧社会党の3グループの連携が復活すれば、首相には脅威となる。海江田氏は会合後、記者団に代表選について「コメントする立場にない」と明言を避けた。

 それでも、鳩山氏のグループの内情は複雑だ。同グループの小沢鋭仁環境相は3日の会見で、前日に発足させた自身の勉強会に関し「政治家の会合なので(代表選の)議論も出てくるかもしれない」と述べた。小沢環境相には、次期衆院選不出馬を示唆した鳩山氏後継への思惑もある。条件付きで菅首相続投を支持した鳩山氏も現時点では沈黙を守る。グループの幹部は「小沢前幹事長は大事な政治家だが、小沢前幹事長だけ、ではない」と強調した。


 とはいえ、鳩山氏のグループに属する議員は存在感を増している。山岡賢次前国対委員長は6日に「このままいけば民主党は政権を失う」などとする反首相色の強い会合を開く。世話人には平野博文前官房長官、松野頼久前官房副長官、中山義活前首相補佐官ら同グループの幹部級も名を連ねた。山岡氏は、当選1回の衆院議員を3日夜から3夜連続で自宅に招く。

 3日夜、都内の日本料理店には小沢氏のグループの支援を受けて6月の代表選に出馬した樽床伸二国対委員長や三井氏らが集まった。両氏の「本籍」は鳩山氏のグループだ。


 一方、小沢氏のグループの一つ「一新会」は3日夜、都内の中華料理店で会合を開き、約30人が集まった。鈴木克昌会長は「いざとなったら一致結束して頑張ろう」とあいさつした。


 また旧民社党系グループに加わる約30人の議員は3日夜、都内の中華料理店に集まった。会合後、民社協会会長の田中慶秋衆院内閣委員長は「しっかりした政策を実現していくために独自候補を立てる」と述べ、党代表選にグループからの候補擁立を目指す考えを示した。