政界再編成の動きはどうなる

(日刊ゲンダイ2010/7/13)

今回獲得した「44」という議席数は、民主党にとって酷な数字だ。与党の議席数は、非改選と合わせても110議席。過半数の122議席に「12」も足りない。
惨敗したのだから政権運営に苦労するのは当然としても、10人当選で11議席となったみんなの党を取り込んでも参院を押さえられない。
過半数の確保には、さらに別の党を抱き込むか、自民党にでも手を突っ込んでハグレガラスを引っこ抜くか……。いずれにしても、二の矢三の矢をつぐ必要がある。
政治評論家の浅川博忠氏が言う。
「渡辺喜美代表に行政改革や公務員改革を担当する大臣ポストを与え、みんなの党を抱き込んでも、与党はギリギリで半数です。最終的に公明党の閣外協力を取り付けることになるでしょう。もうひとつ考えられるのが、民主党が自民党に抱きつく連立です。例えば菅代表は、2000年の加藤の乱のとき、自民党の加藤紘一元幹事長を支援して倒閣に動いていた。彼を窓口にするパターンが想定されます。確かに、いまの加藤さんは党内に仲間が少ない。しかし、与党なら大臣になってもおかしくない中堅議員とか、野党暮らしにシビレを切らした議員とかが行動を共にする可能性はある。自民党は股裂き状態になり、分裂含みの展開になります」
民主党だって、そのままではいられない。
小沢前幹事長は3年前に森喜朗元首相と一度は大連立で合意した。たちあがれ日本の与謝野馨共同代表とも近い。自民党には菅を「左翼」と決めつけている連中も多いし、小沢が100人を超えるシンパを引き連れて党を割れば、喜んで連携するのも出てくる。
反小沢と親小沢。政界は再び小沢を軸にして再編に向かう公算が大きいのだ。