[自民]小沢戦略に嫉妬?  (日刊ゲンダイ2010/7/7)

比例票カサ上げ作戦の絶妙

自民党が小沢戦略に舌を巻いているのは、参院選の比例区票に関してだ。どの世論調査を見ても、自民党の比例区議席予想は11~13。これに対して民主党は18~20である。
「選挙区では互角の戦いをしているのに、どうして比例区でこんなに議席を離されるんだ」と自民党が分析した結果、「そうか」となったのが、例の小沢前幹事長の複数区2人擁立だったのだ。

「18ある2人区以上の選挙区で、自民党が複数候補を擁立しているのは東京と千葉だけ。それに対し、小沢は新潟を除く17の複数区で2人目を押し込んだ。反発もあったが、この2人目の候補がそこそこ支持を集め、それが比例票のカサ上げになっているのです。どの複数区でも民主候補2人を合わせたポイントは、候補1人の自民党の1・5倍近くある。小沢が言った通りの結果になったのだから、敵ながら、さすが選挙を知り尽くした男ですよ」(自民党関係者)

さらに自民党が恐れたのは、民主党がこの2人目の候補に集中的に実弾とスタッフを送り込み、票集めをされることだった。しかし、小沢辞任後、枝野幹事長と安住選対委員長は方針を修正し、2人目の新人候補を見限ってしまった。これに自民党は「やれやれ」と胸をなで下ろしているらしい。
選挙は戦争と同じなんだから、今からでも遅くない、枝野幹事長は戦略を練り直した方が賢明だ。