消費税10%日本経済は崩壊する!

(日刊ゲンダイ2010/6/25)

年収700万円なら18万円負担増
◇山一証券・拓銀倒産
「増税しても景気は悪くならない」――と言い張っている菅首相は、消費税を10%に引き上げるつもりだ。しかし、景気が悪化するのは確実だ。消費税が10%にアップしたら、日本経済はどうなるのか。
◇37年「3%→5%」で大不況に投入した
総務省の家計調査によると、1世帯の消費支出は1カ月平均で25万3720円(09年)。年間で約300万円だから、仮に消費税が5%から10%に引き上げられると、家計負担は15万円増になる。
年収700万円の世帯は、18万円の負担増。年収900万円世帯は22万7000円の負担増になるという。GDPの6割を占める個人消費を冷やすのは間違いない。実際、消費税が3%から5%にアップされた97年、日本経済は一気に大不況に突入している。
「増税直前こそ駆け込み需要は期待できるでしょう。しかし、その反動は半端ではありません。消費税が5%にアップした97年を思い出してください。この年、日本を震撼させる出来事が次々に起きている。北海道拓殖銀行、山一証券、三洋証券が相次いで破綻しました。今回も同じような悲劇が起きる可能性は十分にあります」(経済評論家の山崎元氏)
株価の動きを見ても、消費税増税が打撃を与えることを証明している。
95年以降の最高値は96年6月26日の2万2666円。その前日に消費税アップが閣議決定され、それ以降、一度も高値を更新できない状況が続いている。結局、97年、GDPは23年ぶりのマイナス成長だった。
こんな警告もある。
「つい先日、マツダの元期間工が工場内で無差別殺人に及びました。もし、消費税がアップしたら、自動車や電機会社の売り上げは落ち込み、コスト削減を進めるしか手がなくなる。最も弱い立場の期間工や派遣社員が真っ先にクビを切られる。一方では1億円以上の高額報酬者の実態が明らかにされています。庶民の収入格差に対する不満は最高潮に達し“第2のマツダ”事件が必ず起きます」(経済ジャーナリストの小宮和行氏)
菅首相は財務省の口車に乗せられて「消費税アップ」を言いだしたのだろうが、97年になにが起きたか、振り返るべきだ。